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TechCrunchはドリームチームを目指す―われわれがベンチャー資金を入れない理由

このごろブログがベンチャーキャピタルから資金を調達しようとする例が増えている。ブログから売り込みをかけられたベンチャーキャピタルの連中から聞いたのが正しければ―新参のSilicon Alley Insiderが$3 – $5M(300から500万ドル)のラウンドを狙っているというし、PaidContentも同額の資金調達を狙って運動中だそうだ。(PaidContentは2006年のラウンドで$1M(100万ドル)弱を調達している)。 またPaidContentは$15M(1500万ドル)くらいで買収してくれる相手を探しているらしい。会社を売り払って小遣いを握って出ていこうとしているわけだ。

こういったブロガーの資金調達の噂はだんだん過熱してきている。ちょうど1月ほど前、 VentureBeat32万ドルを調達した。2007年にはSugar Inc. (1千万ドル)、GigaOm (100万ドル)、XconomyBlogher (350万ドル)The Huffington Post (1千万ドル)がそれぞれベンチャーキャピタルを導入した。つまり2007年には少なくとも$25M(2500万ドル)がブログとブログネットワークに投資されたということになる。

2006年はこれに比べると穏やかな年だった。SeekingAlpha が額は不明だが資金調達を行ったのと、B5Media (200万ドル)、PaidContent (100万ドル)、Sugar Inc.(500万ドル)、GigaOm (32万5000ドル)といったところで、トータルでも $8.5M(850万ドル)強だ。2007年の3分の1の投資額だったことになる。

われわれの知る限り2005年にはブログに対してこれというほどの投資はなされていない。Weblogs, Incが2004年に30万ドルを調達しているが、それを使う前にAOLによって推定$25(2500万ドル)で買収されている。投資家のMark Cubanらは当初の投資額に対して15倍の利益を上げた。

しかしこの2004年のWeblogs, Inc.への投資を例外として、それ以外にブログへの投資が成功した例は見かけない。しかもそのころはブログというのは趣味だった。ほとんどのブロガーはお互いに同士愛で結ばれ、常時お互いにリンクを張り合っていた。誰もこれというほどの注意も収益も集めたものはいなかったから、おおむね皆仲良くやっていた。(Engadget/Gizmodoというビッグな成功を目指して奮闘している大きな例外はあったが)。

しかしこういったブログの青春時代ははるか過去のものになってしまった。ライターは相場による原稿料を欲しがるようになった―1記事について5ドルかそこらだった2年前とは大違いだ。今やブログ・ライターも高給、福利厚生、ストックオプションの世界に入ってきた。人件費だけで収入の半分が消えてしまう。

しかも良いコンテンツを用意するだけではすまなくなっている。メインストリーム・メディアとブログの位置関係を考え、複雑かつ動きの激しいウェブの政治学をよくよく理解して、どこから助けが得られそうか見極めた上でなければ記事1つ投稿することもできない。また他の有名ブロガーからのリンクをどうやって得るかも考えねばならない。立ち上げ初期の段階でのそういうプッシュがなければTechMemeの見出しを飾ることもできないし、ページビューも伸びず、スポンサーもつかない。しかしブログというのは定義からしてブロガー同士の対話を含む活動だ。そこで往々にして感情的な理由から戦いが起きる。党派もできる。この連中は先々味方として頼りになるだろうか?

個人的な考えだが、喧嘩しなければならなくなったら正々堂々、徹底的にやれ、と思っている。主張すべきことは残る隈なく容赦なく論じて、そしてすばやくケリをつけることだ。奥歯にもののはさまったような議論はいけない。感情的に問題となるような論点はすべて論じておかねばいけない。すべてが終わったら関係者全員埃を払い、握手して他日を期す―握手は別に公開の場で行わなくてもいいが、そういう白黒はっきり決着がつく喧嘩がいい。そういうことができない性分の者はブロゴスフィアの辺境に身を潜めてもうとっくに皆忘れているような昔の意趣を時折蒸し返して誰彼を侮辱するぐらいしかできなくなる。

私が見るところ、今日のブロゴスフィアは、控え目に言っても、保安官がいない西部開拓時代の町のようなものだ。(Tim O’Reilly の胸にはバッジが光っているかもしれないが、ピストルも牢屋もない)。だから誰でもやりたい放題なのだが、政治的に賢明な連中は完全武装で団結してギャングを作って敵に備えることになる。他の参加者は注目を集めようと無闇やたらと暴れまわるか、有力なギャングの仲間に入れてもらおうと(いち早く繰り返しリンクを張るなどして)丁重にお願いすることになる。

しかしこのギャングのボスたちも、ベンチャーキャピタルの資金の注射を受けて、何十人という社員を雇い、ビジネスを拡大してしまうと、突然失うものが大きくなったことに気づく。リンクを張るのさえ「相手が面白い記事だから」ではすまなくなる。リンクは今や政治的資産となり、そういう見地から慎重に使わねばならないものになる。その結果よい記事に即座にリンクを張る機会を逸してしまい、2週間後に自分のスクープにリンクが返って来ないのにホゾを噛むことになる。他のブログを敬意を払うべき人々の労作であり、共に議論を始める出発点と見ずに、単なるライバルと見るようなると、認識に変化が起きてしまい、もう今までのような適切なリンクが張れなくなる。

