しのぎを削る人物検索サービス

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今晩(訳注:実際開催されたのは米国時間8日の昨晩)、とても興味深いパネルディスカッションのモデレータを務めた。Google本社で開催されたこのパネルディスカッションには Wink のCEO (Michael Tanne)、SpockのCEO (Jaideep Singh)それにZoominfoのCOO(Bryan Burdick)を含む「人物検索エンジン」3サービスのエグゼクティブたちが参加した。

パネルディスカッションはとてもタイムリーなもの。今日、Wall Street Journalは「You’re Nobody Unless Your Name Googles Well(自分の名前がGoogle検索結果にうまく反映されない限り無名の人に) 」というタイトルの記事を掲載。人物検索エンジンが解決を目指して取り組んでいる課題をまさに描写した内容だった。これらの課題は、同姓同名の名前を持つ多数の人たちの中から検索対象である特定の人物についての情報をどのように見つけるかというもの。記事では、これらスタートアップ企業について触れておらず、そのかわり、Googleのみに注目。しかし、記事には面白いデータが取り上げられている。例えば、Googleで「John Smith」を検索すると、1.58億の検索結果が表示される(私が試した際の検索結果数は 2.25億 だったが、検索結果数を数えている人などいないだろう)、など。

人物検索が話題になる際には、規模の大きなデータが対象になる。検索の30% は人物に関するものだ、とSinghは言う。また、Tanneは人物検索は月間20億を数えると述べた(Facebookデータを見るとこの意見が現状についておそらく大幅に少なく見積もっているものではないかと思われる)。

依然として、同市場が巨大なものかどうかははっきりしない。広告費用は主に製品やサービスに関しての検索に費やされる傾向にあり、「John Smith」(などに代表される一般的な個人名)についてでは無い。

Spock、WinkそれにZoominfoは各々非常に異なるサービスだ。それは、ビジネスモデル、対象とする市場、それにインフォメーションについてのコントロールなどについての各サービスの異なる理念を反映したものと言える。

Wink

2006年11月、Winkは方針を転換、MySpace、LinkedInそれにBeboなどのソーシャル・ネットワークからの人物情報による結果を表示し始めた。ユーザーは、氏名、所在地、その他の項目(勤務先、学校などなど)に基づいて検索。主要ソーシャル・ネットワークからの情報に基づく結果をチェックできるというもの。現在、同サイトでは1.75億人以上に関する人物情報がインデックス化されている、とTanne は話してくれた。

ユーザーは、外部のソーシャル・ネットワークで利用しているメールアドレスを登録することで、これら外部でのプロフィールが自身についてのものであることを証明し、Winkプロフィールの作成を求めることができる。

Winkは収入源を広告に頼っており、Tanneによると、「ページインプレッション1000につき2ドル程度を得ている」とのこと。また、今後、リードジェネレーション(訳注:新規見込み客獲得のための手法)など他の収入源についても検討していることをほのめかした。

Winkは$7M(700万ドル)をVCから資金調達。しかし、一部株の買い戻し を今年に入ってから行っている。

Spock


Spockはまだローンチしていないが、 われわれが見たデモからは Winkの直接的なライバルになるだろうというのが見てとれる。$7M(7万ドル)を Series Aラウンドで調達した同社は現在プライベートベータ段階。この先、数ヶ月内にローンチするはずだ。

同サービスについてのより詳しい説明は概説を見てもらいたい。Spock は野心的な取り組みだ。これから、ウェブ全体を対象とし、人物検索に関するデータのインデックス化に取り組む予定だとSinghは述べた。もっとも、今のところ効率の良さそうなWikipediaなどのサイトに重点を置いている。

いったんデータが見つかったら、Spockでは似たようなあるいは同じ名前を持つ人物を除外するために分析してから対象人物のユーザープロフィールを作成する。タグを動的に作成、その他の人物関係が記録される。閲覧者はそれから補足のタグを追加したり、あるいは既存のものに賛成票あるいは反対票を投じたりすることもできる。また個人は、自分のアイデンティティーを提供することで、プロフィールの作成を要求することができ、記述タグに対する投票の権利を高めることもできる。

