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ソックリな曲が本当に探せる自動楽曲推奨エンジン「Mufin」

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“デジタル・フィンガープリンティング・テクノロジー”とかナントカを備えた楽曲推奨エンジンのサイトと聞くと、いつもつい身構えてしまう。フィンガープリンティング(音の波形の指紋)は複数の場所から同じ曲を検出するのには有効でも―例えば楽曲ライブラリにあるコピー曲探しとか― 楽曲推奨が得意な自動システムではない。当たることは稀だ。だからこそPandoraでは推奨エンジンは機械ではなく50人以上いるアナリスト集団に任せているんだし、他のサイトも大体はソーシャルなサジェスチョンやメタデータに頼っているのだ。

でも、今日(米国時間10/8)プライベートベータ公開に踏み切った「Mufin」は自動楽曲推奨エンジンなのに、これが結構うまく機能している(うまく機能すると、これほどクールなことはないわけですね)。

ここの技術は洗練度が違う。Mufinの血統を見たらそれも納得で、ここは今やユビキタスのMP3音声アルゴリズムを最初に開発したドイツの研究機関「Fraunhofer Institute」から枝分かれしたサイトなのだ。非公開ベータ利用の招待状はこちらでどうぞ。

サイトには350万曲のデータベースがある。ユーザーが好きな1曲を検索後、“Similar Tracks(類似曲)”をクリックすると、サイトのパワフルなアルゴリズムがそれと似た特徴を備えた楽曲のショートリストを出してくる。同社のアルゴリズムでは各曲のテンポ、音響密度、その他各種要素別に40の特徴を分析している。楽曲検索はMufinのHOMEページか、MySpaceの埋め込みウィジェットからできる(Facebookのウィジェットももうじき出る)。

レコメンデーションは実際かなり良く機能しており、僕のテストでは少なくとも75%以上の確率でドンピシャの曲を推奨してくれた。『Here Comes The Sun』のような人気の曲で探してみたのだけど、とても似た感じの曲が返ってくるケースが多かった。検索結果には無名のバンドや外国語の曲も多く混じってるけどね。

もしかして予めマッチングしてる可能性も考えられなくはないんで、その可能性がなさそうな昔の音源も何本か試してみた。The Darknessの時代を超越した名曲『I Believe In A Thing Called Love』で返ってきたのは、Europeの『Sucker』。坂本九の『Sukiyaki(上を向いて歩こう)』のお相手は、ザ・プラッターズの『トワイライト・タイム』―僕は聞いたことない曲だけど、疑いの余地なく似てると思う。 注: 曲名クリックでYouTubeの動画が出るので、似てるかどうか自分の耳で確かめていただけます。Mufinの検索結果はまだ埋め込みできない模様。

技術はこんなに素晴らしいのに、残念ながら実践面はまだまだ詰めの作業が必要だ。マッチングの多くは正確に思えるのに、Mufinのサイトでは何故この曲を推奨するのか、その説明がない。いずれはPandora風に曲同士どの特徴が似てるのか具体的な解説を盛り込むとMufinは話しているが、今のところユーザーは手がかりのない暗闇に置きざりという感じだ。

さらに、ライセンシングの問題もいろいろ対処が要る。Mufinではユニバーサル・ミュージック・グループとインディーカタログ「The Orchard」とは既に提携を結んでいるが、データベース保有曲には試聴クリップがない曲も多いので、せっかくマッチングがうまく行っても簡単に聴く方法がないせいで一部使いものにならなくなっている。試聴クリップがある他のカタログ曲も、iTunesやAmazonのようなオンライン楽曲ストアへのリンクがないため合法的に購買する手段がない。また、検索結果には“Greatest Hits(ベストヒット)”みたいなアルバムに入っているコピー曲も混じってて見づらくなっている。

でも、こうした問題の先には大きなポテンシャルがひらけている。インターフェイスとライセンシングの問題さえ片付けたら、きっとPandoraやLast.fmのようなサイトとは一味違う、発展性のあるオルタナティブを提供できるだろう。

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(翻訳:satomi)