偽善的アーティストとチケット流通市場

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物の値段が需要と供給に応じて変動することはみんな理解しているようだ(株式、金、アイスクリーム等)。ところが、ことイベントのチケットとなると需要と供給の現実を忘れ、公正さを語り始める。金のためにチケットを売る人は欲深い。あるいは、Nine Inch NailsのTrent Reznorが今日言っているように、チケット再販業者は寄生虫である。

人は、スーパーボールや一部のコンサートのような特別なイベントに大金を払う。しかし、金は仲介チケットブローカーに払い、愛を込めて彼らをぼったくりのダフ屋と呼ぶ。チケットブローカーは、実はマーケットメーカーだ。資産のリスクを負い、在庫を持ち、価格差で生計を立てるべく賭けに出る。

チケットの値付けはそれはそれは難しい。イベントに対する需要のピークは開始直前に訪れ、開始と同時にゼロになる。まるで食品が腐るように。良いチケットブローカーは、イベントの質、日時、場所、座席位置、地域経済の状態などを考えながらチケットの価格を決める。ひとつ間違えれば、在庫を抱えて損を被ることになる。

殆どのチケットブローカーが大して儲かっていない。自己資金のリスクを考えればなおさらだ。ごく一部の直感に優れ適正なコネクションを持つところが、非常にうまくやっている。

しかし、このゲームにはみんなが参加していることを知っておくことが重要だ。スーパーボウルに参加するプレーヤーやコーチは、自分のチケットをブローカーに売る。開催地は人気イベントの最上級の席の一部(時には全部)をブローカーに売る。アーティストも同じだ。供給チェーンにいる誰もが自らの取り分を得る。たいていは現金で。それは収入として申告されない。

リスクを負っているのはブローカーたちだけだ。自分の資金を注ぎ込んでいる。イベントが不調に終れば、打撃を受けれるのは彼らだ。

アーティストや主催者にとっての利益は明らかだ。ブローカーがチケットのスムーズな需要曲線を作ってくれる。イベントがうまくいかなくても、ブローカーに申し訳ないと思う人はいない。しかし、人気イベントでチケットが額面の4倍5倍になると、誰もがブローカーを指差し欲深いと言う。みんなが気付いていないのは、ブローカーがこうしたチケットのために多くの人たちに金を払っていることだ。恐らくブローカーは投資した金額の10%もマージンを得ていないだろう。それも、うまくいった時の話だ。

過去に私は、Kleiner Perkinsが支援するRazorgatorという再販業者のCOOだったことがあるので、このビジネスには詳しい。手を汚したことのない者などいないことも知っている。

Reznorは、チケット再販ビジネスを抹殺したいと思っており、これは実に高貴でファンは喜ぶに違いない。しかし、稀少な物のあるところには必ず市場価格が形成され、それを避ける方法はないという事実に彼は触れていない。チケット再販に法的物流的な制約を加えることは、人々が別の形で支払うことを意味している。大ていは列に並ぶという形で。つまり、自分の時間の価値を低く考える人たちが、待つために時間を費やしていることになる。

一般に、延々と待っていられる人たちに資産を与えることは、資源配分の方法として効率がよくない。ただし、一部のアーティストにとっては意味がある。チケット価格に太刀打ちできない若いコアなファンたちに報いるために。

よって、アーティストたちはそんなファンたちをハッピーでいさせるために、チケット流通市場に文句を言う。その流通市場から、自分たちが直接間接に恩恵を受けているにもかかわらず。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

“偽善的アーティストとチケット流通市場” への1件のコメント

  1. Corns Blog より:

    偽善的アーティストとチケット流通市場…

    リンク: 偽善的アーティストとチケット流通市場 Reznorは、チケット再販ビジ…

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