楽曲無料化行進曲は鳴り止まない

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Fon、British Telecomとの提携に調印

2007年は音楽産業にとっては災難な年となった。いや、音楽レーベルの厄年と言うべきか。

DRMの壁が音を立てて崩れ出し、楽曲CDの売上げは危険レベルまで落ちこんだ。プリンスやNine Inch Nailsといったアーティストは楽曲をタダで配ったり、そうかと思うとファンに楽曲盗んじゃえと言い出し、レーベルの顔に泥を塗っている。今週は、あのレーベル(Capitol Records)の支配から抜けたRadioheadがデジタル新アルバムをネットで発売、みんなが払いたい値段ならいくらでも構わないという異例の価格設定で業界に衝撃を与えている。

楽曲の経済は極めて単純な図式で動いている。まず限界原価、これはゼロだ。ソフトウェアと同じで最初の1枚ができたら、たちまちそれと同じクォリティーのデジタルコピーが原価ゼロで作れる。しかもコピーは誰でも作れるのだ。つまり法的手段(著作権)、技術(DRM)など誰かが人工的に製造に障害を設けない限り、単純な経済原理でいくと楽曲価格は限界原価のようにゼロに落ちる運命にある。 これを裏付ける証拠なら、反論の余地のないものが既にある。今年4月DRMフリー楽曲のベンチマーク価格は$1.29だった。これがたった半年で31%落ちて現在$0.89なのである。

P2Pネットワークもこの問題(チャンス?)にさらに拍車をかけている。P2Pで無料コピー作りにかかる時間は格段に短くなった。本当にこれでいいのかというぐらい。今BitTorrent経由でダウンロードされる楽曲は月間10億曲前後で、そのほとんどが違法コピーときている。

最終的には政府が業界保護の抜本改革(楽曲課税を義務化する法案など)にでも乗り出さない限り経済原理には勝てず、楽曲価格はゼロに向かうだろう。

業界がもう負けを認め、デジタル楽曲にそれほど高く値がつけられない事実に目覚めた時には良いニュースもたくさん出てくるだろう。

まず1つ目。これでみんな他の収入源を探せる(探す)ようになる。特に可能性が高そうなのはライブ公演、マーチャンダイジング、楽曲コピー商品の限定エディションなど。サイン色紙は今もある。今年ライブミュージック業界は活況を呈している。あと例えば“無料”のデジタルアルバム発売に合わせて新アルバムの特別限定版ボックスセットを£40.00で同時発売するRadioheadの動きもある。

2つ目。アーティストとレーベルはデジタル楽曲を収入源と考えるのをやめ、リアルの製品をマーケティングする手段と考え出す。楽曲ダウンロード、視聴、共有をユーザーに推奨し、今のラジオ局のモニターのようにペイを払ってでもお願いするようになるかもしれない。ネットで楽曲ダウンロードして共有するのが趣味のような熱心なユーザーは、ひどい訴訟の標的ではなく一番の大事なお客様、ということになる。

楽曲価格は今日明日ゼロになるわけではない。楽曲から一銭でも取ろうと思ったらクレジットカードも使わなきゃならないし、会計当たり例えば最低$0.20以上とか最低料金も必要だろう。iTunesやAmazonのようなサービスは質が良いから課金もできるが、これがP2Pネットワークだとダウンロードするまで何が出てくるか分からない。例えばウィルス。粗悪コピー。こういう厄介事を避けるためならお金を払って構わないというユーザーも多そうだ。ただまあ、BitTorrentやSkreemrのような楽曲検索エンジンでユーザーは文字通りどんな曲でも数秒で探してダウンロードできるわけだから、課金といっても大した額は取れないだろう。

Update:この記事について一部ブログからは、やはり「フェアじゃない」という反論が寄せられたが、基本経済原理に反論するのは重力に逆らえと言うに等しい暴論ではないかと思う。限界原価ゼロ+競争(誰でも楽曲コピーが作れる)では結局すべからく価格はゼロになるのだ。政府が自由市場に人工障壁でも設けない限り。

Update 2: NBC UniversalのCEOJeff Zuckerが「われわれは全員一丸となって政府の政策検討課題(アジェンダ)にIP(知的所有権)規制問題を提起する必要がある」と言っている。恐ろしいことだ。

