YouNoodle Scores: 戦争から学んだスタートアップ評価プログラム

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ベンチャーキャピタルはこれまでずっと、徒弟制のようなビジネスと思われていて、10年苦労しなきゃ本物じゃないとか、第六感で明日の潮目を当てろ、などの言葉に支配されてきた。仲良しクラブのような業界が車で30分ぐらいのところにある企業にささやかな賭けをしている時代には、それでもよかった。しかし技術が成熟し、動く金額が大きくなってくると、一発狙いは急激に難しくなった。簡単に言うとこういうことだ: 地球の裏側の企業に投資したり、全山を埋め尽くすドングリの背比べのような企業の大群の中に次のGoogleを見つけなければならないときには、それまでの独りよがりの旦那気分やお兄さん気分を忘れて、この業界にも計量化の導入が必要だ、そのための方法論と支援が必要だと認めるべきだ。もっとふつうの言葉で言えば、最近の投資利益率をシビアにチェックしろということだ。

だから私は、YouNoodleのStartup Predictorのことを初めて聞いたとき、とても良いアイデアだと思った。無名企業がスタートアップの未来価値を予測するアルゴリズムを作ったなんて話は、最初は大笑いされたものだ(私は笑ってませんよ、もちろん。YouNoodleは、本の執筆、ブログ、コラムの執筆、テレビ番組の司会から成る私のミニ帝国の3年後の価値を$21M(2100万ドル)と予測した。そのことを、近く本誌の記事にしたいと思っている)。でもそのアルゴリズムは、VCたちがいつも検討するものと同じ変数を使う。たとえば、チームとしての仕事を何年やっているか、成功の目標は何か、それにWebのトラフィックや人気などの測度だ。

木曜日(米国時間2/19)に同社は、YouNoodle Scores という新製品をリリースした。それは、人やサイトの人気をより正確に定量化するプログラムだ。フォロワーが何人いるかなどの表層的なデータを使って格付けをするTwitterの軽薄なアルゴリズムと違って、この製品には本格的な方法論がある。それは、Sean Gourleyを起用したおかげだ。GourleyはRhodes Scholar〔ダイヤ王セシル・ローズがオックスフォード大学に設けた研究奨学金の受給者〕で、集団的知性の働きについて研究した。とくに、文化の違いやニュース報道、うわさなどがテロ行為や戦争の勃発とどう関連しているかが、彼の研究テーマだった。彼は、これらの要素に注目すれば紛争の性質や規模や時期などを予測できることを発見した。YouNoodleは彼を起用して、そのやり方をスタートアップの世界に適用させた: 従来的なメディアやブログ記事への露出頻度、Twitter、Alexaなどのトラフィック、などなどの測度を一定期間観測して、そのスタートアップがいつどのようにして、(たとえば)ポシャるかを測定するのだ。

そういうパターンや測度の意味を詳しく検討することは、今のような苦しい経済状況ではなおさら重要なはずだ。今のWeb 2.0は、ページビュー、ユニークビジター、Facebookのフレンド、Twitterのフォロワーなどなど、あまりにも表層的なデータに頼りすぎだ。これらのデータに測度としての意味があるという思い込みは、いくらでも人為的な加工や手加減が可能だという事実を前にすればむなしい。Gourleyのアルゴリズムはむしろ、そういう表層的なデータでは目立たないサイトが、実質的に人気の高いサイトであることを明らかにするだろう。

YouNoodleのCEO Bob Goodsonは、Viikii.comという企業の名を挙げた。この会社は、YouNoodleのアルゴリズムが10月に釣り上げた大魚だ。創業者はスタンフォード大学の二人の学生だが、私も名前すら知らなかった。Viikiiは、いつも同じような言葉を騒々しくしゃべっているシリコンバレー界隈では、まるでMIA〔戦闘中に行方不明になった兵士〕扱いだったが、韓国製のビデオや韓国人が見るビデオに字幕を付けるソフトを作っている。同社はすでに立派に売上と利益を上げているが、その源泉は合衆国ではなく韓国だ。Pownceのように、ど派手にロンチしたけどユーザから嫌われてすぐにだめになったサイトを、事前にこのアルゴリズムで料理したら、一体どんな評価になっていただろうか。私は、それを試せなかったことがくやしい。

今回新製品としてスタートアップ評価エンジンを発表したことによって、YouNoodleは利益を生むビジネスモデルを手元にたぐり寄せたと言えるだろう。同社に関しては、ビジネスモデルが最大の不安だった。同社の有料分析サービスの最大のお客は、VCたちではないだろう。彼らはあくまでも自分たちの経験と判断を重視し、アルゴリズムには疑いの目を向ける。でもスタートアップを助成している中央や地方の政府は、きっと飛びつく。なぜなら彼らは、VCのように振る舞わなければならないのに、そのための訓練と経験を欠いているからだ。YouNoodleのアルゴリズムの的中率が仮に30%程度だったとしても、暗闇の中を手探りして有料企業を見つけようとする努力に比べればずいぶんましである。すでにロンチ時の同社のパートナーの中には、イギリスの通商投資省(Department of Trade and Investment)がいる。同省は今、ロンドン圏における総額10億ポンドの助成事業を手がけている(実は、CrunchBaseも同社のロンチ時パートナーなのだ)。

もちろん、同社が成功するためには、今後のがんばりが必要だ。Cuilみたいな例もあるから、楽観は許されない。でもこの業界と10年つきあってきた私からの願望は、YouNoodleのスタートアップ評価エンジンが今後ますます改良され、ベンチャーキャピタル業界に、それが真底必要としている健康的な罰と刺激を与えてくれることだ。VCたちはこれまで、インターネットがもたらす利益をほとんど独り占めしてきたのだから、そろそろ罰を食らってもいい頃合いだ。そろそろ、インターネット企業への投資は政府や一般投資家たちにも、まともで標準的な計量手段の普及とともに、門戸が開かれるべきだ。

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(翻訳:hiwa)