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ベテランは強い―成功したスタートアップのファウンダーの平均年齢は40歳

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編集部注:この記事は元起業家で現在大学教授のVivek Wadhwaの寄稿 。Wandhwaはカリフォルニア大学バークレー校の客員研究員、ハーバード・ロースクールの上級研究員、デューク大学大学院の客員経営者などを務めている。先週、WandhwaはアメリカがH1-B就労ビザの制限を撤廃するよう求める記事をTechCrunchに寄稿した。Twitterのアカウントは@vwadhwa

スタートアップのCEOとしては40歳では年を食い過ぎていると考えるシリコンバレーのベンチャーキャピタリストが多い。しかしベテランの力を侮ってはならない。世評とは逆に、テクノロジー系スタートアップでは、年齢の高いファウンダーの方が会社を成功させる確率が高いのだ。証拠は? 私の指導したチームの調査結果だ。われわれは急成長産業における549人の起業家について詳しい調査を行い、 急成長したスタートアップ企業のファウンダーの平均年齢は40歳だと突き止めた。また、われわれの調査によれば、成功したファウンダーの多くは既婚者で子供も2、3人いる。多くはまた現実の社会で働いた経験が6年から10年ある。こうした起業家の多くは中産階級の出身で、長く他人のために働いているうちに、それに飽きて、自分の手で成功を求めるようになった人々である。

これは今までの流布されてきた「才能と熱意に溢れているが、妻子などの足手まといのいない20代の若者」というシリコンバレーのスタートアップのファウンダーのイメージとはかけ離れている。これはSequoia VentureのMichael Moritz が(たとえばこのBuilding 43ビデオの中で)力説しているイメージでもある。「最低のサラリーで死ぬほど払く若い起業家がすべての栄光を勝ち取ってきた」というEric Schmidtの説とも一致しない。いずれにしてもシリコンバレーのベンチャーキャピタリストたちが好むのはこうした仕事中毒の若い起業家だ。しかし、私が思うに、そういう若者たちばかりを相手にしていることが、ベンチャーキャピタルの投資があれほど高い割合で失敗する理由ではないのか。

私はなぜベンチャーキャピタリストが若い起業家を好むのか考えてみた。第1に、ベンチャーキャピタリストはとかく集団で行動する傾向がある。過去10年、彼らはインターネットに群がっていた。インターネットをターゲットにするスタートアップは、他の分野、たとえば、テレコム関係のハードウェアや企業向けの大規模なソフトウェア、バイオテクノロジーなどのスタートアップに比べて、製品開発の過程も営業部隊の構築もずっと単純だ。他の業種ではこれらははるかに複雑である。Web2.0ブームの間、シリコンバレーでは主にアイディアに対して投資してきた。実はその多くは会社の態をなしていなかった。何かアイディアを思いついて、CEOだと名乗るのは簡単だが、会社を立ち上げ、実際に成長させるのはずっと難しい。そしてわれわれの調査によると、そういうことはベテラン勢の方が得意なようだ。

第2の理由として、これは調査の結果というより私自身の体験に基づく推測になるが、ベンチャーキャピタリストにとって若いCEOの方が言うことを聞かせやすいという点があるかもしれない。未経験な青二才のCEOは投資をしてもらえることだけですでに感激してしまって、極悪な条件の投資タームシートにでも唯々諾々とサインしてしまいがちだ。そこへいくと、ベテランはもっと用心深い。会社を辞めるとストックオプションが無効化されてしまうので、買収や上場で会社が現金化された後も何年にもわたって劣悪な条件で強制労働を強いられるようなタームシートには簡単にサインしない。

最後に、もう一つ、ベンチャーキャピタリストはSchmidが述べていたように「若い起業家の多くは大企業を運営する実務が苦手で、ベンチャーキャピタリストに管理職を探してきてもらいたがる」という説を信じているのかもしれない。私は若い起業家についてその説が本当なのかどうか知らないが、ベテランは違う。Kauffman Foundationから今月中に発表される予定のわれわれのチームの報告書によれば、ベンチャー資金を受けているスタートの中でベンチャーキャピタリストの助言を「非常に価値がある」と考えているのはベテラン起業家のわずか4分の1だった。(もちろんほとんど全員がベンチャーキャピタリスの貢献では「資金」が一番価値があると考えている)。そういうわけでベンチャーキャピタリストが若い連中のところへ行くのは、そこでは一番歓迎されるし、鼻面をつかんで自由に引きまわせると期待するからかもしれない。

もちろん若いファウンダーに立派な会社が作れないと言っているわけではない。Googleのファウンダー、LarryとSergeyの大成功を見ても分かるだろう。しかしながら、生まれたての子羊も同然の未経験な若者が若者であるというだけでファウンダーに優れたファウンダーになれる保証はまったくない。ひとつよいアドバイスをしておこう。ベテランを軽く見ると後悔することになる。

そもそも私自身がよい例だ。私は2番目の会社を39歳のときに作った。堅実な企業向けソフトウェア会社を興すのに成功したとき、私はスタンフォード大学からコンピュータ科学とMBAの両学位を得たばかりで得意になっているヒヨコではなかった。そして私は決して例外ではない。ベテランは強いのだ。

写真: Flickr/Dru Bloomfield.

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01