Googleの今日のアンチトラスト法公聴会の論点−当社とYahooの合意が気に食わないのはMicrosoftだけです

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連邦議会の上院と下院において、両院が別々にGoogleとYahooの検索広告提携合意(さらに詳しくはこちらから)によって持ち上がっているアンチトラスト疑惑(独占禁止法違反疑惑)に関する公聴会を本日開いている。Microsoftのビル・ゲイツの代理として出席した顧問弁護士のBrad Smithは、Googleを独占禁止法違反者として揺さぶりをかけていくようだ。同氏の準備証言によると、この検索広告提携の合意によってGoogleは潜在的に90%以上の検索広告を管理下におく事になるとしている。このため広告主は広告掲載先の選択肢が狭くなり、高額な広告料を負担することになり、消費者に対しても、深刻なプライバシー問題を引き起こしかねないとしている。同氏の発言予定内容は:

多くの人が信じるように、もし「検索」こそがインターネットの「入り口」ならば、この提携合意によってGoogleはその「入り口」と、その中を飛び交う情報を手に入れる事になるでしょう。1つの業界の広告部門において、90%以上の広告価格が1社の管理下におかれるような事態は歴史上これまでありませんでした。テレビ業界でも、ラジオ業界でも、出版業界でもこれはおこりませんでした。そしてインターネット業界においてもこの様な事態はおこるべきではありません。

Googleの主席法務担当のDavid Drummondは反論として、この合意は消費者にとっても、広告主やWeb管理者にとっても良い合意だとしている。同社はこの合意により、さらに多くの広告を消費者に提供する事が出来るようになり、 広告主やWeb管理者もより多くのクリックを稼ぐ事が出来るとしている。同氏はGoogleはYahooの検索広告を管理する事は無く、さらにYahooは従来と同じく自社で広告を販売する事により、検索広告分野において競争相手として残り続けられる点を指摘していく予定だ。また両社は、通常の「検索部門」においては今後も競争相手だ。プライバシー問題に関してGoogleとYahooは、それぞれのユーザーの「個人情報」の交換は行わないとしている。

以下がDrummondの反論内容だ。反論内容の概要はGoogle Policy Blogにて確認出来る(証言の全文を確認する事も可能)。

*本合意はインターネット利用者、広告主、Web管理者の全てにとって有益な合意です。
・インターネット利用者 − 利用者の興味のある分野に関連する広告をより多く見る事が出来る。
・広告主 − 消費者の興味にたいして、より良い広告の提供が可能になる。これによって潜在的顧客の獲得がより有効的に行える
・Web管理者 − 消費者と広告主のより良い関係により、広告収入の増加に繋がる。

* GoogleとYahooは今後も積極的な競争関係を維持していきます。この競争関係は業界の発展に寄与することになり利用者や、経済にとっても有効です。また以前にも申し上げたとおり、多くの業界において競合企業間の提携合意は一般的なものである。 特に1社が他社より技術的に優れた経験があり、その技術によって他社の製品の品質を向上させられる場合、アメリカ合衆国の独占禁止法は消費者がそういった合意からベネフィットを得る事を認めています。

* 本件の合意によって、Googleが検索トラフィックのシェアを増加させる事はありません。Yahooは今後も独自の検索エンジンを使用し、オンライン検索分野において競争相手であり続けます。

* 当社は提携合意の中で特に、Yahooが当社のインスタントメッセンジャー(以下IM)との間に互換性を持たせてくれる事に大変興奮している。これによって、増加を続けるIMユーザーが簡単に、幅広いコミュニケーションをとる事が可能になります。また、競合する多くのIMの中からより多くの利点や機能から当社の製品がより選ばれる事が可能となるでしょう。

* 我々は多くの手順を踏んだ合意によって、Yahoo!のユーザーのプライバシーを保護しています。GoogleがYahoo及びそのパートナーに対して広告を提供したとしても、両社の間でインターネット利用者の個人情報の交換は行われません。具体的には、Yahooは検索リクエストをGoogle側に転送する前に、検索者のパソコンのIPアドレスを匿名化します。

最後の部分にあるYahooによるIPアドレスの匿名化は、興味深い先例になるかもしれない。広告主としては、 ネットワーク上やWebサイトで自由にやり取りされているIPアドレスを見たいところだろう。これさえあれば、消費者が何処にいても広告のターゲットに出来るからだ。しかし、GoogleとYahooはこの件が今回の合意の中で、政府から隠すには大きすぎる問題である事を認識しているようだ。とはいえ、議会がこの件に関してより詳しく調べ始めた場合、この問題が再燃する可能性は十分あり得る(独占禁止法が関係していないとしてもだ)。

本件に関するアンチトラストの公聴会は前々から企画されていた。GoogleとYahooは、Microsoftが今回の合意は単純にアームスレングス合意だとする反論から自らを守ろうとしている。この合意を潰す事はMicrosoftにとっては大きな利益だが、だからといって彼等が最強の証人というわけでもない。といのも、Microsoftは当事者の一方のYahooと検索ビジネスに関する論争を続けている中では、彼等も公平な第三者というわけでは無いからだ。

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(翻訳:E.Kato)