Update 3: Paul Glazowskiより反論。フェアネス(公正さ)の観点から議論を展開している。フェアネスについての議論なら、私もコメント欄で散々書いている。そこを読めば分かるが、重力だって必ずしも公正には働かないのだ。でも、避けようがない。Paulはさらに、この表現媒体(音楽)には“価値”があると主張している。その点については異論はない、その通りだと思う。

しかし現実問題どうだろう。限界製造原価がゼロ、プラス、完全な競争(みんな消費者であると同時に全員どんな曲のプロデューサーにもなれるという状況)、イコール、やっぱり価格ゼロになってしまうのはこれ、仕方ないのでは? おそらく口にこそ出さないがPaulが一番言いたいのは、政府が介入し、“公正”価格をアルバム1枚$5~8 に設定すべきだということだろう。もちろんそのためには政府を巻き込んで(Update 2にあるような)関連法を施行するか、あるいは音楽税(music tax)のようなものを設けなくてはならないだろう(インセンティブとしては本当に本当、最悪だが)。

Update 4: コメント欄の議論(原文参照。150件以上ついて大激論が進いてます)、すばらしいね。強硬な反対意見の誰かを呼んで一緒にポッドキャストかビデオ討論会でもやりたいぐらいだ。強硬は強硬だけども知的に反証を展開してくれているPaul Glazowski(update 3参照)なら乗ってくれそうな気がする。レーベル支持派の読者も大歓迎なので、ご連絡ください。たぶんScobleかGillmorにお願いしたら動画中継してくれるかもしれないしね。

[原文へ]

“楽曲無料化行進曲は鳴り止まない” への15件のフィードバック

  1. […] インダストリー・ロックの人気バンドNine Inch Nailsは本日(米国時間10/8)をもってフリーエージェントとなったことを発表した。つまり、これからはレコード会社とはいっさい契約を結ばず、サービスも受けないというものだ。「Nine Inch Nails」のTrent Reznorはバンドのサイトで、「従来の音楽ビジネスの流通モデルはすでに限界が見えている。音楽ビジネスは今までの状態と本質的に異なる別物へと革命的な変化を遂げている。ついにわれわれの聴衆と直接的かつ適切な関係を結べるようになったことを私はたいへん嬉しく思う」と述べている。「Nine Inch Nails」の次のアルバムはRadioheadの「Rainbows」の例にならって直接一般向けにリリースされるものとみられる。Gizmodoの以下の記事は正鵠を射たものだと思う。業界の最大のスターである2組のバンドがデジタル時代の新しいモデルを読み取り、古いモデルが崩壊したことを熱烈に歓迎しているというのに、レコード会社はなぜそれができないのだろう?RadioheadとNine Inch Nailsの行動は、利権でこり固まった連中が恐れている新しいビジネスモデルは「そのうち」やってくるのではなく、もうすでに到来しているのだということを示している。Michael Arringtonの音楽産業についての意見も参照。[原文へ] […]

