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Googleは本当にニュースを支配しているのか

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またもGoogleが、健全なニュース業界を急速な没落に追い込む格好の悪物にされた。今度はNick Carrが、Googleをニュース業界最強の中間業者だとして糾弾している

中間業者が市場を支配すると、供給者に本当の意味での選択権がなくなり中間業者に従うほかはない ― たとえ彼らによって供給者が利益を得ることが不可能にされたとしても。

さて、ニュースサイトにトラフィックを運ぶことに関して、果してGoogleにそれほどの力があるのだろうか。Google Newsの話であれば、みんなが思うほど強力ではない。米国ではGoogle Newsは、Yahoo NewsはもちろんNew York Timesが運営しているサイト群(NYTimes.com、Boston.com、HeraldTribune.comなどいくつかの新聞サイト)と比べても見劣りしている。comScoreによると、Google Newsの2月の米国内ユニーク訪問者数は1620万人で、これに対してYahoo Newsが4230万人、New York Times Digital配下のサイトは計4620万人だ。

つまりここではGoogle Newsは中間業者ではない。とりあえずこの説はおいておこう。Yahoo Newsは3倍の規模があるうえに、Yahooの他部門からオンライン新聞コンソーシアム経由でさらに多くのトラフィックを新聞サイトに送り込んでいる。

もっと大きな問題は、検索エンジンとしてのGoogleがニュースサイトへのアクセスをコントロールしているかどうか、ということだ。Carrの懸念の中心はそこにあるようなのだが、事例がGoogle News検索メインなのでよくわからない。いずれにせよ、Googleの主要検索エンジンが、あらゆる情報サイトのトラフィックの主な出所であることは間違いない。例えばTechCrunchでは、Googleが圧倒的最大のトラフィック源であり、全体の1/3を占めている。これが他のニュースサイトにあてはまるのかはもちろんわわからないが、そうであったとしても不思議ではない。まさしくGoogle検索は、きわめて重要な中間業者だ。

これは、Carrが示唆するようにGoogleがWal-Martのような中間業者となって、ほかのみんなのマージンを絞り取ってしまうということだろうか。Scott Karpが唱えるように、Googleが「コンテンツ流通を独占」するのだろうか。ちょっと違う。情報経済の動きは小売業の経済とは少々異なる。再びTechCrunchを例にとろう。1/3はたしかに大きいが独占ではない。Googleがわれわれに多くのトラフィックを送ってくるのは、うちの記事の多くがそこに書かれた話題に関して上位にランクされるからだ。トラフィックのために金を出してはいない。キーワードも買っていない。

たしかにGoogleは、検索結果にTechCrunchの記事が現れるもの以外の検索に表示される別の広告から利益を得ている。しかし、そこでGoogleが得る金が、われわれの収益から差し引かれるわけではない。むしろその逆だ。われわれには検索結果から大量のトラフィックが送り込まれ、そこにはわれわれ自身の広告がある。この広告を見る人が多いほど、ウチには多額の金が入る。万事うまくいっている。

Googleはニュースを支配しているのではなく、露出しているのだ。

小売・流通のアナロジーは全く見当外れだ。情報は平面型テレビやミキサーと同じではない。手に入りやすくなるほど価値が下がることなどない、なぜならニュースは全部が同じではないからだ。情報の配布はゼロサムゲームではない。CarrとKarpには別の信念があるのだろう。Karpがこう書いている。

ウェブにコンテンツが増えるほど、コンテンツ制作者ひとりひとりが手にする金額は減り、その一部を取ることによってGoogleの収益が増す。

これも現実とは違う。Googleは情報提供者に対して、Wal-Martがパッケージ食品の供給者に対してやるように、安く卸させるようなことはしない。Googleが検索広告から得る収入は、必ずしも本来「ニュース」サイトやコンテンツサイトに行くべきだった金ではない。仮にGoogleがいなかったとすれば、その広告費はEコマースサイトなりトラベルなり不動産なりどこか他の場所に流れていったはずだ。そんな検索広告費をニュースサイトが自分のものだと言い張る理由はない。他で読めないこと面白いことを書いて読者を引きつけるのは、われわれひとりひとりの責任だ。ニュースサイトがそれを実行すれば、他のサイトがそこにリンクを貼り、Googleの検索結果で上位にランクされるようになり、新しい読者を呼ぶことになる。

そして、ひとたびその読者たちが信頼できるニュースソースを見つけた後、おわかりだろうか。Googleに言われなくても、自分の意志で戻ってくるようになる読者が出てくるはずだ。それをダイレクトトラフィックと言う。あるいは、別のサイト経由でやってくる。そういうリンクから利益を得るのはGoogleだけではない。もし、権威あるニュースソースであると思われたいなら、自分でそう宣言するだけでは、もはや十分ではない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

“Googleは本当にニュースを支配しているのか” への3件のフィードバック

  1. […] Googleは本当にニュースを支配しているのか […]

  2. […] われわれは彼の最新著作について、なぜあのタイトルになったか、本当に人が言うような大Googleファンなのか、Google対新聞業界の状況全体についてどう思うかなどを話した。新聞業界について、同氏が言うところの「リンク経済」を理解しないことは自殺行為であると言っていたが、当たっていると思う。(これに関するわれわれの以前の記事が、こことここにある)。 CrunchBase Information Jeff Jarvis Information provided by CrunchBase […]

  3. […] そこで話は、ニュース集積サイトに戻る。今新聞業界は、自分では何の努力もせずに、ただ非難の矛先を探しているだけだ。まず、その筆頭はGoogleだが、ほんとうはWeb上にいるやつなら誰でもいい。しかしむしろ、新聞などのニュースサイトは集積サイトを、非難するのではなく、利用することを考えたほうがいい。Webの上では、どこもかしこも、あなたの新聞の“一面”なのだ。Google News、Googleの検索、Digg、Twitter、フィードリーダー、My Yahooなどなど、あらゆるところに優れた記事への入り口がある。以前は、そのことをGoogleについて書いたが、実は記事へのリンクのあるところなら、どこにでも当てはまる議論だ: Googleはニュースをコントロールしていない。むしろ、ニュースを露出している。. . . オリジナリティに富むおもしろい記事で読者を引きつけ、集めることが、これからの各人の義務であり責任だ。 […]

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