Web上のニュース警察になろうとするA.P.とその背後の問題点

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Web 2.0はユーザ作成コンテンツという船を見捨てるのか?

インターネット上の多様なニュースソースに押されて、負けそうになっている通信社というビジネス(ニュースを配信するビジネス)を抱えるAssociated Pressが今日(米国時間4/6)、Webの監視を開始し、”オンラインで配布されているコンテンツを調べてその合法性をチェックするシステムを開発する”と発表した。A.P.通信はどうやら、今や落ち目の新聞業界のRIAA〔日本ならJASRAC〕になって、情報の海賊行為を捜し出し、Google金(古いメディアがGoogle–など–から常習的にせしめる著作権料)を出さなければ訴えるぞと脅すのだ。

A.P.のコンテンツの定義は広い。スパムブログによる記事のまるまるコピーだけでなく、見出しの無断使用も含まれる(リンクがあってもだめ)。同社の方針は公正使用という考え方をほとんど無視している。著作権侵害を正当に訴えられるような場合でも、古くさいねじ曲がった法理論を駆使してやっとそれを立証、ということもある。A.P.の考え方はあまりにも遅れているので、TechCrunchでは同社の記事へのリンクをすべて禁じている。

そして今度は同社は、Web全体をチェックして同社の記事の無断使用を見つけるというのだ。同社の無断使用の概念は法廷では通用しないが、その点はしばらく忘れよう。A.P.は、権利侵害者かもしれないリソースをたまたま指している検索エンジンやニュース集約サイト(news aggregator)まで追い回すと言うのだ。

では一体、A.P.はどうやってインターネットを監視しようというのか? いくつかの事実と情報から、だいたいの見当はつく。A.P.はすでに、Attributorとの提携により、Web上における同社の記事や写真の全利用や部分利用を監視している。Attributorというスタートアップは、Webをインデクシングして、デジタル指紋のあるコンテンツならなんでも見つけるサービスを提供している。Attributorが悪者たちを見つけたら、A.P.はそのリストを悪者サイトへのリンクのあるGoogleなどのサイトに渡して、しかるべき対処を求める。対処とは、リンクをA.P.が認可しているサイトにリダイレクトする、悪者サイトのAdSenseなどの広告収入の一部を請求するなど、いろいろだ。

Googleはこんな要求を飲むだろうか? それでA.P.とRupert Murdochの気が済むなら、そして著作権侵害が実際にあったらしいと思えるなら、飲むかもしれない。しかし本当の問題は、この決定が法廷ではなく、GoogleとA.P.の二者間で決められることだ。一方のA.P.は、すでに自ら証明しているように、自分のためなら公正利用と権利侵害を区別しない、まともではない企業だ。そしてGoogleは、著作権侵害の主張があるとさっさとそのコンテンツを取り下げて、そのあとでいろいろ質問をする。〔どっちの態度も法的にはまともではない。〕

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(翻訳:hiwa)