  2. […] Yahoo Musicのプロダクト開発担当副社長、Ian Rogersと私は音楽産業の将来について意見が違う。私は録音された音楽の価格は限りなくゼロに近づくと考えているが、Ianは音楽産業は聴取者からいくらかの金を取れるだけの価値があるものに自らを再構築することができると信じている。しかしひとつの点で、われわれの意見は同じだ―この8年間、音楽産業は沈みかけるタイタニックの甲板でデッキチェアを並べ替える以上のことをまったくしてこなかった。2006年前半、当時のIanのボス、Yahoo Musicの当時のゼネラル・マネージャー、David GoldbergがMusic 2.0カンファレンスで大手レコード会社に対し、DRMを廃止して制限なしのMP3販売を試すよう促して聴衆を驚かせた。このアドバイスは結局きわめて先見性が高いものだったということが判明した。今年に入って、AppleはDRMなしの楽曲の販売を始めたし、AmazonもDRMなしの楽曲を販売する強力なオンライン・ミュージック・ストアを開いた。先週、Ianは今度はDigital Music Forum Westカンファレンスで音楽産業の幹部たちに耳の痛いことを告げた。彼はまず8年前に戻って、Napsterのような高速P2Pファイル共有ネットワークが誕生したときに遡り、(誰彼なしに訴えるという)当時の音楽産業の反応を厳しく批判した。なんら代替案を出さずにNapsterを訴えるというのは事実の否定に近い。Napsterが P2Pファイル共有を発明したわけではない。この能力はTCP/IPそのものに本質的に内在していた。Napsterを訴えるのは、重力という概念を一般に広めたからといってニュートンを投獄するようなものだ。Ianは続いて消費者に不当に品質の劣ったサービスを押し付ける試みがいかに不毛かを指摘した。DRMでがんじがらめにされたYahoo Musicの定額契約を例に、音楽愛好家はこんなサービスに金を払おうとしないとして、次のように述べた。Yahoo! Musicはこの問題のいい例だ。…Yahoo! Musicはウェブ上のナンバーワンの音楽サイトで、月間何千万という訪問者がいる。しかし、定額音楽ダウンロード市場は全部あわせても(つまり、Rhapsody、Napster、Yahoo!などをすべて合計しても)数百万ドルにしかなっていない―7年間、各社がプロモーションに努力した結果がこれだ。Yahoo!Musicとその他のコンテンツ・サービスの使い勝手を比較するとそれも驚くにはあたらない。ラジオが聞きたい? 簡単だ。クリックする。そらラジオが聞ける。ビデオ? すばらしい。クリックして再生すればいい。オンデマンドで音楽を聞きたい? オーケー、それじゃこうしてください。Windows XPかVistaで、北米居住者だったら、まずこの20MBのアプリをダウンロードして、7画面の手順を踏んでインストールしてください。コンピュータを再起動して、5画面のセットアップを済ませたら、今度は6画面のクレジットカード登録です。それから$160払ってください。そら、好きな音楽が聞けますよ、という具合だ。そんなものに誰も付き合わない。Yahoo!はこんなバカバカしいインターフェースを作りたくはなかったのだが、ライセンス条項のせいでこうする他なかった。「コンテンツに関する多少の制限」から消費者にそっぽを向かれる不親切な、非ウェブ的なサービスへはほんの一歩にすぎない。IanはこれをAmazonで楽曲を購入する仕組みと比較する。しかし、今、7年経って、Amazonは1999年にやっておくべきだった正しい解決策を提示している。それはつまり消費者が望むような方法での音楽の提供だ。どんなデバイスでも再生できるフォーマットの楽曲を使いやすいウェブ・ベースで提供している。私はAmazonで曲を購入してみた(KevinDrewとNo Age)が、ダウンロードしてiPod Nanoに同期して、ホーム・オーディオシステム(Control 4)で再生するのに5分もかからなかった。バンザイ。しかしここまで来るのになんと8年もかかったとは。最後にIanは音楽産業の現在の欠陥だらけのビジネスモデルをこれ以上サポートする気はないと断言した。私はYahoo!にもうこれ以上ユーザーに不便をかけるだけのサービスには投資させないつもりだ。私はYahoo!本社に、すばらしいメディア・アプリケーションを作るための予算はもっと後にとっておいて、今はYahoo!MailとかAnswersとか役に立つ事業に投資したほうがいいと勧める。私自身の見解としても、消費者の利益を無視して自分勝手な制限を課そうとするような試みにこれ以上付き合う時間も予算もない。人生は短い。私は消費者に喜んでもらえるようなサービスを作りたい。消費者をコケにするような仕事は御免だ。たぶん私はIanの意見に完全に賛成しなければならないようだ。消費者に品質の高いサービス(DRMなし、品質保証つき)を提供すれば、消費者は便利さのためだけでもなにがしかを払うだろう。いつまでも今のようなことを続けていれば音楽産業の行く先は明らかだ。少なくともYahooはそれに付き合う気はない。Ianの発言の全文はここに。これは読む価値がある。[原文へ] […]

