連邦取引委員会、エリック・シュミットのApple取締役辞任を評価。しかし調査は続行

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picture-11今日(米国時間8/3)の午前、Google CEOのEric SchmidtがAppleの取締役を辞任したことは、もうご存じだろう。みなさんは、これでもうAppleとGoogleの密接な関係に対するFTC(米国連邦取引委員会)の調査は終ったと思うかもしれない。が、そんなことはない。

FTCは、SchmidtがAppleと合意の上で辞任を決断したことを賞賛しながらも、調査は未だに終了していないことを通告する声明を発表した。正確な文言は次の通り。

FTC競争局長のRichard Feinsteinは、次のように語った。「当局はGoogleとApple両社による役員兼任問題に関して、相当の時間調査を進めてきたが、GoogleとAppleの競争が激化するにつれ、役員兼任が競争上の問題を引き起こすことを両社が認識したことを高く評価したい」「当局は、両社間に残る役員兼任に関して調査を継続する」。

結局どういうことなのだろうか。第一に、二つの会社を繋いでいるのは、決してSchmidtだけではない。Genentech CEOのArthur Levinsonは、AppleとGoogle両社の取締役会に籍を置いている。これは、Schmidtほどの明白な矛盾ではないが、こうしてGoogleとAppleの事業の重複部分が増えてきた今、Levinsonがいずれかの役員を退くことになっても不思議はない。

もう一つ注目すべきは、アル・ゴア元副大統領とAppleとの関係だ。同氏はAppleの取締役会に名を連ねている一方で、Googleの相談役も務めている。さらには、Apple、Google両社と繋がりのあるKleiner Perkinsのパートナーでもある。

以上は人脈上の繋がりにすぎない。この問題の本質をつきつめれば、両社の商品が不当競争に関して何をやっているかということだ。

AppleとGoogleが、重要案件について水面下で動いていたらしい、という噂や憶測は後を絶たない。その一つがAndroid OSのマルチタッチ対応だ。Googleはこれまでのところ、Androidにこの機能を入れていないが、これはAppleとの協定によるものだという。

また、最近Googleは、AppleのiPhone用にGoogle Latitudeアプリを開発したことを明らかにしたが、結局Appleの意向により、ウェブアプリに作り直した。その理由は、本家のマップアプリケーションに似すぎているとAppleが言ったからだというが、これもGoogleが開発を手伝ったものだ。

こうして、Google Voice問題のお膳立てが整った。Appleは、Google Voiceアプリを却下し、それまでに承認していた複数の関連アプリをすべて削除した。そして、AT&Tが明言を避けた否定とも言える声明を発表したことによって、事態はさらに複雑になった。ここをはじめとする複数のサイトが、この件でAT&Tが立ち回っているという噂を聞いている。この問題はFCCも、FTCとは別に調べているが、何がしかの関係があることは明白である。

さて、この調査継続の与える影響には何があるだろうか。恐らくあまり大きいものはない。上で述べたように、Levinsonはどちらかに付くかを決めて他方を降りることになるだろう。しかし、そうなった場合でもゴア氏は大丈夫と思われる。厳密にはFTCが言うところの「兼任取締役」ではないからだ。

去る5月にFTCがこの調査を開始した 際にわれわれが書いたように、当時Schmidtは恐らく無事で、警告の標的にされただけであった。その数日後に同氏が、Appleを辞めるつもりはないと発言していることから、本人もそう考えていたに違いない。しかし、Chrome OSの登場によって、すべてが一変した。すでにSchmidtは、AppleでのiPhoneに関する会議から外されていたが(Google Androidのため)、今度はOS X(Chrome OSのため)でも同じことになる可能性が強かった。これは、Apple CEOのSteve Jobsが、今日午前の発表の中で事実上述べていたことだ。

しかし、この状況の一線を越えさせることになったのは、このGoogle Voice事業のようだ。両社の関係に調査にFTCだけでなく、FCCが加わった。FCCが先週金曜(7/31)から調査に入り、週明けの月曜日にこのニュースが報じられたという事実がすべてをものがたっている。もともとSchmidtは、Chrome OSのために、Appleの取締役を降りなくてはならなかったが、それはまだ数ヵ月先のことだ。どうやらFCCの調査が、辞任を早めたようだ。

FTCの調査の主たる目標はもちろんSchmidtであり、だからこそ今日声明を発表した。それでも、調査を続行する中で共謀の証拠を見つけださない限り、その役割は終えざるを得ない。しかしFCCの調査は、引き続ききわめて注目に値するものになりそうだ。

[写真提供:flickr/TheAlieness GiselaGiardino

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(翻訳:Nob Takahashi)