現実世界をiPhoneでタグ化するSekai Camera。プロトタイプも素晴らしい

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logo_tonchidot昨年のTechCrunch50 conferenceTechCrunch50を経て、合計で52の企業がサービスを開始した。5つのサービスが審査員賞を受賞し、うちひとつが突出していたようではある。しかし聴衆からの喝采を浴びたのは日本から参加したトンチドット(Tonchidot)によるSekai Camera(世界カメラ)だ。Sekai CameraはiPhoneのカメラに写るものにグラフィックレイヤーを被せてタグ情報を付加して表示するものだ。

カリスマCEOの井口尊仁氏記憶に残るデモンストレーションを行い、TC50の審査員たちの質問を軽く交わして喝采を浴びた。たとえばティム・オライリーの実現可能性に関する質問には「一緒にやりましょう!」とか「特許があります!」などといった回答で煙に巻いていた。疑問の声があがったのは、井口氏のデモンストレーションのほとんどが、実際にその場でデモを行うのでなく、事前に作成されたビデオによるものだったためだ。発表からほぼ半年たっても新たな発表もなく、一部ではSekai Cameraはベイパーウェアではないかと囁かれていた。しかし本日、iPhone上で動作する実際のアプリケーションを目にすることができた。

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トンチドットは本日東京にて招待制のイベントを行い、初めてSekai Cameraの動作デモを行った。このデモ版にはSekai Cameraの基本コンセプトがしっかり実装されていた。Sekai CameraはiPhoneのカメラに写っている現実世界のものすべてにタグや情報を付加するためのものだ。カメラを通して見るとビルやショップ、観光スポットや何らかの物体にポップアップアイコンが表示される。

本日見せて貰ったプロトタイプは、バグ含みではあったものの前評判通りに動作するものだった。展示会場内の別ブースで入力された情報(音声、写真、およびテキスト)のタグがきちんと表示された。Sekai Cameraの実装技術にも憶測が集まっていたが、回答はシンプルだ。利用者の位置はGPS(携帯用アンテナを利用した三角測量法や画像認識技術によるものではない)により識別される。iPhoneはコンパスを内蔵していないので、利用者がどちらの方角を向いているかは識別できない。周辺の情報を見るためには指で左右に動かす必要がある(下に貼った動画でもその様子を確認して頂ける)。情報を示すタグをクリックするとウィンドウ状のものが開き、コンテンツが表示される。表示されるコンテンツはコメントボックス付きの画像や、他の人が残した音声メッセージなど。

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トンチドットはTechCrunch50のファイナリストに選ばれたのが、何かの間違いだったわけではないことを示した。今回のプロトタイプ版は、以前ビデオで見たものと比較すると見劣りはするものの、Sekai Cameraが間違いなく素晴らしいテクノロジーであることがわかる。現実的なビジネスモデルを考案し、実用レベルに値するタグを実装して、技術の最適化を行えば市場を席巻することも可能だろう。

この点について井口氏は既に作業を開始しているとのことだ。広告やクーポンから実際の製品に至るまでの各種情報を有料で提供することを考えている企業と商談中らしい。またYahoo Japanのワイワイマップ(コミュニティ形式の地図サービス)などからもタグ情報を取得しているところだとのこと。ただしSekai Cameraを活かすのは利用者による膨大なタグ情報だろうとは思う。また、将来的にはiPhoneにコンパスが内蔵されることで解決されるのかもしれないが、今のところは方向認識に室内でもGPSを用いなければならない。これが大きな問題となることも考えられる(本日のデモ会場における位置情報認識には、Wi-Fi信号で位置を把握するPlaceEngineと呼ばれる別サービスが利用された)。

トンチドットによると、まず日本でソーシャルタグの普及を行い、しかる後に世界進出を考えるとのこと。Sekai Cameraが購買可能となる時期についての質問には、トンチドットのフェローであるMasayuki Akamatsu氏が「2009年の温かい時期」と回答してくれた。注目しておきたいと思う。

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(翻訳:Maeda, H)