  3. […] 噂では、Napsterはより広い範囲のユーザーを獲得するため、 デスクトップクライアントを廃止して、完全にウェブ・ベースのクライアントを提供するなどのリニューアルを図ろうとしているという。いったん登録しさえすれば、ユーザーはどんなコンピュータからでもウェブを通じて音楽を聞けるようになる。また、他の多くのオンライン音楽サービスと同様、新しいウェブ・ベースのクライアントにはエンベッド可能な音楽用ウィジェットが用意されて、他のサイトに貼りこんだり、ウェブにアクセスできる各種のデバイスで再生できるようになる。しかし、Napsterで革新が必要なのはデスクトップクライアントばかりではない。Napsterは今だに定額契約制をとっていて、そのため現在市場を支配しているデジタル音楽プレイヤー、iPodと互換性がない。(これは拙劣な政策だと業界の専門家が批判している)。結果、デジタル音楽マーケットの 70%を占めるといわれるウェブに自由に接続できるAppleのiTunesシステムに大きく遅れをとる結果となっている。しかしNapsterはまだかすかな望みを見出している。Amazonは越えがたかった一線を越えてオープンなデジタル音楽のダウンロードに踏み切った。NapsterのCEO、Christopher Allenは「来年の末までにはDRMなしのMP3が業界の標準になるだろう」と予測している。現在のところUniversalグループとEMIグループだけがDRMなしの楽曲を販売している。しかし、iPodは好きだがAppleと収入を折半するのがイヤだというレーベルが後に続くことになるのは間違いないだろう。音楽関連のニュースでは、Ars TechnicaがiTunesがDRMなしの楽曲の価格を$0.99に下げると観測している。それでもまだAmazonに比べて $0.10も高い。われわれの「楽曲無料化行進曲は鳴り止まない」という記事も参照。[原文へ] Napster […]

  4. […] ソーシャルネットワークは、音楽セールスの落ち込みとは断じて無関係だ。録音された音楽が限界費用ゼロで複製可能であるという事実が、音楽セールスの減少の原因なのである。嫌悪しようと歓迎しようと、動かしているのは単純な経済原理だ。 […]

  5. […] Ethan Kaplanは音楽の価値についてたいへんうまく書かれた記事を発表した。彼は録音された音楽を元にしたビジネスモデルがひきつづき解体中であることに鑑み、いかにわれわれが社会として音楽を保護しなければならないかを論じている。 […]

  6. […] Radioheadは、アルバムIn Rainbowsを無料でオンライン提供して注目された。この行為が音楽産業の未来と音楽の売り方買い方をめぐる多くの議論や憶測を生んだ。 […]

  7. […] “360”音楽契約では、レーベルは、従来からのCDとデジタル・ダウンロード販売の売り上げだけなく、コンサートのチケットやグッズの売り上げ、CM出演料等、アーティストがアーティスト名ないしブランド名で行う活動のすべての売り上げからコミッションを得ることができる。1年前には、360契約は、賛否両論が戦わされる実験的な試みだった。レーベルは、この試みは長引くCDの売り上げの落ち込みから身を守るために必要なのだと釈明していた。しかし、現在では、この種の契約は義務化され始めた。Warner Music GroupのCEO、Edgar BronfmanはWeb 2.0 Summitで、Warnerは、現在、新規契約アーティスト全員に360契約への署名を要求していることを明らかにした。Warnerと契約している全アーティストの約3分の1が360契約を結んでいるという。激しく批判的な聴衆に対してBronfmanは「主要な収入源であるCDの売り上げが落ち込み続けている(ただし、デジタル・ダウンロードが今や収入の20%を占めているとも付け加えた)以上、このままではレーベルがアーティストのプロモーションに金をつぎ込む意味がなくなってしまう」と説明した。他の収入源がなければ、アーティストのプロモーションを止めるほかないというのだ。Bronfmanは、また、360契約によって、レーベルはコンサートその他のイベントやグッズの売り上げを促進するために音楽を無料で配布することができるようになるとも付け加えた。私の見るところ、まさにこの点がカギだ。最近まで音楽業界の外にいたBronfmanは、「壁に書かれた予言」をはっきり読み取ったのだと思う。音楽のダウンロードは最終的には無料になり、コンサートなど他の事業による売り上げを補強する程度の意味あいしかなくなるのだ。360契約は、新しいエコシステム内にレーベルの居場所を確保するためのものだ。レーベルが長期的にビジネスを続けるためにこのような試みを行うのは当然のことだろう。アーティストはレーベルについていくこともできるし、独自の道を歩むこともできる。すべてはアーティストからみて、どちらがいっそう利益になるかの判断にかかっている。もしレーベルが販売促進と宣伝の面で十分な利益を与えることを約束できればアーティストは360契約に署名するだろう。レーベルの奴隷になるには違いないが、(ごくわずかだとはいえ)大金持の奴隷になれる可能性はある。CrunchBase InformationEdgar Bronfman, JrInformation provided by CrunchBase[原文へ](翻訳:Namekawa, U) ShowListings(“arc3”); ShowListings(“arc2″); AddClipsUrl = ‘http://jp.techcrunch.com/archives/20081108360-music-deals-become-mandatory-as-labels-prepare-for-free-music/’; AddClipsTitle = ‘Warner、“360”契約をアーティストに義務化―メジャー・レーベルも音楽の無料化に備え始めた’; AddClipsId = ‘2CBE02C952CFE’; AddClipsBcolor=’#78BE44′; AddClipsNcolor=’#D1E9C0′; AddClipsTcolor=’#666666′; AddClipsType=’1′; AddClipsVerticalAlign=’middle’; 前の投稿へ トラックバック […]

