Yahoo、BOSSを発表―画期的な検索サービスのオープン化イニシアチブ

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ゲーマーためのコミュニティ-、UGameが公開ベータ開始

ウェブ検索業界でトップからはるかに引き離された2番手だったら、大胆な戦略を取っても失うものはない。だからYahooがオープン戦略を取ったのもうなずける。つまり検索テクノロジーを広く公開することによって多くのデベロッパーを惹きつけ、利用してもらうことによって、ウェブのロングテール部分に広告を浸透させようという戦略だ。

Yahooは、BOSSの発表によって、この方向に革命的かつ歴史的な一歩を大きく踏み出した。 BOSSは“Build Your Own Search Service”〔自分自身の検索サービスを作ろう〕の頭文字で、簡単に言えば、ウェブの検索機能をウェブサービスとして公開するもの。デベロッパーにYahooの中核的な検索テクノロジーを広く利用させ、その上に独自の機能を付け加えた新しいサービスを作らせようという試みだ。ウェブ検索のテクノロジーをYahooエンジンに乗り換えた最初のグループにはHakiaMe.diumなどが含まれる。(Hakiaの場合、自社開発の検索エンジンを補完するかたちとなる)。

デベロッパーはBOSSのAPIを通じてクエリー(と付随するパラメータ)を発行し、最高50件までのウェブページ、画像、ニュース、スペルチェック結果などを、XMLまたはJSONフォーマットで受け取る仕組みを作ることができる。この際、Yahooのサービス提供約款に従って、デベロッパーは検索結果に並べて(あるいはその中に)、広告を表示しなければならない。(ただしこの広告表示はすぐには義務づけられることはないという。Yahooでは〔広告を表示したくない場合〕CPMに相当する利用料金を請求するプランも検討している。また教育機関は広告掲載や料金支払いをいっさい免れる)。Yahooは、このテクノロジーの利用にあたって、Yahoo傘下のサイトへトラフィックを誘導するためのYahooの技術である旨の表示あるいはリンク・バック等はまったく求めない。ウェブにテクノロジー的な影響力を広めることが主要な目標だ。また1日あたりの検索クエリー数の上限なども設けないし、結果表示ページのデザインについても標準を強制することはしないという。

このセルフサービスのBOSS検索APIは単独で利用することもできるが、ウェブ上の各種サービスからのデータを広範囲に利用するプロセスを省力化するマッシュアップ・フレームも提供される。APIを使う場合、デベロッパーは、結果を得るにあたって、ポルノをフィルタしたり、画像のサイズ指定したり、ニュースの場合、何日以内のデータと指定したりすることができる。表示順位は結果を受け取ってからのみ変更できる。(デベロッパーはYahooの検索エンジンが順位を判定するやり方を変えるようなパラメータを送って、通常とは違う検索結果を受け取るようにすることはできない)。

Yahooの検索結果と他の付随的データを統合したい場合、Mashup Frameworkを使うのが便利だ。デベロッパーは(XML、JSON、RSS、RDFの形式の)ウェブのデータを統合することができる。たとえば、Summizeの結果とYahooの検索結果を統合したり、その他 、Digg とYahoo検索など、、事実上あらゆるAPIからの検索結果とYahooの結果とを統合して表示できる。このフレームワークは当初、Pythonだけをサポートするが、将来はさらに他の言語も追加される予定だ。

しかし、以上紹介した部分はYahooがBOSSでやろうとしていることの半分にすぎない。数ヶ月にはYahooは“BOSS Custom”とよばれるAPIを公開する。こちらのバージョンのBOSSでは、デベロッパーはYahooのサーバに検索用データをアップロードし、サーバ側で索引づけの処理を行い、さらにそのデータベースに対して高度にカスタマイズ可能なクエリーを発行して検索できる。

つまり、BOSSはある意味でYahooのウェブ検索機能そのものをサードパーティーに公開するサービスといえる。ありとあらゆるタイプのデータに対してクラウド・ベースの検索がかけられるようになることの意味は非常に大きい。BOSS Customのサービスを利用を計画しているパートナーがすでに多数存在している。実はわれわれTechCrunchもその1員だ。われわれは読者がCrunchネットワーク全てを横断的に検索し、独自の重み付けモデルによって高度にカスタマイズされた的確な検索結果が得られるようなシステムづくりを始めている。これによって、たとえば記事の執筆者、コメント、日付などの条件を元に絞り込みをかけることができるようになる。

