音楽違法コピーには、タダでも勝てない

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Doostangに資金が

radiohead_inrainbows.png音楽業界の将来を憂う声は多く、話題はもはや「DRM付楽曲が売れるか」から「そもそも楽曲は売れるのか」にシフトしはじめた。Radioheadは先週、これまでで最大規模といえるテストを行った。彼らの最新アルバム「In Rainbows」を合法的に無料配布し、値段をユーザーにつけさせているのだ。

しかし、タダでも十分ではなかったようだ。無料でもダウンロードできるというのに、発売当日24万人のユーザーがピアツーピアのBitTorrentネットワークからダウンロードしたとForbesが伝えている。それ以降も毎日約10万のダウンロードがあり、合計50万回に達している。一方、Radioheadのサイトでは、このアルバムが予約と合わせて120万枚販売された。いずれファイル共有ネットワーク経由のダウンロード数が正式ダウンロードを上回るだろう。

この数字は強烈だが、これは音楽業界の乗り遅れ加減のほんの一端だ。業界が不法ファイル共有に「宣戦布告」したにもかかわらず、違法コピーネットワークはここ数年伸びる一方。いまや、デジタル音楽の「簡単に配信する手段」になっている。Radioheadから買うよりも簡単で、他のアーティストの曲をダウンロードしながらでも「In Ranbows」を手に入れられる。Radioheadが自分たちの曲をダウンロードさせるだけのためにアカウント登録させようとしても説得力がない。

しかしRadioheadもそれほどがっかりすることはない。デジタル実験の収益はすべてバンドのものになり、30万枚だった前のアルバムの約6倍を配布した。これはEMIを変えさせるには十分だったようだ。ForbesがEMIの会長から受け取ったメールにはこう書かれていた、「業界は、デジタル化とそれがもたらす複数チャンネルでの製品プロモーションと流通を受け入れることなく、現実から逃げてきた。Radioheadのとった行動は、われわれ全員の目を覚まし、創造とエネルギーをもってそれに応えるべきだ。」どうやらまだ、訴訟資金がイノベーションのために使われる希望はあるようだ。

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