  8. […] 楽曲無料化行進曲は鳴り止まない […]

  9. […] 音楽ビジネスの危機について、ここTechCrunchでも何度も論じてきた。しかし数週間前の音楽産業カンファレンスでの基調講演で、Topspin CEOのIan Rogersは違う未来を描いて見せた。前Yahoo MusicのトップのRogersは死につつあるのは音楽産業ではないと正しく指摘して見せた。他にも同様のことを言う人はいる。死につつあるのはCDビジネスなのだ。 […]

  10. […] 私は毎年、年始めにひいきのスタートアップとそのサービスのリストを公表している。今年で4年目だ―以前のリストは、こちらに。2006、2007、2008。読者の皆さんにおかれては、Crunchiesにお気に入りを投票していただきたい。このリストは純粋に私の個人的な好みだ。私はこのリストに載っているサービスをだいたいにおいて毎日利用している。仕事で使っている(Wordpress、Delicious、Zohoその他)ものもあれば、楽しみのために使っている(MySpace Music、Hulu)ものもある。両方に役立つサービス(Digg、Skype、YouTubeその他)もある。いずれにせよ、私はこれらのサービスを毎日、あるいはほとんど毎日使っている。これらのサービスが一つでも欠けたら仕事の生産性が落ちるし、楽しくない。リストには毎年少しずつ変更が加えられている。それにだんだん長くなっている。(右の表を参照)。この4年を通じてリストアップされたサービスは3つしかない。TechMeme、Skype、Wordpressだ。TechMemeはテクノロジー系ニュースのアグレゲータとして一日に何回も最新情報をチェックしている。VoIP通話とインスタント・メッセージでいちばん普通に使うのがSkypeだ。言うまでもなく、Wordpressはわれわれの運営する全てのブログで利用されている。今年は9つのサービス(1つのガジェットを含む。私は今までガジェットをこのリストから除外していた)を新たに追加した。それらは、 Animoto、Friendfeed、Hulu、iPhone 3G、MySpace Music、Pandora(これは過去に2007年にリスト入りしていたことがある)、Docstoc/Scribd、Yammerの各サービスだ。昨年のリストから落とされたのは、Amazon Music、Amie Street、Firefox、Flickr、Netvibes、Technorati。ただしリストから落としたサービスも、頻度が減っただけで、全く使わなくなったわけではない。気づいてみると、私はNetvibesとTechnoratiを以前ほど使わなくなった。(NetvibesよりGoogle Readerの方がはるかに優秀だ。Technoratiを使わなくなったのは遅すぎる上に内部リンクが多すぎる。Google Blog検索の方が使いやすい)。写真をFlickrよりFacebookにアップロードすることが多くなった。写真に写っている友達をタグづけできる機能があるし、私の他のニュースフィードといっしょに配信されるのが工合がいい。(携帯からのアップロードにはPosterousを使っている)。そういう訳で私にとってはFlickrの重要性は減少した。私の音楽鑑賞は大部分MySpace Musicに移った。楽曲を購入したい場合は、DRMなしのMP3をiTunesからダウンロードしている。新しい音楽を発見するにはAmie Streetも依然として優秀なサイトだ。曲の人気に応じて販売価格が上下するビジネスモデルは健全なものだと思う。Chromeを試用しているためFirefoxはリストから外れた。しかしまだ今のところどちらがよいか、結論は出ていない。しかしChromeのMac版が出たら乗り換える可能性はある。例年そうだが、これ以外にも私が毎日のように利用している優秀なサービスがある。しかしリストの長さをある程度以下に抑えるために割愛せざるを得なかった。また、毎日利用している個々のiPhoneアプリもリストに載せていない。そのうちのあるものは上記ウェブ・サービスに劣らず私の生産性と楽しみに貢献している。来年はかなりたくさんのアプリを追加したい。というわけで、以下に今年の「これなしには生きていけない」サービスのリストを公開する。アルファベット順だ。800-Free-411800-Free-411は2007年にリスト入りした。今後も当分の間リストから外れることはなさそうだ。このサービスでは無料で電話番号を調べられる。携帯キャリヤなら1回あたり最高$3.50も取られるところだ。800-Free-411はアメリカの電話番号案内サービス6%以上の市場シェアを獲得している。Google、Microsoft、AT&Tその他がこの市場に参入しているが、800-Free-411を提供しているJingle Networks社は無料電話番号案内に広告を挿入する方式に関して特許を取得している。いいことを教えよう。“FREE411USA”をSkypeの連絡先に登録しておけば、Skypeからも無料で番号が調べられる。CrunchBase InformationMyFree411Information provided by CrunchBaseAnimotoAnimotoは今回、初登場だ。このサービスはたった一つの機能しかない。だが、それをきわめて効果的に実現している。写真からBGMつきスライドショーを即座に生成してくれるのだ。このリストの他のサービスと違って、毎日使っているわけではないが、新しく登場したiPhoneアプリがあまりにすばらしいので、今年のリストに入れることにした。私はこのサービスが本当に気に入っている。CrunchBase InformationAnimotoInformation provided by CrunchBaseDeliciousソーシャル・ブックマークのDeliciousはいままでの4回のうち3回に登場している。(2007年にはライバルのBlue Dotに浮気したが、また戻った)。