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「飛行機に乗ったギーク(GeeksOnAPlane)」グループが東京で学んだこと

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この2日半、われわれGeeksOnAPlaneグループは東京に滞在した。この間、私は2つの業界イベント(Tokyo 2.0Startonomics Japan) に参加して、当地に住んでビジネスをしている人々から日本のウェブ・テクノロジーがどのようにアメリカと異なっているかを学ぶことができた。もちろん、こんな短時間で得られた日本のテクノロジー・シーンについての知識はごく皮相なものであろう。しかし、私は日本もアメリカとさほど根本的な相違はないという印象を受けた。もちろんテクノロジー業界に関して日本なりの(相当重要な)特異性はあった。

たとえば携帯電話を取り上げてみよう。私は日本のモバイル・テクノロジーはアメリカの何光年も先を行っているという印象を受けていた。しかし、こちらに来てみると、なるほどこの評判を裏付ける多数の事実があるにせよ、実態はかなり複雑なものであることが分かった。日本人の日常生活で携帯電話がきわめて重要な役割を果たしていることは事実だ。90%以上の日本人が3G携帯を所有しており、すべての電話加入者の85%が携帯経由のオンライン・サービスを頻繁に利用している。また日本ではアメリカには存在しないサービスが多数提供されている。日本ではライブで〔ワンセグ〕テレビを視聴し、QRコードをスキャンし、地下鉄や店舗で非接触式リーダー〔お財布ケータイ〕による支払を行うことができる。

しかし、その一方で、われわれはいくつかの携帯アプリのデモを見たが、残念ながら技術的な洗練度は驚くほどプリミティブだった。一般的な品質は数年前のWAPアプリのレベルで、昨年から登場し始めた強力なiPhoneやAndroidアプリの水準には達していない。しかも私が聞いた説明では、こうしたアプリの運用環境は一昔前のCompuserve時代を思わせるような閉鎖的なもので、さらに長期間契約やファミリープランなどによるキャリヤの顧客囲い込政策とあいまってその閉鎖性はますます強められているようだった。

iPhoneについていえば、反応は分かれている。 iPhoneは(大まかに言って)、日本市場に出回っているどの機種よりも進歩している一方で、いくつか重大な問題を抱えている。まず、日本のクローズドな市場で独特の発達を遂げた携帯の多くが備えている機能をiPhoneは備えていない。例えば、$100もするハードウェアを別途購入しなければライブでテレビを見ることができない。タッチキーボードは日本語の入力に不便だ。また他のキャリヤの長期契約による囲い込みからユーザーを引き離すのは大変な仕事だ。日常の支払いに便利なお財布ケータイ機能もない。またiPhoneキャリヤは、長期契約すれば端末を無料で提供するというキャンペーンを始めてはいるものの、依然としてまだiPhoneは高くつくものになっている。

ソーシャル・ネットワーク分野でも見慣れた光景と特異性が混在している。アメリカではFacebook、Twitter、MySpaceが死闘を繰り広げているが、日本ではmixi、Gree(昨年株式上場に成功した)、DeNA(携帯SNSのモバゲータウンを運営している)がユーザー争奪戦を続けている。これらのネットワークはいずれも国内市場向けのサービスだが、中国を始め、近くの国に進出しようと必死の努力をしている。たとえば、mixiに加入するには日本の電話番号と既に加入しているメンバーからの招待が必要だ。日本では中国のようにアメリカのサービスのクローンを作ることはしていないが、アメリカからアイディアは積極的に取り入れている。mixiはFacebookプラットフォームにならって、オープン戦略を打ち出し、名前もそっくりな“mixi Connect”を開発した。

日本とアメリカのソーシャル・ネットワークの違いとして特に目立つのは次の2点だ。まず日本人はアメリカ人に比べてオンラインで実名を使うのを嫌う傾向が強い。むしろ個人としての身元を隠して、ユーザーネームやアバターを利用する場合が多い。これがFacebookが日本であまり大きな成功をおさめていない理由の一つかもしれない。ただ何人かに聞いたところでは、Facebookの日本語化の品質はあまり高くないという。(一方、Twitterはすでにかなりの成功を収めているようだ)。予期されることだが、日本のSNSユーザーは、アメリカのユーザーに比べて携帯からアクセスする時間がずっと長い。日本の大手SNSでは携帯からのページビューがパソコンからのアクセスをはるかに上回っている。

日本では、ITインフラが高度に整備にされている一方で、起業家はどちらかという不遇である。インフラとしては携帯ネットワークへのアクセスがきわめて容易である上に、家庭では高速ブロードバンド接続が安価に提供されている。しかも十分大きな国内市場(人口は約1億2700万)が存在するにもかかわらず、日本の起業家のコミュニティーは小さい。大きな理由として、これはリスクを取って事業を始めることを嫌う文化から来ているのだろう。政府も新しい起業家にはあまり友好的ではなく、むしろ既存の大企業の権益を擁護しがちだ。(ただし、幸いなことに、ウェブのスタートアップは他の業界に比べれば既成勢力と衝突する割合は少ないようだ)。2006年に大きく改正されるまで、日本の商法も新しい会社を起こすには不便なものだった。そこで日本のベンチャー起業家のコミュニティーは、誰か1人が退場しても全員がそれに気付くくらいの小さな規模のままだ。

今夜(日本時間6/10)、われわれは北京に向かって飛び立つ。世界最大の人口を擁する国がどういう様子なのか楽しみだ。引き続きご報告する。またわれわれがFlickrYouTubeSlideshareTwitterブログで発信している情報もチェックしていただきたい。

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(翻訳:Namekawa, U)