Lalaはデジタル音楽の近未来の新しい姿を先取り?

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Bloglinesにバンドエイド。会社はまだ買い手がつかないらしい。

そう、ぼくは何でもすぐには信用しない性格なんだ。先週Lalaが送ってきた売り込みビデオを見たときもそうだった。音楽はクラウドに向かっている、その変化をうちは率先して支えるんだと主張していたが、そのときはあまりピンと来なかった。この会社は、これまでの数年間もたついていた。最初はCDスワッピングサービス、その次が音楽ハブで失敗し、この夏閉鎖した。しかし今回は完全にデザインを一新して、広告のない音楽サイトとしてカムバックした。この新しいサイトには、何か大きな可能性を感じるんだ。

最初の印象ではLalaはふつうのミュージックストアにしか見えない。検索ボックスを使って好きなアーチストを見つけ、DRMのない音楽を1曲90セント前後で買う(値段は曲によって少しずつ違う)。各アーチストのページがあって、その上には、彼らのプロフィールや、アルバムのリスト、彼らの曲を載せているほかのユーザのプレイリストなどがある。これもごくふつうだし、DRMなしの音楽は良いが、それはまさにAmazonなどとの厳しい競争にさらされるだろう。

しかしLalaの強みは、メディアプレーヤと各ユーザのライブラリとの統合化だ(ライブラリと聞くとiTunesを連想するが、LalaのはWeb上/クラウド上にあるライブラリだ)。画面の上部に音楽プレーヤーがあって、サイト内のどのページに移動しても今聞いている曲をずっと演奏し続ける。サイトのカタログに載っている曲は最大50曲まで一度だけなら無料で聞けるから、プレーヤで再生できる曲の数はものすごく多い。あるいは、カタログ上の曲は1曲10セントで“買える”ので、一度買えばこれからは何度でも聞ける。その曲を正規のMP3で買いたくなったら、そのときは、〈曲の正規の値段−すでに払ってある10セント〉を払えばよい。

この、‘わずか10セントで買える’というところが、ユーザをとりこにするLalaの魔術、このサイトの収益の鍵だ(無料で聞ける曲が50曲までなのは、この10セント中毒の合計が途方もない巨額にならないため)。CEOのGeoff Ralstonの説明によると、ImeemやMySpace Musicなどそのほかのサイトは、各ページに広告を山盛りにしないと収益が得られない…良い音楽を聞きたいという気持ちと広告の洪水は、水と油だ。これに対してLalaは、ユーザが”web song”ボタンをクリックして10セント払うだけで、聞きたい音楽を今後ずっと聞ける。広告は、まったくない。だから、気分が良い。

さらにLalaは、かなり面倒な法律的問題をクリアして、ユーザのオンライライブラリの充実策を用意した。このサイトのヘルパーアプリケーション(Windows用とMac用)を使うと、LalaがユーザのiTunesのライブラリをスキャンして、そこにある曲をLalaのWeb上のライブラリに加えてくれる。つまり、ユーザが自機上にローカルに持っている曲にオンラインのストリームとしてアクセスできるようになる。しかも、各ユーザが自分のオンラインライブラリに持っている曲のストリーミングは完全に無料だ。その中にユーザが不法に入手した曲があっても、Lalaは関知しない(そんなこと知りようがない)。Ralstonによれば、レコード会社は最初このやり方に反対した(“ユーザが盗んだものに無料でアクセスさせるのはけしからん!”)。でも結局は、不法であれ何であれ、ユーザの手元にすでにある曲を新たに買うことはありえないわけだから、彼らもあきらめた。

Lalaは大手レコード会社4社と、17万5千人の独立アーチストと契約してから、その巨大なカタログを作った。ときどきこのライセンスに含まれていない曲もある(たとえばレッドツェッペリン(Led Zeppelin)の曲は10セントで買えない)が、将来的にはそういう曲も契約に含めていく予定だ。

ところで、これからは本当に、クラウド(ネットワーク、インターネット)が音楽のメインメディアになるのだろうか。メールも、ワープロも、写真のようなリッチメディアも、すでにクラウド化された。iPhoneのような高速モバイル機が、今後ますます普及するだろう。だからデジタル音楽も、CD/DVDのような物理的メディアや自分の装置上にため込む時代は終わって、すべて、どこかのサーバからストリーミングするようになるのかもしれない。ユーザは、音楽を物理的に手元に所有していない状態に、満足するだろうか?(Lalaが死んだらどうなる?)。でも、わずか10セントだから、試してみる価値はあるね。

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(翻訳:hiwa)