Delicious 2.0がようやく安定作動するようになり、Firefoxのアドオンが便利なのがリストに入れた理由だ。また、大分以前にあのイライラさせられるdel.icio.usというドメイン名を止めたのも好感が持てる。(サイト名を入力するたびにどこにドットが来るのか注意しなければならなかった)。CrunchBase InformationdeliciousInformation provided by CrunchBaseDiggDiggは過去3年間ずっとリストに入っている。ヒマがあるときにニュースを覗くには面白いサイトだ。それにわれわれTechCrunchのトラフィックのソースとしてDiggはトップ10入りしている。Hacker Newsもテクノロジー分野に特化したDigg的なニュース・サイトで、私は毎日見ている。CrunchBase InformationDiggInformation provided by CrunchBaseFacebook5000人ほどの「友達」の動静を知るために、私はFacebookを毎日訪問している。私はFacebookプラットフォームで発表されたアプリのほとんどに興味がないが、写真とイベントのアプリだけは利用している。前回とは異なり、現在私はMySpaceも友達との交流に頻繁に利用している。友達全員とソーシャルな接触を維持するにはこの2つのネットワークの利用は不可欠だろう。CrunchBase InformationFacebookInformation provided by CrunchBaseFriendfeedFriendfeedはマイクロブログとソーシャル活動情報の集約サービスだ。公式にローンチされたのは2008年の2月。私はこのサービスを毎日利用しているが、一部のブロガーのように中毒しているわけではない。しかしTwitter同様、Friendfeedもさまざまな分野の突発的なニュースを最初に知るには良い場所だ。これも「なくてはならない」サービスになっている。CrunchBase InformationFriendFeedInformation provided by CrunchBaseGmail私は以前からGmailがメッセージをスレッド化するのが好きではない。メッセージのタグ付けの方法にも改善の余地がある。しかしこのサービスは各種のウェブメールの中で機能面で圧倒的に優れている。(ユーザーインタフェースで優秀なのはYahoo Mailだと思う)。私のメインのメール・サービスは依然Gmailだ。GearsによってGmailがオフラインでも利用でき
    ようになるまでは、IMAP経由でアクセスを続けるつもり。CrunchBase InformationGmailInformation provided by CrunchBaseGoogle Reader3年前まで私はRSSなどのフィードを読むのにBloglinesを使っていた。その後短期間、NetNewsWireを利用したこともある。 しかし、2005年の10月にローンチしたときは深刻なバグがあったものの、Google Readerは着実に進化を続け、現在はベストのフィードリーダーとなっている。CrunchBase InformationGoogle ReaderInformation provided by CrunchBaseHuluHuluは仕事には関係ない。仕事を終えてからテレビや映画を見るサービスだ。私はHuluが立ち上がりでもたついていた期間、約1年にわたって散々にけなしてきた。しかし、ご覧のとおり、今は私が毎日使うサービスのリストに入っている。最近では、普通のケーブルテレビを見るよりHuluを見る時間の方が長い。CrunchBase InformationhuluInformation provided by CrunchBaseiPhone 3G今年は初めてサービス以外のガジェットをリストに入れた。iPhone 3Gは2008年7月9日に発表されたが、私が今まで出会った中で断然、最高のデバイスだ。確かに物理的キーボードはないが、この道具でちゃんとウェブを閲覧することができる。タイプ入力のスピードが少々遅いことを補って余りある長所だ。実にすばらしいガジェットだ。CrunchBase InformationiPhone 3GInformation provided by CrunchBaseMySpace MusicMySpace Musicは誕生以来ほんの数ヶ月しか経っておらず、まだバグも多い。しかしこのサービスは一般ユーザーの音楽に対する概念を一変させた。MySpaceは何百万にも上るバンドやアーティストのページと数多くのレーベルの楽曲の無料で合法的なストリーミングとを巧みに組み合わせ、新しく魅力的なな音楽サービスを創り上げることに成功した。ユーザーの使い勝手としてはたとえば、LaLaなどの方が優れているが、こういったストリーミング・サービスは依然、有料だ。音楽の未来は無料化にある。CrunchBase InformationMySpace MusicInformation provided by CrunchBasePandoraPandoraはユーザーの好みに応じて番組をカスタマイズしてくれるインターネット・ラジオだ。最初の2年間、リストに入っていた。今でも私はPandoraを常時聞いているし、特に、iPhoneアプリの登場でリストに再登場させることにした。PandoraはTechCrunchがスタートしたときに最初に紹介したスタートアップの一つだ。最近、登録ユーザー数が20M(2000万)を超えた。CrunchBase InformationPandoraInformation provided by CrunchBaseScribd & DocstocTechCrunchではDocstocとScribdを頻繁に利用している。どちらのサービスもMS Officeタイプの文書(PDF、Word文書、Powerpointプレゼン、等)をアップロードし、それから他のサイトにエンベッドすることができる。