音楽税―音楽産業、新たな強請りタカリを計画中

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アップデート: 音楽税については、ここにもっと詳しい情報がある。

ミュージシャン自身もバカらしいことを言っているかもしれないが、音楽レーベルは危険なまでに愚かで、音楽産業にこれ以上の損害を与える前に止める必要がある。典型的な例がこれだ。録音された音楽に課金していた時代が間もなく終わると知っていながら、Warner Musicは音楽税を導入する運動を始めている。

音楽税が提唱されたのはこれが初めてではない。Peter Jennerは2006年にヨーロッパでそういう主張をしたし、Trent Reznorも去年同じこと を言った(Songwriters Association of Canadaもそうした)。Mathew Ingram ももう一つの例だ。

しかし、Warner Music は単に音楽税について話すだけではなく、業界のベテランJim Griffinを雇い、新団体を創設し、そこにユーザーから集めた金をプールしてアーティストと著作権者に配分しようと計画している。ユーザーに対する訴訟はうまく行っていない。(Portfolioによれば、RIAAは昨年5400通の警告書を送付、うち2300件と和解し、応じなかった2465件を訴えた)。

目標? 誰からなしに月5ドルを徴収する。つまり年間$20B(200億ドル)のツケを払わせるようという計画だ。今日の録音音楽業界の規模(100億ドル)はこれで2倍になる。

AkamaiのDavid Barrett(これは彼個人の意見であってAkamaiを代表するものではない)はこの問題について興味ある見方をしている。彼はこの計画を「選択の余地なく全員に加入を強要するのだから強請に等しい。現在すでに無料で手に入るものについて人々から金を取ろうとしても手遅れだ」と評している。私も同感だ。音楽税は典型的な「みかじめ料」ビジネスだ。

2ヵ月前に私が書いた ように、音楽税は音楽産業の最後の拠りどころとなり、既存の業界秩序を維持しようという最後の企てとなるだろう。そのとき書いたのは以下の通り。

音楽税は音楽におけるイノベーションをつぶす

欲しくもない人にまで音楽を買わせることで、この問題は解決できない。そんな仕組みから生まれる動機は不純なものでしかない。売上や利益が保証されれば、新しいことをやったりニッチ市場を相手にするインセンティブなどなくなってしまう。これは音楽の死を意味する。

音楽業界はどんなタイプや品質の楽曲を出そうが、売上規模は一定になる。革新的なことをするインセンティブは消滅するだろう。あるのは市場シェアの奪い合いだけで、市場の拡大やあまり人気のないニッチを相手にすることはなくなる。レーベルが新ブランドを立ち上げて新人アーティストを育てるなどというのは過去のこと。既存の大物にできる限り稼がせて、あらゆる新しいレーベルやアーティストやソングライターの市場参入を阻止するだろう。新規参入は限られた原資の取り合いが激化するだけだ。既存のプレーヤーによる談合は目に見えている。

レーベル各社はすぐにこの収益では事業が立ち行かないと文句を言って、増税を要求するだろう。上がったものは二度と下がらない。

前にも言ったことだが、死にかけた産業の復興を政府に頼るという発想は、必ず(必ず)ろくなことがない。今回に関していえば、歴史に残るばかばかしくて危険でどうしようもないアイディアだ。

もしこんなことが起きれば、今日の音楽産業に新地平を切り開いている、尽きることのない創造と破壊のエネルギーは涸れてしまう。優秀なミュージシャンはいつでも金儲けの方法を見つけ出す。それ以外の連中は音楽を趣味として追求し、(やれやれ)食っていくために定職に就かねばならないだろう。だがもし音楽税が課税されたら、そうしたイノベーションは死に、収入と利益が保証されることで革新のニーズも、市場も競争もまた死んでしまう。音楽税は、これから満開を迎えようという花を散らしてしまう最も確実な方法だ。

そう、開花期なのだ。音楽産業の企業にとっては最近は恐ろしい日々だろうが、創造性とイノベーションの黄金時代が間近に迫っていることは明らかだ。それはすべて、インターネットが音楽に対して完璧に近い流通メカニズムであることから生まれている。音楽レーベル死すべし。願わくば、これ以上の損害を与えないうちに。

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(翻訳:Namekawa, U)