MacBook AirHead: アップルの新型ノートが基本的には役立たずな理由

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まずはじめに、Airが非常に素晴らしいテクノロジーを形にしたものだ、ということを断っておきたい。小型化、スペースの最適化、それに現在の基準に大胆に拘らないところなど全ての点において革新的マシンが持つべき要素は備えている。Airが革新的マシンではないことを除けば、だ。

このマシンはAppleの虚栄心が一線を逸脱したものであって、最もベーシックな機能以上のものをコンピュータに求める人にとっては全く実用性に欠けている。その理由は中身にある。

まず、目立つものから見ていこう。光学ドライブがない。回転するディスクのフォーマットでしかできない諸々のことを、ここで全部いちいち並べる必要はないだろう。それに、(いくらコンパクトでも)ドライブを1個余分に持ち運ぶか、誰か他の人のものを使わせてもらわなくてはならないのでは“超軽量ノート”を使う目的が台無しだ。私はドライブをそれほど使う方ではないが、それでもやっぱりドライブ無しではやっていけない。ポケットが全部はちきれそうなぐらいUSBメモリーを持っていても、だ。

次に、プロセッサだ。超小型のCore2 Duoを実現したのはすばらしい。しかし、例えば動画・音声の編集、HD動画鑑賞、ゲームをプレイするとか、仕事でVistaをエミュレートするなど本格的作業となると私のMacBook Proでもやっとだ。しかもプロセッサに関していえばMacBook ProはAirを圧倒しているのだ。言うまでもないが、RAMの拡張はできない。Photoshopのヘビーユーザーは、例のしゃれたマルチタッチ・パネルで400MBの無圧縮PSD画像にズームしようとしても、延々待たされることになるだろう。

そして、インプット(端子)。USBポートひとつ、DVI端子ひとつ、だ。みんなプラグの出し入れが好きで好きで堪らないことに期待しよう! この製品はワイヤレスな世界のために設計されたものだ、という。まあ、そうだろう。でも現段階ではまだ架空の世界である。確かに、ハブを持ち運ぶといったことも可能だろう。しかし、それはさっき書いた不満と重なる。サポートチーム丸抱えで移動しなければならないなら超ポータブルなラップトップを利用する意味はどこにある? それはまるで頭の弱いモデル兼女優のとりまきご一行のようなものだ。女の子ひとりデートに連れ出したいだけなのに、彼女はメークアップ担当の男、カメラマン、アシスタントと一緒でなければ自分ひとりでは何もできない、という具合。

そして終わりに。みんな正直なところどうだろう? 本当にあそこまで薄いマシンが必要なんだろうか? 私のMacBook Proは重すぎず、薄さもあれで充分薄い。バッグのラップトップ用のスペースに収めても、まだかなりの空きがある。Airはとても薄いが、重量は依然として3パウンド(約1.36キロ)だし、折り畳んでポケットに入れられるようなものでもない。周囲の注目を浴びる以外、半インチ削ぎ取ったことになんの意味があるのだろう?

多くの人がこのラップトップを購入することは疑いようもない。しかし機能性からみれば、これはMacBookの製品ラインというより、Eee PC級のものに近い。そして、Eeeマシンは格段に安く、実際にウルトラポータブル。また、Airの希望小売価格はマシンのポテンシャルからかけ離れている。これに比べたらiPhoneがバーゲンに思えるほどだ。Appleが現在のPCテクノロジーの限界を広げようとしているのは嬉しいが、今のところ、Airは少々レモン(不良品)に思える。セクシーなレモンだが。

編集メモ:どうもハチの巣をつついたような騒ぎを起こしてしまった。あるポイントについて、もう一度はっきり説明する必要がありそうだ(コメント欄でもう説明したが読む人なんていないだろう)。

MacBook Airは(2台目などの予備の)サブマシンではない。EeeやEverexRedflyはサブマシンとして想定されたもの。小さいし、ベーシック、それに始めから機能を最小限に抑え、超小型の製品になるようデザインされている。Airは通常のノートブックを目指しながら、失敗したものだ。アップルが行ったことは、通常のノートブックの機能を削りながら平たくしただけ(その点では上出来だということを付け加えたい)。(スクリーンとフルサイズキーボードの)幅を除く全てにおいて(通常サイズのものと比べての)妥協が見られる。その幅でさえも小型化に貢献していない。真のサブノートブックは単に薄いだけではない。それ以外の点でも小さいものなのだ。薄型かもしれないが、13.3インチのスクリーンでは、どんなカーゴパンツのポケットにも収まらない。確かに小さくてセクシーだが、あの値段はひどい。しかもサブマシンでもなければウルトラポータブルでもない。申し訳ないが、あのサイズ、値段、ハードウェアでは廉価ノート分野で太刀打ちできる要素はセックス・アピール以外、何もない。(だからセクシーなレモンなのだ)。

※本投稿はCrunchGear、Devin Coldeweyによる寄稿です。

*訳注:タイトルの「airhead」とは、俗語で頭の中が空っぽの人、ばか者という意。例)ブロンドのairhead

Last Updated: Jan 17, 2007 9:57am (ご指摘のコメントありがとうございました!)

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(翻訳:Nobuko Fujieda/TechCrunch日本語版編集部)