訴訟の訴状その他興味あるPDF文書を発見した場合、われわれはどちらかのサービスにアップロードしてからTechCrunchの記事にエンベッドすることにしている。CrunchBase InformationDocstocScribdInformation provided by CrunchBaseSkypeSkypeはこのリストに毎年登場しているし、今後もずっと登場するだろう。私にとってはもっとも重要な生産性ツールだ。Skypeが使えなくぐらいならメールが使えなくなるほうがマシだ。CrunchBase InformationSkypeInformation provided by CrunchBaseTechMemeTechMemeも4年連続リスト入り。これはブロゴスフィアの日刊新聞のような存在だ。さまざまなニュースがどのように進展しているかチェックするためにわれわれがもっともよく使っているサービスである。買収の申し出が多々寄せられているにもかかわらず、未だにファウンダーのGabeRiveraが独立を維持し続けているのは驚きだ。2008年12月にTechMemeはニュースの選択を完全に自動的に処理するのを断念して、一部に人手による編集を導入した。私はこれは改悪になると信じている。CrunchBase InformationTechmemeInformation provided by CrunchBaseTripItひんぱんに出張しているユーザーにはTripItは便利なサイトだ。今年は1年ぶりにリストに返り咲き。使い方は驚くほど簡単で、旅行日程を完璧に整理してくれる。詳しい機能については、われわれのTripIt紹介記事参照。飛行機やホテル、レンタカーなどの予約確認メールをサイトに転送すると、自動的に旅行日程が作成される。ユーザーの出先から携帯で作成された日程にアクセスできる。CrunchBase InformationTripItInformation provided by CrunchBaseTwitter去年の今頃は、まだTwitterというマイクロブログ・システムの名前を知らない人が大勢いた。しかし、今やブリトニー・スピアーズまでTwitterを使っている。5億ドルの買収提案も退けた。私は主にTwhirlというデスクトップ・クライアントを利用して一日に何度もTwitterをチェックしている。CrunchBase InformationTwitterInformation provided by CrunchBaseWordpressTechCrunchではすべてのブログにオープンソースのブログプラットフォーム、Wordpressを利用している。連続4回登場。Akismetというスパムフィルターは神の恵みかというくらいありがたい機能だ。これがなかったらわれわれのサイトはスパムの雪崩に埋まってしまうだろう。このシステムは毎日1万5000以上のスパムをブロックし、自動的に削除してくれている。CrunchBase InformationWordPressInformation provided by CrunchBaseYammerYammerはGeniというスタートアップからスピンオフした今年の新顔だ。昨年秋、TechCrunch50でデビューし、最優秀賞に輝いた。これは企業向けTwitterシステムだ。社内でTwitter方式でメッセージをやりとりできる。グループ・コミュニケーションのツールとしてはメール・グループよりはるかに効果的だ。TechCrunchでは、社内コミュニケーションを全面的にYammerに頼っている。CrunchBase InformationYammerInformation provided by CrunchBaseYouTubeYouTubeは過去3年連続リスト入り。私は相変わらずYouTubeでいろいろなビデオを見て時間を使ってしまう。もちろん仕事でも、独自のビデオをアップロードするのに利用している。いつぞやは連中から差し止め要求を喰らってしまったが、それでも依然としてお気に入りのサービスの一つだ。CrunchBase InformationYouTubeInformation provided by CrunchBaseZoho私個人に関する限り、ZohoはライバルのGoogle Docsと併せて、Microsoft Officeのワープロと表計算の利用機会を確実に侵食している。機能は依然として限られているが、Microsoft Officeは重すぎ、高価すぎる。こちらは無料で、しかも文書を開いている間、同僚と共同作業ができる。これこそオフィス生産性ツールのあるべき姿だ。CrunchBase InformationZohoInformation provided by CrunchBaseアップデート: 他のブロガーもそれぞれリストを発表している。自分のブログでリストを発表している読者はコメント欄に書いてもらえば、リンクを張る。たとえば、Tony Bain。追加。 Guilmain、NewsCred、Honkin (中国のブロガー)、Ghost Hack Beauty、Mario Bruggemann[原文へ](翻訳:Namekawa、U) ShowListings(“arc3”); ShowListings(“arc2”); AddClipsUrl = ‘http://jp.techcrunch.com/archives/200901042009-products-i-cant-live-without/’; AddClipsTitle = ‘新春恒例―2009年版「これなしでは生き
    いけない」ウェブ・サービス’; AddClipsId = ‘2CBE02C952CFE’; AddClipsBcolor=’#78BE44′; AddClipsNcolor=’#D1E9C0′; AddClipsTcolor=’#666666′; AddClipsType=’1′; AddClipsVerticalAlign=’middle’; 前の投稿へ トラックバック […]