うまい具合に、新参のブログは
つでもたくさん登場している。こういうブログこそリンクの草刈場だ。同様に中堅のブログはそれより大きなブログから丁寧な扱いを受ける。彼らも支援が欲しいのだ。こういうことをよく理解して上手に立ち回ればブログを短期間で急成長させることは可能だ。しかしやり方を間違えると、一人荒野に寂しく取り残されることになる。

ちなみに、私も若く、有望なブロガーを発見すると、なるべく数多くリンクを張って支援しようとしている―Winer、Scoble、Jarvis 、Rubelといった諸士が私にしてくれたことのいわば恩返しだ。目的は彼らにできるだけ早く影響力のある地位を占めてもらうことだ。マトモな頭のブロガーの影響力が増えれば、くだらないノイズの発信源を無視しやすくなるし、ブロゴスフィア全体の対話の質も改善される。たとえば去年の場合、私はSilicon Alley InsiderCenterNetworks LouisGrayMathew Ingramなどのブロガーを強く支援してきた。実は彼らと特定の問題で意見が合うことはほとんどないのだが、私は彼らの発言に―内容と同時にその表現の仕方にも―注意を払って参考にしている。今あげたブログはまだブロゴスフィアの政治には巻き込まれておらず、公平に誰にでもリンクを配給している。こういうブログはブロゴスフィア全体のエコシステムの中でたいへん貴重なな役割を果たす。政治的配慮でなく、内容として面白いと思ったページにどんどんリンクを張っている。こうして面白い記事を載せたブログが上位にランクされ「ギャング」の中に地位を確保する余地をのこす。

で、こういう長々しい愚痴の行き先はどういうことになるのか? 要するに、こうしたブログの世界、複雑で動きも激しいがそれなりに安定してもいる世界に巨額の金が流れ込んでくるとエコシステムに重大な影響がでるということだ。金があり、従業員がおり、、健保、取締役会、株主総会などがあるブロガーはまったく新しい種類の相手に政治的にふるまわなければならない。そのため、そもそも得意だったこと―ライバルに負けないブログ記事を書くこと―に割く時間が大いに減ってしまう。ある種のスポンサーを獲得することを配慮しなければならないというのである種の記事のトーンを下げたりするようになり、行動につじつまが合わなくなってくる。投資家は成長を求める。そこでどんどん新しいブログを立ち上げる。しかしそうなると長期的に成立するビジネスとするために十分な人材が確保できているとは限らない。

はっきり言えば、私はブログに注入されたベンチャー資金の大半は無駄になっていると思っている。

ベンチャーキャピタリストがブロガーに小切手を切るのは何も20年かけて一生の仕事としてのブログを育てようなどという積もりではない。彼らの目的は「出口=現金化」だ。それもできれば3、4年以内に10倍以上になるのが望ましい。しかし私にはどうしても現在見ているブログ・ネットワークがそんなにすばやく簡単に現金化の機会に恵まれるとは思えないのだ。優秀なライターは既存のブログに囲い込まれて見つかりにくくなる一方だ。たとえ書き手がみつかっても、あらゆるニッチ・マーケットにまで有力な先客がいて、その分野でのページビューと広告収入を独占している。こういったライバルを蹴落とすのは長い困難な戦いになる。

ある時点で、実際に巨額の会社価値評価を得る唯一の方法は、トップクラスの才能を一ヵ所に集めて、それぞれに次のスクープを求めて深夜までがんばれるだけの十分な株を配分した会社を作るしかないと痛感されてくる。ライターにはそれぞれ相当の裁量権が与えられ、自由に腕を奮い、記事に個性を出す余地が必要だ。それから誰かが既存のあるいは新規の会社に巨額の資金をつぎ込んでCNETを粉砕するような年商$200M(2億ドル)の本格的ビジネス目指して出発する。

そういうことは可能だと思う。それどころか、遅かれ早かれ必ず起きるはずだ。しかしブロガー諸君がたかが$10M(1千万ドル)の評価で$3 -$5M(300から500万ドル)を受け取ってしまえば、そういう未来への可能性は閉ざされてしまう。ブロガーはつらい荒野に取り残され、Federated Mediaとかそういう広告ネットワークから露命をつなぐ収入を得ながら全般的にいってみじめな経営をしなければならないだろう。

私が期待し、できればそこに参加したいと願うのはブロガー版の1992年の男子バスケットボールのアメリカ代表―ドリームチームだ。そんなチームだったら1年でCNETを倒すことも可能だし、生き残りからベストの人材を選んで雇うこともできるだろう。それからさらに大きな目標に向かって進むのだ。

つまりはそういったチームに参加したいという夢があるのでTechCrunchは外部の資本を導入しようという気になれないのだ。TechCrunchはこのドリームチームに参加する一員になれる入口まで来ていると私は信じている。

そういうわけだ、諸君。ベンチャー資金を受け取る前にじっくり考えたまえ。その金を受け取ることで、自分では気づかずに、数多くのチャンスの扉を閉めてしまうことになりかねないのだ。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

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コメント

まいのこ☆WEBデザイン
アメブロの上からニョインって出てくる広告(最悪)とか、画面いっぱいに出る広告とか(最悪)、もう本当や…
つん(たん)
現在の検定で不正が問題になっていることを今知ったよ。
Ichiro Mizoguchi
なんとなくですが、「一度使ったら手放せない」ってなりそうです。ちょっと怖いなぁ ^^;
デラペニャ
サイヤ人は怒りや悲しみが極限に達するとスーパサイヤ人になるそうです。スーパサイヤ人になると外観にも変…
U-YA
Windows Phoneは使いやすいんだけどアプリが絶望的に少ない。