ほとんどのiPhoneアプリは「ネットワーク効果」を利用できていない

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3年後にキミたちのスタートアップの価値はいくらに評価されているか―今日中に分るかも?

現在、iTunesで公開されているiPhoneアプリは1,500以上あって、さらに増え続けている。これらをあれこれ試しているうちに一つのトレンドを見つけたように思う。後発の参入に対して障壁を築ける、いわゆる「ネットワーク効果」を発揮できる域に達しているアプリがほとんどないのだ。

一部のアプリは既存のウェブ・サービスのiPhone版だから安泰だ。GoogleやYelpを始めとして、何百というアプリがこの部類に属し、しっかりした縄張りを作りつつある。

しかし、それ以外のほとんどアプリはしっかりした基盤のあるウェブサイトをバックに持っておらず、単に趣味でやっているのでないかぎり、持続可能なビジネスモデルをiPhoneの上だけで作り出さなければならない。すでに実質的に同一なアプリが何組も目につくようになっている。たとえばチェス・ゲームが2つ((Chess ClassicsとCaissa Chess)あり、価格も全く同じ$9.99だ。映画アプリは少なくとも3つある。(Movies.app、OneTap Movies、Box Office)。その他その他。

こういったアプリは基本的な機能が相互にほとんど同一なので、どんな新機能を付け加えようとライバルは簡単に真似することができる。しかもそのジャンルでできの良い無料アプリが登場すれば有料版はおそろしく不利になる。全体としてアプリは無料化の方向に向かって動いているようだ。しかしそれなら、将来、広告その他の手段で金が稼げいでいけるのかというと、それも明らかではない。

「ネットワーク効果」を利用せよ

With非常に有名なブランドを確立しているか、知的所有権による保護を主張できるほど画期的であるか(一部のゲームはこれらの部類に入る)でないかぎり、新しいアプリが長期的な成功を収めるための方法は、ユーザーの相互交流を図ることによって「ネットワークとしての価値」を生む方法を考えていくしかない。

私は以前からiPhoneの場合、ソーシャル・ネットワークづくりきわめて大きな可能性を秘めていると主張してきた。そして大手企業がまだ興味を示さない今こそ、スタートアップにはこのマーケットへの新規参入のドアが大きく開かれているのだ。

しかし、チャンスはこれだけではない。たとえば2つのチェス・アプリを例に考えてみよう。どちらもマルチプレイヤー・ゲームをサポートしていないし、iPhone以外の端末上のプレイヤーと戦う機能もない。その場にいる友達とチェスをすることができる。ただそれだけだ。たとえば、遠く離れたワシントン州に住んでいる私の父のiPhoneにアプリをダウンロードさせて、非リアルタイムで、父とチェスができたらいいと思う。そうしたことを可能にする機能が用意されているのにデベロッパーは手をつけようとしない。もしあるアプリがそうした機能を実装すれば、チェス愛好家はそのアプリに殺到するだろう。そうなれば他のライバルが追いつくのはたいへ難しくなる。同じことがスクラブルその他のゲームについても言える。

私のみるところ、最初にブレークスルーを達成するのは、リアルタイムでも非リアルタイムでもよいから、iPhoneにアプリをダウンロードしてインストールしたユーザー間で自由にプレイできるマルチプレイヤー・ゲームだろうと思う。私はXboxでHaloをどこの誰とも知らぬ相手と長時間プレイした経験があるから、こうしたネットワーク分散型ゲームがソフトウェア、ハードウェアの販売だけでなく、さまざまなタイプの利用料金の売り上げでも大きな効果を持つことを十分によく知っている。

こうしたタイプのアプリケーションを計画している読者がいたら、ぜひ詳しく情報を知らせてほしい。いずれ誰かが、正しいやり方を発見するだろう。すると真似っ子の大群がそのマーケットに殺到するだろうが、そういった2番手になってはダメだ。iPhoneは孤立したデバイスではない。iPhoneは世界中のすべてのiPhoneユーザーにつながっていることを忘れてはならない。

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(翻訳:Namekawa, U)