Yahooのオープン戦略の最初のサービスは4月にリリースされたSearchMonkeyで、BOSSはその第2弾だ。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

“Yahoo、BOSSを発表―画期的な検索サービスのオープン化イニシアチブ” への14件のフィードバック

  1. […] SearchCloudはYahooの検索結果に依存しているのだが、同社が新型のBOSSプラトフォーム (こちらの場合は検索結果を再編成する事が可能) を使っているのか通常の API (こちらの場合は不可能) を使っているのかがはっきりとしない−使い勝手の良い検索エンジンなのか、宣伝だけの単なる新しいインターフェイスなのかを区別する重要な違いだ。BOSSはかつては不可能だったYahooの検索エンジンに対する多くの操作を開発者達が行う事を可能にしている。さらに将来的には、現在の検索エンジンの進化を助ける多くの検索エンジンを生み出す事にもなるだろう(とはいえ、多くの挑戦は失敗するだろうが)。 […]

  2. […] YuilはYahooが最近リリースしたBOSS APIを利用している。BOSS APIを使う開発者は、Yahooの検索エンジンが生成した検索結果を従来以上にカスタマイズして利用することができる。但しYuilは検索結果に対しては格別の処理をしていない。それがためにむしろCuilがときおり戻す奇妙なものではなく、関連性の高い検索結果を得ることができる。 […]

  3. […] Yahooサーチがどれだけオープンか、その底力を見せようと、ヤフー上級エンジニアのひとりがYahooのBOSSフレームワークとGoogleのApp Engineを組み合わせたシンプルな検索マッシュアップをデモ用に作った。 開発者はBOSSを使うとYahoo検索エンジンをベースに自分でカスタマイズした検索アプリが作れるが、そのアプリをホストするプラットフォームにGoogle App Engineを使っているのだ。 […]

  4. […] ヤフーのBOSS検索専用プラットフォームで実現した新Webアプリから最も有望なアプリを集めたリストがSearch Blogに掲載された。先月ローンチのBOSSは、過激なまでにオープンなAPI。大半の検索APIで見られるような制限抜きにデベロッパーはYahooのコアの検索データも活用できる。 […]

  5. […] YahooがBOSSの実装例をさらにいくつか公開した。BOSSは、7月始めに公開された検索APIで、サードパーティーのウェブサイトに、Yahooの検索機能をシームレスに組み込めるというもの。 […]

  6. […] Wikia SearchはWISEフレームワークを、たくさんのパートナーを引き連れてロンチする:Digg(最新の一面の見出しを結果として返す)、Indeed(仕事探し)、Kayak(旅行検索)、Last.fm(音楽検索)、さらにTwitterも(関連性のある発言を探す)。ロンチ時のそのほかのパートナーに、AccuEather、AcronymFinder、Amie Street、Creative Commons(CCの画像)、PleaseDressMe(Tシャツを検索)、Thomson Reuters、Snooth(ワイン)、Yelp(地元店の評価批評)などがいる。パートナーは結果をキーワードでカスタマイズできるだけでなく、独自の検索アプリケーションを作れる(たとえばKayakでは便を探すときに出発と帰着の日時を指定する)。なのでWISEでは、Yahoo BOSSやSearch Monkeyのように、デベロッパが結果とランク付けの両方を変更でき、また結果の感触もカスタマイズできる。というか、なにしろHTMLで表現できることなら何でも結果にしてしまえる。 […]

