iPhoneはAT&Tの手に負えるのか?

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nicholson-thumbAT&Tの首尾一貫さには、感心するべきかもしれない。今やこの会社は、ほぼ毎日一貫して、失敗するための新しい方法を探し続けている。

最新の問題は、きのうわれわれが記事にした、Google Voiceサービスを使っているアプリが、AppleのApp Storeから削除された件に関わることだ。続報記事でわれわれは、アプリを削除したのがAppleではなくAT&Tのしわざであるとまでは、はっきり言っていなかった。どうも噂によると、AppleのVP、Phil Schillerが個人的に、そんなアプリの一つであるGV Mobileを承認プロセスに通したらしい。ところが今日聞いたところでは、アプリは実はAT&Tの要請に従って削除されたという。Daring FireballのJohn Gruberが、この件に関する「信頼できるタレ込み」を報じているほか、別の情報源からも同じ話を聞いた。

この手のことにAT&Tが背後で動いているなど信じられないという人もいて、それはAT&Tが他の電話機ではGoogle Voiceを認めているし、この会社とiPhoneに関しては何ら新しい話ではないからだという。 SlingPlayerのiPhoneアプリがAT&Tのネットワーク経由での動作を禁止しながら、AT&Tの他機種ではOKしていたのと同じ議論だ。また、もし出たらの話だが、Huluのアプリの機能を削るであろうという話とも同源だ。

iPhoneユーザーが、他のスマートフォンユーザーよりずっと多くのデータを消費することはよく知られており、その量はAT&TがiPhoneの米国キャリアーとして契約した時よりも、さらに多くなっているということのようだ。嬉しい悲鳴と思う人もいるだろうが、複数の情報源によると、iPhoneの急成長こそが、ここ数ヵ月間のAT&Tネットワークの性能低下の原因であり、サンフランシスコのようにiPhoneの利用が非常に多い場所では、特に顕著だという。

AT&Tが高帯域幅・高使用率のサービスをiPhoneで許した場合の悪夢を想像してみてほしい。iPhoneでのテザリングの正式サポートはひどく遅れているが、今年中に使えるようになったときにネットワークに及ぼす影響を考えると恐ろしくなる。もちろんAT&Tは、法外な料金を設定して、少なくともある程度は利用者の数を減らすつもりであることは間違いない。

そしてそれが、ことiPhoneとなるとAT&Tがやってきたこと。制限、制限、また制限だ。

AT&Tは、ネットワークは強化中ですと約束し続けているが、Appleがそれを上回る勢いでiPhoneを売っている。認めるつもりはないだろうが、もはやAT&Tにとって、iPhoneの独占契約が手に負える段階を過ぎているのではないか。Verizonが独占契約を結べば違っていたのに、などと言うつもりはない、ただみんなの考えていることを書いているだけだ。AT&Tは、月に$100かそれ以上払っているお客にとって、もはや機能していると言えない

たしかに独占契約をやめれば、同社の利益は打撃を受け、顧客ベースも大きく減らすだろうが、iPhoneの独占権を失うことは、結局はAT&Tにとって喜ぶべきことなのではないか。それでネットワークがまともに戻るかもしれない、という意味で。

もちろんAT&Tは、Appleとの独占契約を来年以降まで延長しようと必死だと言われている。ただし、それには全員の悪夢が前提だ。今やわれわれ全ユーザーがAT&Tに対して腹を立てているのと同じかそれ以上に、Appleは怒っているらしい、ということを言う情報源は、Appleにきわめて近い何人かを含めて数え切れない。Appleは決算報告の場では、AT&Tとの提携についてありきたりのことしか言わないが、陰では、間違いなく、大きくはっきりとわれわれの苦情を聞いているはずだ。

しかし、最新のワイヤレスパートナーとして常に話題に上るVerizon(最大のネットワークであり、一般にAT&Tより信頼性が高いと考えられている)は、未だに強硬な態度を続けているようだ。今日の午前、同社は2010年初めにPalm Preを受け入れ、RIMとの提携と自社のapp storeを重視する方針であることを正式に発表した。これは言わゆる、Appleとの交渉カードそのものだ。

しかし、iPhoneがもっと小さなT-MobileのようなGSMキャリアーでサポートされるだけでも、AT&Tネットワークの負担をいくらかでも減らすことができるのは間違いない。繰り返しておくと、AT&Tは決して認めないだろうが、iPhone独占の時代は、純粋にネットワーク負担だけを考えても終るべきなのかもしれない。もしそうなった時には、AT&TがiPhone用のGoogle VoiceアプリとSlingPlayerアプリを承認するところが見られるだろう。AT&Tは自らを窮地に追い込み、そこに居続けるために必死に戦っているが、もはやどの関係者(Apple、ユーザー、そしてAT&Tも)にとっても、現実的な選択肢ではない。

この最近の騒動についてAT&Tにコメントを求めたところ、こんな答えが返ってきた。

いえ、App StoreについてはAppleにお尋ねください。

これは、本件についてはAppleがすべてを決めているとAT&Tが言っているように取れる。しかし、そうでないことはわかっている。そして私が思うに、真実はiPhoneがもはやAT&Tの手には負えない、ということだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)