KindleのiPhoneアプリはハードウェアとしてのKindleの消滅を予告?

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AmazonがKindle 2の市場投入の直後にiPhoneアプリケーションとしてのKindleをリリースしたのは、見事だ。Kindleは単なる特定のデバイスではない、プラットホームだ、とこの動きは宣言している。しかも(iPhoneユーザにKindleデバイスを買わせずに)、顧客の便宜を第一に考えているところが偉い。ただしiPhoneでKindleアプリケーションを使うためには、インストールやセットアップ、そしてKindleまたはAmazonのWebサイトから本(eBook)を買わなければならない。もちろんiPhone上のSafariブラウザからでも読めるが、Kindleに比べると読みづらい。今日(米国時間5/11)Amazonは、この点を少し変えた。それは、同社の今後の姿勢を表すものかもしれない。

これからは、iPhoneアプリ上の”Get Books”アイコンをクリックすると、KindleのとてもiPhoneフレンドリーなブックブラウザに連れて行かれる。そこからKindleで読める28万冊の本を検索したり、カテゴリー別や、New York TimesのBest Sellers欄の推薦本を探したりできる(右の画像の画面がそれらのメニューだ)。ただしこのメニュー項目をクリックすると、Kindleを出てSafariブラウザへ連れて行かれる。そしてそこで、実際の閲覧や購入を行う(そのインタフェイスはとてもiPhoneフレンドリーだが)。Kindleの中からそれができないという、この制約は、iPone用KindleのWebサイトを見た限りではまだなくなったいないようだ(米国時間5/11現在)が、Amazonはもうすぐ修正するらしいから、そうすれば閲覧も購入もアプリケーションの中からできるようになる。

このアップデートが行われて、eBookのStanzaライブラリが加わると、KindleのiPhoneアプリは鬼に金棒になる。iPhoneを使わずにKindle本体を買おうとする人がいるが、おやめなさいと言いたい。なぜなら、iPhone用Kindleアプリは、専用デバイスとしてのKindleと変わらないぐらい使いやすいからだ。みんなが飛びつく前から、ぼくはKindleは本を読むための最良のデバイスだと思っていたから、ぼく自身はすでに持っている。すばらしいデバイスだ。でも、だからといって、次の2つのことは変わらない: (1)Kindleはあまりにも高い(今度出るDXは馬鹿馬鹿しいぐらい高い)、そして、(2)Kindleそのものは比較的古いデバイスだ。

ぼくが言いたいのは、製品としてのKindleは今後生き残らないだろうということ。eBookを読むというたった一つの目的のために、ケータイなどのほかにまた一つのハードウェアを持ち歩くのは、ださい、かったるい、ナンセンス。むしろ、いろんなことができるタブレットコンピュータやiPhoneのようなものの上で、アプリケーションとしてのKindleを使うのがこれからの標準。iPhoneの上でeBookは明らかに成功しているから、少々画面が小さくても人びとは本を読むのにそれほど不満を感じていないということだ。それに、iPhoneの画面も、今後もっと良くなって、本を読みやすくなるだろう。またタブレットコンピュータやネットブックでも本を読めるようになるはず。デバイスとしてのKindleが、今の姿で長期的に売れて/使われていくとは考えにくい。長く続くのは、ストアとしてのKindleだ。

今回、iPhone上のKindleアプリケーションに対して行われた小さな変更が、Kindleのこのような未来像をかいま見させてくれるのだ。しかもこの夏iPhone 3.0が登場すれば、アプリ内購入がサポートされる。AmazonはKindleアプリにもきっとこの新機能を導入するだろうから、購入はさらにやりやすくなる。ただし、アプリ内購入を経由すると、Appleが通常のアプリケーションと同じく30%を取る。Amazonが、それを黙って受け入れるはずがない。Appleと交渉してマージンを引き下げるか、またはWeb上で買う今のやり方を続けるかだ。Appleは、何と言うだろう? それに、Apple自身がタブレット機を出すという噂はどうなのだ? eBookの世界はますますおもしろくなりそうだね。

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(翻訳:hiwa)