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Appleのフィル・シラー、iPhone辞書アプリの検閲について語るが、もっと大きな問題には触れず

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難攻不落の要塞、Apple App Storeから、たった一人の伝令が放たれた。その男の名はPhil SchillerDaring FireballのJohn Gruberが今週、Ninjawords(iTunesリンク)の窮状を詳しく伝える長文のコラムを書いた。Ninjawordsとは、Wiktionaryを情報源とするiPhone用の辞書である。Gruberは、このアプリケーションが、よくある汚い言葉が数多く含まれているという理由で拒否されたことについて書き、「Appleが国語辞典を検閲した」とまくしたてた。それは違う、と言ったのがSchiller。Appleのワールドワイド製品マーケティング担当シニアVPで、Steve Jobsに続くAppleで最もよく知られている「顔」とされる人物だ。

Schillerは珍しく、Gruberに対して彼のコラムの誤りを指摘すべく公開の場で反論した。以下に抜粋を載せてあるが、レターの全文はGrubeの投稿にある(App Storeを熱心にウォッチしている人は必読)。

貴兄の報告とは異なり、NinjawordsアプリケーションがApp Storeの審査過程で拒絶されたのは「汚ない」言葉が含まれていたからではありません。実際、これまでにAppleが、貴兄が例に挙げたあらゆる「汚ない」言葉の入った辞書アプリを承認してきたことは、すぐわかるはずです。

App Storeの審査担当者がNinjawordsアプリケーションに関して問題にしているのは、このアプリが、通常の辞書には載らない、多くの理性ある人々が不快に感じ反感を持つであろう野卑な項目へのリンクを提供していることです。

要するに、5月に初版のNinjawordsアプリケーションが申請された時、Appleの担当者は、汚ない言葉が含まれていることを指摘したうえで、iPhoneがペアレンタルコントロールをサポートするまで待つよう開発者に伝えた。ところが当時その機能がいつ公開されるのかは誰にもわからなかったので、Ninjawordsは問題の項目を削除して再提出するという決断を下した。Appleがどんな単語を嫌ったのかについては、多少意見の相違がある。Schillerは「巷で使われているような隠語」と書いているが、App Storeの審査員は「cunt」、「fuck」、「shit」と具体的に特定している。いずれにせよNinjawordsは、製品を他社に先がけて市場に出すため、自発的に一連の単語を削除したわけで、「検閲」という言葉は恐らく適当ではないのだろう。しかし、Gruberは、App Storeの一貫性の欠如が未だに続いていることを指摘している。

それにしても、私がどうにも奇妙に感じるのは、Phil Schillerがこれだけ長々とした説明をしながら、App Storeにまつわる他の無数の問題について〈一切〉言及していないことだ(Gruberがレターのその部分を除いている可能性はあるが、そうは見えない)。Google Voiceでの失態についても、開発者に対するApp Store担当者のサポートのひどさも、一貫性のない不透明な承認ポリシーにも触れていない。継続中の問題に関して、Schillerが唯一ほのめかしたのは、この最後の段落だけであった。

Appleのゴールはこれまでと変わらず、お客様や開発者と一体になって、iPhone、iPod touchの革新的なアプリケーションプラットホームを作り上げ、多くの開発者たちがiPhone App Storeのためにすばらしいソフトウェアを作れるよう、お手伝いすることです。このゴールを達成するうえで、完璧でないこともあるでしょうが、われわれは常に誠心誠意を持って取り組み、万が一間違った時には、そこから学び取り、迅速に改善していく所存です。

Schillerは間違いなくAppleの食物連鎖のかなり高いところにいるが、それでも彼にはどうしようもない部分があることがわかる。そしてこのGruber宛のレターは、何ヵ月にもわたってほぼ沈黙を続けてきたAppleにとっては、まさしく新しい風と言える。しかし、Appleが常に誠心誠意をもって迅速な改善を望んでいる、という彼の発言はとても額面通りには受け取れない。これまでAppleが、一連の問題に関して長い間黙ったままであったことを考えると、相次ぐマスコミでの悪評が、去ることのない荒れ狂う嵐を呼んだ結果、ようやく公式に対応を始めたと考えるに難くない。Appleが舞台裏で本当に必死で働いてきたのだとしても不思議ではないが、たとえそうだったとしても目に見える成果は何もない。

しかし実はAppleには、こうした問題を実際に解決するよりずっと早く、簡単に状況を改善する方法がある。それが透明性だ。Appleは、App Storeの問題についてブログに書き始めるべきだ。MobileMeを時期尚早に一般公開してしまった時と同じように。Appleの秘密主義の土壌とは衝突するかもしれないが、今やAppleの生活が危機に瀕し、開発者コミュニティーに高まる不安は頂点に達しようという段階に来ているのだ。Appleが問題を解決するために何をやっているのか、というヒントだけでもあれば開発者たちはこうした問題に対してもっと寛容になるはずだ。Schillerのレターは大切な第一歩だが、辞書の検閲がApp Store唯一の問題であるとは、とても言い難い。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

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