  11. […] 2007年、Radioheadはアルバム「In Rainbows」をオンライン公開し、購入者には自分が出したいだけの額を支払えばよいと言って音楽業界を震撼させた。これを将来の音楽配布方法と歓迎する者もいれば、大失敗だと考える者もいた。現実はといえば、そのどちらでもなかった。アルバムは大成功を収めたが(通常の方法でも販売された)、この配布手段を将来も使うかどうかについてRadioheadは言葉を濁した。しかし今日(米国時間8/5)彼らは、新しいシングルをひっさげてオンラインに戻ってきた。 […]

  12. Ibrar Hussain より:

    Thanks for list of MP3 Search Engines
    http://www.enjoymp3.co.cc is my favorite mp3 search engine

  13. […] TechCrunch Japanese アーカイブ » 楽曲無料化行進曲は鳴り止まな…立てて崩れ出し、楽曲cdの売上げは危険レベルまで落ちこんだ。プリンスやnine inch nailsといったアーティストは楽曲をタダで配ったり、そうかと思うとファンに楽曲盗んじゃえと言い出し、レーベルの顔に泥を塗っている。今週は、あのレーベル(capitol …はてなブックマークより […]

  14. […] TechCrunch Japanese アーカイブ » 楽曲無料化行進曲は鳴り止まな…かけている。p2pで無料コピー作りにかかる時間は格段に短くなった。本当にこれでいいのかというぐらい。今bittorrent経由でダウンロードされる楽曲は月間10億曲前後で、そのほとんどが違法コピーときている。 最終的には政府が業界保護の抜本改革(楽曲課税を義務…はてなブックマークより […]

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