Wink同様、Spockは広告収入重視型だ。

Spockはさまざまな議論を呼ぶだろう。というのも、個人が自身のプロフィールを完全にはコントロールできないようになっているからだ。コミュニティがその人物に関するタグを決定する。だから、Bill Clintonのプロフィールには「セックス・スキャンダル」、「弾劾されたアメリカ政府関係者」などのタグが含まれる。Spockでのプロフィールに不満なセレブタイプの人から訴えられるというのも確実だろう。しかし、Singhは今晩「コミュニティが決定するタグの付与を覆そうとする試みは、いかようなものであれ断固として闘う。おそらく、Wikipediaをめぐる争いを含め、こういった判例の一つ、二つはあるだろうと賭けてもいい」ときっぱりと言った。

ちなみに、Spock のロゴは(英語圏での一般的な文字デザインが水平方向であるのに対して)垂直方向に文字がデザインされていて、かなりクールな仕上がりになっている。

Zoominfo

Zoominfoはグループ中では、風変わりな存在だ。設立されたのが2000年とかなり以前であることから、インターネット分野でのスタートアップ企業の基準から言えば曾祖父にあたると言えるほどの古い会社だ。すでに、昨年売り上げ$12M(1200万ドル)と収益を上げる段階に入っており、黒字企業。

同サービスは完全にビジネス重視型(WinkあるいはSpockのライバルというよりはLinkedInのライバルにあたる)。そして、企業ウェブサイトのプレスリリースや企業沿革などからデータを抽出している。大量のデータが無料で提供されているが、検索の内容によってはサブスクリプション(最低月額料金100ドルから)が必要とされるものもある。(提供)データを有料サブスクリションで制限するというのはウェブ1.0的な方法(あ、でも、Zoominfoは黒字企業)だ。

ベストのサービスはどれか?

Zoominfoはしっかりした企業だが、今晩のパネルディスカッション参加者からの反応は冷めたものだった。プレスリリースからの引用や、企業沿革などは、シリコンバレータイプ(の人たち)を熱狂させるものではない。Spockはまだローンチ前で、メッセージやユーザーエクスペリエンスをここしばらくの間コントロールできるという利点がある。物議を醸し出すというものは売れるもの。だから、最初にプロフィールに関していくつかもめごとがあったなら、それはサイトに多大なトラフィックをもたらすというのは確かだ。しかし、ローンチしてみないことには公正に判断する方法というのは無い。Winkはしっかりした検索エンジンだ。しかし、同サービスがより伝統的な検索エンジンから方向転換したこと、それに株の買い戻しなどの「悪い」ニュースなど、人々はいまだ消化中だ。

同分野でのサービスを試みようとするものは、他にも多数存在する。例えば、StreakrProfileLinkerLinkedIn、それにUpscoopなど。これらサービスの多くにWinkと(内容が)重なるものがあるが、Spockと重複するものはより少なめ。上記で触れたように、「人物検索という分野が実際のところ、規模としてどの程度の大きさなのか」ということもまだはっきりしないのが現状だ。

[原文へ]

“しのぎを削る人物検索サービス” への2件のフィードバック

  1. […] 人物検索エンジンの新参「Spock」がこのところかなり話題を呼んでいる。TechCrunchでは先月、概要の紹介と画面イメージを載せ、私も最近このSpockにWink、ZoomInfoを加えたパネルディスカッションの進行役をやったところだ(その時の記事はこちら)。ファウンダーらは実に慎重で、これまでベータテスターをわずかな人数に絞ってきた。それが、今日からは、夏のローンチに向けて少しばかり門戸を広げはじめる。われわれも読者プレゼント用に100アカウント入手した。興味のある人は、techcrunch@corp.spock.comに申し込んでほしい。先着100名はすぐに招待される。それに遅れた人たちは、何週後かに予定されている次の機会には優先的に招待する。急がないと、30分ほどでなくなってしまうと思う。 […]

  2. […] Wikipediaに自分のページを載せてもらうのはかなり難しい。その理由は掲載にあたって対象の「知名度」が要求される点にある。Wikipedia以外のメディアで十分露出していないと「知名度あり」とはみなされない。この点のギャップを埋めようと、Wikipediaに載らない10億人くらいの人々のためのサービスがいろいろと生まれている。LinkedIn、Wink、Spock (他のSNSも、プロフェッショナル向けではないが、多くは似たような役割を果たす)などがそうだ。 […]

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