  7. […] 半年前、D Conferenceの際に、Jerry Yangは壇上からYahooのビジネスの現状について説明した。彼が描いてみせたのは明確な将来像なしにさまよっているYahooの姿だった。ここで6ヶ月早送りする。事態は何一つ変っていない。ただし、YahooはGoogleから検索広告を提供を受ける提携で、結婚式の寸前にGoogleに逃げられてしまった。ただし、Yahooの株価はさらに$13下がり、株式時価総額から$18B(180億ドル)が蒸発した。ただし、Yahooの第一線の幹部のほとんどが会社を去った。で、何が残ったのか? 依然として会社の基本戦略をきちんと説明できないCEOが残っているだけだ。Yangは、壇上で精気なく、うつむき加減にして、ある時はYahooをプラットフォーム企業だと言ったかと思うと、次にはデスティネーション・サイトだと言うありさまだ。Yangは検索分野で今後もGoogleに十分対抗できるはずだと主張するが、検索サービスにつぎ込める両社の資源には圧倒的な差がある。Yangの期待は、YOS〔Yahooオープン戦略〕によってサードパーティーのデベロッパーが検索をウェブサービスに組み込んでくれるところにかかっている。単に表現が悪かったのかもしれないが、Yangのメッセージには説得力が感じられなかった。聴衆が感じたのは、Yahooが内部から空中分解してしまう―あるいは部外者によって解体されてしまう―までこのCEOはずっと地位にとどまっているつもりなのだろうかという不安だった。Yahooに必要なのは新しいCEOだ。Yahooにはバラク・オバマが必要だ。誰もが真のりーだーだと認める人物、先頭に立って船の舵を取る人物が必要だ。信じられるプランを持った人物が必要だ。Yahoo自身とYahooユーザーを活気づけ、Yahooが再びインターネットの重要なプレイヤーに立ち戻ったと確信させることができるようなリーダーが必要なのだ。そのリーダーはあきらかにJerry Yangではない。もっとずっと早く変革が起こされるべきだった。Yangは去らねばならない。CrunchBase InformationYahoo!Information provided by CrunchBase[原文へ](翻訳:Namekawa, U) ShowListings(“arc3”); ShowListings(“arc2”); AddClipsUrl = ‘http://jp.techcrunch.com/archives/20081106yahoo-poor-alone-and-sad/’; AddClipsTitle = ‘悲しく貧しく寂しきYahoo―Yangは去れ’; AddClipsId = ‘2CBE02C952CFE’; AddClipsBcolor=’#78BE44′; AddClipsNcolor=’#D1E9C0′; AddClipsTcolor=’#666666′; AddClipsType=’1′; AddClipsVerticalAlign=’middle’; 前の投稿へ トラックバック […]

  8. […] 但し、Truevertは環境意識をウリとしているわけではない。Yahoo BOSSを利用したマッシュアップであることがウリだ。Truevertは実はOrcaTecで開発されたセマンティック技術のデモンストレーションのために立ち上げられたもの。OrcaTecはRoitblatとBrian Golbèreが共同で設立した企業だ。TruevertはYahoo BOSSで検索結果を取得し、環境関連の結果を抜き出すのに独自のテキスト解析ソフトウェアを利用している。OrcaTecの解析エンジンはファション用、スタートアップ企業用等、どのような特定分野向け検索エンジンにも簡単に応用できる。 […]

  9. […] ヤフーによると、今年7月にスタートして間もない検索Webサービス「Yahoo Search BOSS」が、もう1日1000万クエリ(毎秒100クエリ)に達したそうだ。 […]

  10. […] Yahoo、BOSSを発表―画期的な検索サービスのオープン化イニシアチブ Yahoo BOSS、1日1000万クエリを達成 BOSSっていうサービスがアメリカで開発されてて、成果がでてきてるようです。これは検索エンジンをオープンにして誰でも自分のWEBサイトに使えるというもの。そんで、検索エンジンを用いて自由にコンテンツを作ることができて、そこにちょこっと広告が表示されるっていうもの。新しい取り組みで、なんかGoogleを倒しにきた感じですね。 知らないところでYahooが便利なサービス作りはじめてたってことで、また検索エンジン業界のやり方も変わってきそう。新しいのは、プログラムを提供して、Yahoo自身をメディアにせずにいろんなサイトに広告を露出できるところ。露出イメージとしてはアマゾンのアフィリエイトやGoogleAdsenseと似てますね。(お金をあげるんじゃなくてプログラムを提供というところが新しい。)見守りたいニュースでした。   […]

  11. […] YahooがSearch BOSSサービスにおけるいくつかの変更点をアナウンスしている。Search BOSSは開発者に、Yahooでの検索結果をカスタマイズするウェブアプリケーションを作成できるようにするもの。今回の変更点の目玉は、Yahooで最も革新的なプロジェクトであるSearch BOSSをビジネス対応にしたことだ。 […]

  12. […] Yahooが昨年立ち上げたYahoo BOSSは、地味で目立たないけどとても賢明なサービスだ。このオープンな検索APIを使ってデベロッパは、自分のアプリの中にYahooのアルゴリズムを使う独自の検索エンジンを実装できる。TechCrunchのpower searchも使っているし、今では非常にいろんなところで使われている人気のAPIだ。 […]

  13. […] Yahoo、BOSSを発表―画期的な検索サービスのオープン化イニシアチブ (tags: internet Search yahoo API) […]

  14. […] 2008年の7月にYahooは、BOSSというラジカルな新製品を発表した。BOSSは”Build Your Own Search Service”〔仮訳: […]

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