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TC50: 日本企業、アジア勢を代表して活躍

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日本はユーザー人口で世界第3位(中国とアメリカに次ぐ)のインターネット市場だが、昨年のTechCrunch40カンファレンスでは1社もサンフランシスコにやって来なかった。しかし今年は日本企業の躍進の年となった。3社(Opentrace、Tonchidot、Gazopa)がTechCrunch50に招待され、2社(AdlibとMulodo)がDemoPitに参加した。

この5社はカンファレンス参加者に革新的なウェブサービスを生み出す能力は地理的にアメリカだけに限られているわけではないことを印象づけた。TechCrunchが国外からの参加を積極的に募った効果があって、TechCrunch50は全体として非常に国際的なイベントになった。たとえば、Israelからは特に多数の参加があった。北アメリカ以外の地域からの参加者はTechCrunch50社に選ばれた各社以外にもDemoPitでも目立っていた。 また聴衆に大幅に国際色が増えた。たとえば日本の場合、サンフランシスコを訪れた人数は昨年はほんの一握りだったのが、今年は数十人にもなっていた。

2008年のTechCrunch50の壇上でデモンストレーションを披露した3社は以下のとおり。

Opentrace (Rinen)

OpentraceRinenというスタートアップの3人の男性チームによって開発された。「全世界をカバーする製品データベースの構築を目指す大規模なプロジェクト」だという。このサイトは、食品から飛行機まであらゆる製品の環境へのインパクトをモニタすることでCO2の放出の抑制を達成するのが目標だ。最終的には、地球上のあらゆる製品について環境へのインパクトを知りたいユーザーのための「グリーン版のWikipedia」となろうとしている。

Opentraceは現材料から製品となるまでの各段階についてそれぞれ製造と運搬が環境に与える影響を計算する。最終結果はサイト上でリストやビジュアルなグラフとして表示される。

製造業者は原材料を購入する際に、製品コードをOpentraceサイトで入力して情報を検索し、自社の製品がどれほど「グリーン」なのか計算することができる。Opentraceはその情報を企業がラベルに表示することで、消費者が環境に優しい製品を購入する判断の助けになることを期待している。サービスの利用は無料。

プレゼンテーションのビデオはこちら。Opentraceについて、Jason Kincaidの記事にさらに詳しい情報がある。

TechCrunch50 日本勢の活躍(1)OpenTrace も参照〕

Sekai Camera (Tonchidot

TonchidotのCEO、井口尊仁氏は、大いに強気なプレゼンでSekai Camera(日本語で「世界カメラ」の意味)というiPhone専用のソーシャル・タグ・ツールを発表した。これはTechCrunch50で今回発表された中で間違いなくもっとも未来的なサービスの一つだ。

このサービスの仕組みはこうだ。iPhoneのカメラを利用して、現実世界の画像を取込み、場所データと関連する情報をリンクさせる。情報はタグとして記録され、iPhoneのカメラに次に同じ情景が映るとその上にポップアップで表示される。たとえば、美術館である絵画についてもっと知りたいとすれば、iPhoneをそれに向けて構えるだけでよい。SekaiCameraはその絵についてのWikipediaの項目なり、その他ユーザーが入力した情報を表示を即座に表示する。

残念ながら、この会社の代表は、実際にどのようなテクノロジーが用いられているか説明を避けたが、Tonchidotがある意味大きな成果を上げたことは間違いない―Sekai Cameraは賛否を合わせて今回いちばん評判になったサービスの一つとなった。井口氏は専門家パネルからの細かい質問に、「想像力」、「参加」、「特許あり」など一言で答えていた。1人のパネリストが「すぐにGoogleに買収されるのでは?」と尋ねると井口氏は人差し指を突き立てて「絶対ない!」と否定し、満場の喝采を浴びた。

デモにおけるいささか突飛な行動にもかかわらず、日本に住んで4年の経験からすると、日本の会社がこれほど多くの聴衆とオールスター揃いの専門家パネリストを前にインチキを披露することはまずないと確信をもって言える。(実はプレゼンの後でそういった噂が飛び交っていた)。

Sekai Cameraの価格や公開の時期は現時点では不明。詳細については私の前の記事を参照。

TechCrunch50 日本勢の活躍(2)Tonchidot も参照〕

Gazopa

こういった催しに将来参加を希望する外国のウェブ企業に対して、Gazopaのプレゼンテーションは、意欲さえあれば言葉と文化の壁を乗り越えて立派にやっていけることを証明した。日本からの参加企業の中ではGazopaのCEO、小林秀幹氏はアメリカと日本の文化スタイルを巧みにバランスさせた高度にプロフェッショナルなパフォーマンスを見せてくれた。

Gazopaはある画像を元にして似た画像を探すというテクノロジー
独自に開発して画像検索の革新を狙っている。検索結果は主にアイテムの色と形状の解析によって選ばれる。

Gazopaの最大の特長は検索に言語の入力が必要ないことだ。探したいアイテムに似た画像をアップロードするか、あるいは単にウェブ上で発見した画像を右クリックしてサービスに通知するだけでよい。たとえば、Tシャツのデザインは気に入っているが、違う色が欲しい場合、Gazopaは色違いの製品を探す手助けをしてくれる。

デモビデオはこちら。(私の最初の記事はこちら

TechCrunch50 日本勢の活躍(3)GazoPa も参照〕

DemoPitのスタートアップ

Waget (Adlib)

AdlibCrunchBaseの記事)はDemoPitで Wagetという携帯ウェブサービスをデモした。

このサービスはユーザーが現に所在している場所の付近の店舗やレストランの情報を提供する。ユーザーがその店の電話番号を件名としてWagetにメールすると、URL、地図、割引クーポンなどがメールで返信されてくる。

ユーザーは自分自身でも情報をデータベースに追加できる。つまり、感想や推薦(私が固定版のデモサイトをテストしたときにはこの機能はまだ実装されていなかった)を入力できる。サービスとしては携帯版のGoogleMapsに非常に近い。ビジネスモデルとして考えると、Wagetは本質的には店舗や飲食店のオーナー向けのマーケティング・ツールだ。たとえばユーザーが友達にあるレストランを推薦すると、レストラン側ではそういったクチコミをしてくれたユーザーにメールで割引クーポンを送ったり、特別な催しに招待したりして感謝の意を表することができる。(このシステムには積極的な参加をするユーザーを「プレミア顧客」として携帯の番号で記憶する機能がある)。 Wagetはこのサービスを通じて発生した売り上げから一定のコミッションを得る。

Deckkr by Mulodo

Deckkrは、東京のMulodoが開発したFirefox 3のエクステンションだ。TechCrunch50の初日に公式にローンチした。このツールをインストールするとFirefoxの画面にどんなウェブサイトを閲覧しているときでもアクセスできるカードのようなポップアップが現れる。このポップアップを通じて、閲覧しているページから離れずに関連ある情報が表示される他、ウェブ検索、ブックマーク、Twitterの利用などができる。(さらに詳しいレビューについては私の記事参照)。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)