そろそろ「ノイズ」に、真剣に対処すべき時がやってきた

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Diggもスピードを重視へ

数日前、SeesmicでCEOを務めるLoic Le Meur(@Loic)が、Seesmicのウェブクライアントで20近いカラムに1,200ものTwitterメッセージを表示しているスクリーンショットをretweetしていた。この画面はSeesmicのCTOのものだとのこと。一度に何件のメッセージを表示できるかの世界記録を達成したなんていうおふざけでやってみたらしい(競合のTweetDeckでもカラムやメッセージ数に制限なくTwitterメッセージを表示することができ、実際のところ「世界記録」などに意味はない)。スクリーンショットをクリックして拡大画像を表示して、よくみるとサーフィンで技を決めているLoicのアイコンが見つかる。Seesmicは、溢れかえるTwitterメッセージを見やすく整理して表示するためのものだが、その膨大なTwitterメッセージの波の中で、小さな@Loicが方向を見失っているようにも見えて面白くはある。

retweetされたこのスクリーンショットを見て、もうひとつ別のスクリーンショットを思い出した(下に掲載。クリックで拡大します)。以前TwhirlというTwitterクライアントの画面をキャプチャしたものだ。Seesmicは、現行版を開発する前に、このTwhirlを買収している。約1年半ほど前、Twhirlをインストールしてみると、ポップアップメッセージが大量に表示されてデスクトップが乗っ取られてしまった件を記事に書いた。その記事で次のように書いている。

しかしこの問題は、ウェブを取り巻く今日の問題点を浮き彫りにしてはいないだろうか。つまり注目せざるを得ない情報は多すぎる中、ノイズを減らすための方法は十分でない。

この記事は18ヵ月も前のものだが、問題はまだ解決されていない。むしろノイズは当時よりも増えており、キャプチャしたスクリーンショットは現在でもまだ通用するものとなっている。実際のところTwitterやFacebookの利用者は増加し、Google Waveのようなアプリケーションも登場して、ノイズも爆発的に増大しつつあるという状況だ。データストリームはますます大波となり、情報洪水に溺れてしまう危険性もいや増しているのだ。

twhirl-mania-small.png

もちろん当時からストリームリーダーについて、進化が見られないなどというつもりはない。きちんと配置したカラムの中に1,200のTwitterメッセージを表示する方式は、画面上に1,200ものダイアログボックスが表示されるよりはるかにましだ。また、最近のアプリケーションは、数の面ではますます多くのメッセージを取り扱えるようになってきている。ただし実際のところ、SeesmicやTweetDeck、あるいは他のクライアントでも良いが、一度に1,200のメッセージを表示できるというのは「機能」ではないのだ。これはむしろ「バグ」と呼んでしかるべきものなのだ。18ヵ月前に言ったことはまだ解決されていない。

こんなにたくさんの情報は必要じゃない。何が大事なのかを知りたいのだ。1000ものtweetやFriendFeedのメッセージにブログ記事、電子メールやIMなどから、本当に必要な5つのメッセージをより分ける時間はない。

個人のストリームからノイズを除去するひとつの方法は人物やキーワード(検索の際)毎に異なるグループを設定することだ。Twitter本体も「リスト」という新機能を搭載し始めた。SeesmicおよびTweetDeckも問題に対応しようと、フォローするグループやカテゴリ毎に新しいカラムが作成できるようになっている。

但し、上に掲載したスクリーンショットで明らかなように、「リスト」化したりカラム分けを行っても根本的な解決にはならない。たとえば私の場合、TweetDeckでカラムを10個作成している。構成は、個人のTwitterアカウント用、TechCrunchのアカウント用、個人のFacebookストリーム用、techcrunchの語を検索して表示するもの、私の名前を検索して表示するもの(フォローしていない人が私に話しかけているのを見つけるため)、それからあとの二つはダイレクトメッセージ用といった感じだ。ただ、常に注意を払っていられるのは、せいぜい2つのカラムに過ぎない。ストリーム中を流れる興味深い話題を追いかけるのに、こういうカラム化なども十分効率的なものだとは言えないのだ。

さらに問題は拡大しつつある。Twitterでもノイズ満載だと思う人は、いずれGoogle Waveに驚愕することになるだろう。Google Waveではノイズだろうが全てのアクティビティを表示し続ける。画面中にダイアログボックスを表示しているTwhirlのスクリーンショットをもう一度見てみて欲しい。Google Waveの場合、このような大混乱状態の中でひとびとがテキストメッセージを入力するのではなく、さらにファイルや画像を投稿してくるのだ。個々のメッセージに対してまともな対応などできなくなるに決まっている。

データストリームを扱うアプリケーションなどが行うべきことは、ノイズを増やすことではなくて減らすことなのだ。KISS(Keep It Simple, Stupid:物事はシンプルにしろよ、愚か者)でなくてはならないのだ。グループやリスト、ないしカラムを作って情報を整理するのは、まあ気の利いたやり方だ。しかし問題の解決になりはしないのだ。@Loicや、誰のものでも良いが興味深いメッセージを見つけるのは、「ウォーリーを探せ」風のゲームとして行うべきものではない。

個人的には、情報を2つのカラムに集約できればと思っている。ひとつはフォローしている人のメッセージが表示されるもの(標準的なもの)で、もうひとつは注意を払うべき、興味深いメッセージが表示されるものだ。この2つに集約できるのなら、とても便利になる。そしてもちろん2つのカラムが難しい。個人的な興味に従って、自動的に情報を整理してもらう必要があるわけだ。

もちろんその2つめのカラムには、私がフォローしている人々の中で、ここ24時間ないし48時間のうちでretweet回数の多いメッセージも表示されるべきだろう。ストリームを追いかけていない時間もあるわけで、情報を見逃していることも考えられるからだ(ほとんどの人よりは長くストリームに触れていると思うが、それでも見逃すことはある)。また、ここに表示される情報は、過去のretweet、リプライなどの状況や、情報の登場頻度などによって自動的に順位付けして表示されるようになっていて欲しい。私自身の振る舞いに応じて、自動的に好みを判断して分類してくれるようなものであって欲しい。

この2つのカラムに表示される情報以外のものが必要になれば、検索に頼ることができる。もちろんTwitterが実装している現状の検索機能では十分ではない。現在の所、検索語にぴったり合致するものでなければ表示されず、関連語の含まれるメッセージを表示してくれない。また検索結果を関連性に応じて分類することもできず、ただ時系列で並べるだけということになっている。Twitterは、この問題に対処するのに最近調達した$100M(1億ドル)を使うこともできるだろう。ノイズ問題に真剣に対処すべき時期がきているのだ。

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(翻訳:Maeda, H)