ソーシャルメディアのトップユーザに報酬を。勢力は変わるのか?

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Jason Calacanisは、最近のDiggの炎上とNetscapeのページビューの急増によって、Netscapeにおいて自分が提唱したモデルは正しかったことが立証されたとAOLに掲載したメモに書いている。 また、最近の一連の出来事は、ソーシャルメディアサイトのトップコントリビューターにとって、ハードワークを続けサイトを活発にしていくためには、お金もそうだが認知度の向上や賞賛を得ることが必要である、ということを証明している。Mike ArringtonはCalacanisが他のサイトの常連を金で引き抜くような動きを“Netscapeに大きなレッドフラッグ(過去記事:Huge Red Flag at Netscape)”と呼んでいる。が、僕はこれには反対でソーシャルニュースや特にビデオ共有のような場での最近の伸びを見ていると、常連に報酬を与えることは堅実な戦略にみえる。僕はCalacanisが考えているほど明確に考えてはいないけれども、これ以上面白い問題はないと思っている。

ソーシャルニュースが軌道に乗るにつれて、広告主たちはMySpaceやYouTubeのようなサイトに目をつけ始め、アマチュアとプロの境界はますますぼやけてきた。民主党全国大会のプロガーがプログ変革のキーとして歴史に残ったように、メディアを変えるかもしれないような出来事がいくつもはじまっている。Yahoo!は、Flickrを買収した時、最大のウリのひとつはユーザーが無償でコミュニティーを作ってくれることだと言っていた。 Calacanissの論法によれば、これは時流に乗ったものではないことになる。この意見を支える証拠はいくつもある。うまくいっているサイトは、報酬を受けたユーザーと高品質でありきたりではない企業広告が組み合わさることで成り立っているのだ。

最近のDigg (過去の記事)とNetscape (過去の記事)に関する議論を考え合わせて、コンテンツ製作のアマチュアとプロの境界をぼやかすようなキーポイントとなる事象をリストアップしてみよう。このmeme(訳注:ミーム・文化の伝承における遺伝子のようなもの)についての項目は以下のとおり。

  • Diggのトップユーザーの中には喜んでいないユーザーもいる
  • Calacanisによれば、Netscapeが雇ったトップコントリビューターたちは、ページビューを急増させている
  • YouTubeのトップユーザーは、プロの製作者だった
  • YouTubeのユーザーはプロ化していき、プロはYouTubeで成功している。
  • MySpaceはもはや練習の場ではない。販売のプラットホームである。
  • Revverには独自のスターが存在し、彼らは収入を得ている。
  • みんなParis Hiltonが嫌いだ。

詳しい話はこうだ。

YouTube はこの件に関して今いちばん面白いサイト。YouTubeで先週最も閲覧されたビデオメーカーのうちのひとりLonelygirl15は、ビバリーヒルズの有名タレント事務所Creative Artists Agencyの作品だったことが発覚したのだ。16才の少女が軟禁されて両親に見守られながらビデオを作ってはアップロードしていた、というようなありそうな話ではない。論争は大紛糾、Lonelygir15は商品化前の正式な作品なのか、コミュニティメディア共有サイトの信頼性に対しアタックした巧みな操作なのか。この話題に関してDanah Boydが詳しいブログを書いているほか、メジャーなメディアではNew York Magazineがいちばん詳しく書いている。

YouTubeコミュニティ内での反応は、Bravesgirl15がリーダーとなってLonelygilrのバックにつく企業を非難しているものから、長い間サイトリーダーであるRenneto作成の(僕には憤慨のフリのように見える)ビデオまでさまざまだ。他にもLonelygirlに似せた紫色のサルのパペットによる模疑記者会見など、あまり面白くない返答もまだまだある。これは、たった今YouTubeをゆさぶっている議論で、全ての類似サイトの将来にとってもかかわる重要な話なのだ。

ヘッドラインをにぎわせたYouTubeとParis Hiltonの契約は大失敗で、サイトへのすさまじい反感を呼び起こしているけれども、Smirnoff’s Tea Partayのミュージックビデオは成功かどうかはそもかく注目度は大である。サイトのお気に入りBrookersはビデオを30本(ほとんとがコピーライト付きの曲を口パクで歌うもの)も作らないうちにNBCと契約を結んだ。

サイト外で不法にコピーされた著作権付ビデオの問題は、YouTubeがこれまでになく揺らいでいる唯一の理由だったが、サイト上での商業行為を止められないことも問題だ。

MySpaceは新たにYouTubeのスターたちには必携のホームページとなった。また、今年後半には実施されるGoogleとの契約により、MySpaceは主要な広告スペースともなり、音楽アーティストにとっての市場に直決したルートでもある。Arctic Monkeys はMySpaceの成功に乗って今年これまでネット外の販売を大きく伸ばしたが、こうした新しい展開はソーシャルメディアサイトが、メインストリームでの成功のためのけいこ場だけではなくなっていることを示している。

バイラルビデオでYouTubeに降伏するつもりのない競合のRevverは独自のスターが存在し、ビデオ毎に最後につけた静止画広告をベースにしたレベニューシェア・プログラムも実施している。 どのシステムでもほとんどのユーザーにとっては広告ベースの収益では十分なインセンティブにならないが、サイトのトップスターたちにとっては話は別。このスターたちは特定のサービスを利用することを引き換えにインセンティブが与えられ、大量の観衆を呼ぶ。その観衆たちもまたロングテールのコンテンツ提供者であり、全部まとめればサイトにとって十分に収益化できるだろう。Ze FrankはRevver上で、ニュースビデオブログで大勢の人を集めるのに、退屈そうな美女に演じさせる必要はない、ということを実証してみせた。Steven Colbert がFrankのジョークを盗んだとして非難されるということまで起きている。Revverの別プロジェクトAsk A Ninja,では、Viacomの Atom Filmsとの商業映画について話を進め、サイトでは商品販売もしている。

以上全ての例の中でも、Lonelygirl15問題がいちばんタイムリーで面白いだろう。が、どの話も最近のDigg/Netscape問題のいくつかを解明するきっかけになると思う。僕の友人のAlex Williamsに よれば、バイラルビデオサイトはトップユーザーにとっての、新しい“Star Search”(訳注:スター発堀番組)であり認知の場である。それが報酬やステータスによって成り立っていくことは、この手のサイトがやっていけるためのキーとなる要素となるかもしれない。そして論点は、こうしたコミュニティで商業活動は可能であるが、どんな形ですべきかにはまだ議論の余地があるということ。 Paris HiltonはNGで、Tea PartyはOK(ただし短期間のキャンペーン)とLonelygirl15たぶんOK。などと同意が得られているとは思えないし、このモデルがずっと続くほど使われているとも思えない。ただ、コンセプトを証明するという意味ではよくできていると思う。

こういう場で広告するためには、多くのスキルが必要で、成功するよりも失敗することの方がはるかに多いのだが、たまに誰かが成功すると後に続く山ほどのユーザーにとっての障壁を取り払ってしまい、バイラルビデオコミュニティーを商業利用することへの拒否反応がみられることはない。ソーシャルメディア内で広告を取れるスタッフ不足に広告業界は困っている。Second Life は厄介な問題でいっぱいだ。

どこがこういったサイト内で原動力となり安定したビジネスができるようになるのか? トップユーザは、重要な役割を受け持つことになり、それだけの見返りを求めるだろう。この人たちのやっていることは結構な重労働なので、お金もそうだが、認知度を高めることがこの仕事の非常に重要な点であると証明している。

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