MicrosoftのBingはGoogle Waveに話題をさらわれて散々の船出

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Microsoftがおみくじで引きたくないBingの定義とは?

今日(米国時間5/28)は、ご承知のとおり、Microsoftが新しい検索エンジンを公開する日だった。何か月も前からスケジュールは発表され、話題になっていた。Microsoftも公開のインパクを最大限に高めるためにPRの準備を怠りなく進めてきた。そしていよいよ2009年5月28日がやってきた。今日はBingの日になるはずだった。

今朝、午前8時を少々回ったところで、サンディエゴで開催中のAll Things Digitalの特別セッションにMicrosoftのCEO、Steve Ballmer本人が登壇した。Ballmerは選り抜きの業界エリート幹部数百人を前に「Microsoftは近く新しい検索エンジンを公開する、その名前はBingだ」と発表した。

ところがすぐに問題が発覚した。Bing.comサイトはまだオープンしていなかった。しかもBallmerが口にするまで誰も新検索サービスの名前を知らず、したがってニュースが広まるのに時間がかかった。

そこに次の問題が生じた。ちょうどその時間に、Googleのオーストラリアのシドニー支社の技術者のチームが4年以上にわたって秘密裏に開発を進めてきたWaveというプロジェクトを発表したのだ。この発表は数百人の業界幹部が相手ではなく、サンフランシスコで開かれたGoogle IOカンファレンスに集まった4千人のデベロッパーが相手だった。

ロード・オブ・ザ・リングの映画で、山の上空から見下ろす魔王サウロンの目がモルドールの黒き城門の前の連合軍の軍勢に据えられていたのが、突然、本当に重要な行動、つまり滅びの割れ目に指輪を投げ込もうとするフロドにむかって動くところを覚えているだろうか?

それがつまり今日起きたことだった。世界の目、報道陣の目はサンディエゴからサンフランシスコに向け直された。今日起こった本当に重要な事件は、Googleがここしばらくで最大の野心的かつエキサイティングなプロジェクトを公にしたことだった。Microsoftは完全にお株を奪われてしまった。

GoogleのWaveについてのプレゼンテーションが終わると、4千人のデベロッパーが一斉に立ちあがって、スタンディング・オベーションをおくった。AppleのSteveJobsのキーノート講演以外ではお目にかかれない光景だった。上の写真は白髪頭の企業幹部がBingに喝采しているところではない。Googleの新しいオープン・ソースのコミュニケーション・プラットフォームに対して何千という技術者が興奮しているところだ。右側の男は文字通り自分のラップトップを宙に振って興奮を示している。

実は、この聴衆はこの直前にGoogleからAndroidのG2携帯電話を1個ずつ無料で貰った感激から覚めやらない状態で、これも興奮に輪をかける効果があったに違いない。

で、要するにどういうことが起きたのか? 「悪をなさない」がモットーのGoogleだが、必要とあらばちょっとした秘密作戦を企む能力は十分にあったということだ。GoogleはBingがいつローンチするのか詳しく知っていた。そしてWaveのローンチをその数分後にもってくるよう注意深く調整した。そして聴衆に何か大きな出来事がありそうだと興奮させることにも成功していた。Android携帯を無料で配っただけでなく、前日、エンジニアリング担当副社長のVic Gundotraが聴衆に「重要な発表がある」と予告していた。聴衆はわくわくしてちょっとしたきっかけで大騒ぎが始まる状態になっていた。

もちろんWaveはそれ自体、最大限の注目に値する重要な技術だ。オープンソースであることも重要性をさらに増す要因となっている。東部リベラルがオバマ大統領の熱烈なファンであるのと同様、シリコンバレーの技術者は、オープンソースがお気に入りだ。

というわけでMicrosoftにとってはBingは散々な船出となった。シコンバレーのデベロッパーに関する限り、BingはBut It’sNot Google〔しかし、それはGoogleではない〕の頭文字にしかすぎない。”

写真のクレジット:誰が撮った写真か分からない。誰か知っている読者がいたらコメント欄で報告してほしい。許可なしに使ったお詫びを言ってクレジットも入れるつもりだ。アップデート:Chris Campbell上の写真を撮ったとコメント欄で指摘があった。ありがとう、Chris。

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(翻訳:Namekawa, U)