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中国の3G Industry Summitで日本の2社を含む16社が巨大市場を狙うモバイルアプリ/サービスを披露

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今週の初め、中国の昆山市(Kunshan)で、3G Industry Summit(3G産業サミット)が開催された。この4日間(10/19-22)にわたるイベントは数十名の講演者と200名あまりの参会者を集め、この国のこの種の業界としては相当大きな集まりとなった。このイベントは昆山市とMobile 2.0 Forumの共催で毎年開かれるが、Mobile 2.0 Forumは1500名あまりの会員を抱えるコミュニケーションプラットホームで、業界のベテランであるLeo Wangがほとんど一人で運営している。

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このサミットは、次のことを再確認させてくれる: 中国のモバイルハードウェア、ソフトウェア、およびコンテンツの市場は今すでに大きいが、近未来には確実に巨大になる。

中国のオンライン状況を、数字で素描してみよう:

  • 世界最大のインターネット人口: 3億3800万の中国人がオンラインしている(合衆国は2億2000万人)
  • 携帯電話のユーザが世界でもっとも多い(7億1000万人
  • 中国最大の携帯キャリアChina Mobileは一社で5億近い加入者数を誇る(合衆国は全キャリア計で2億7100万)
  • 中国の通信産業の売上額は2009年1月〜6月の半年で$210B(2100億ドル)
  • 中国の現在の携帯電話普及率は53.5%(合衆国: 88%)、今後の成長の余地がきわめて大きい

しかしスマートフォンや3Gの市場はまだ幼児期だ。BDA Chinaの調査によると、2008年に中国で売れたスマートフォンはわずかに1740万台(その67%がNokia製品)で、今年に関する予想は3600万台、来年の2010年には5600万に増える。iPhoneは来週、中国でも発売される。China Mobileの3G加入者は今わずかに133万(同社独自の3G規格を使用)だが、中国の三大携帯キャリア(China MobileChina UnicomChina Telecom)によれば、今後2年間で中国の3Gネットワークに対する投資総額は$66B(660億ドル)に達する見込みだ

したがって今回の昆山の3G Industry Summitは、絶好のタイミングで行われたと言える。企画の一環として立ち上げ大会(launch pad)もあり、そこでは中国の14社と日本からの2社が、200名を超える有力企業の役員たち、VC、そしてこの国のモバイル系の起業家たちを前に、自分たちのサービスの売り込みを行った。

以下は、それらの企業すべての、サムネイルふうのスケッチだ。彼らが中国のモバイルスタートアップシーンの全体を代表しているわけではないが、比較的大きな、そして最新の、断面図とは言えるのではないか。

unoh_logoDemo 1:
UNOH

UNOH(ウノウ)のCEO Shintarou Yamada(山田進太郞)は、彼の東京の15名のチームが5月に立ち上げたモバイルゲーム(日本国内のみ)を見せた。そのまちつくと呼ばれるゲームは、位置対応の都市づくりシミュレーションだ(名前は、「まちづくり」を略したもの)。かわいらしいグラフィクスとソーシャルな要素に加え、けっこう奥の深いゲーム構造とユーザが購入する仮想アイテムが売り物だ(ゲームそのものは無料)。山田によれば、ゲームは大手のソーシャルネットワークであるMixi本誌記事)とMobage-town本誌記事)に近く提供されるそうだが、でもiPhoneバージョンが欲しいね。

urbian_logoDemo 2:
Urbian

Urbianは主に企業向けのモバイルアプリケーションを作っているが、消費者向けのiPhoneやAndroidアプリケーションも多い。サミットでCEOのChristopher Kahler(上海居住のオーストラリア人)は、もうすぐ中国と日本とフィリピンなどで立ち上げる予定の、なかなかよくできたモバイルの学習アプリケーションをデモした(中国版は全国5000の学校で使われる予定)。対応プラットホームはiPhone、Android、Symbianなどだ。

crossmo_logoDemo 3:
CrossMo

CrossMoは携帯用のオンラインデータ管理および同期化ツールによってモバイル空間の断片化(細切れ化、相互非互換化)問題を解決しようとする、ハードウェアを特定しないソリューションだ。電話機をUSBでPCにつなぐと、このサービスが着メロ、音楽ファイル、アドレス帳などなどをバックアップし同期化(シンク)してくれる。今後ユーザが携帯の機種を変えても平気だ。

CEOのLei Jiaによると、中国の消費者の70%はコンテンツを携帯電話からでなくWebからダウンロードしている。CrossMoは(コンセプトとしては)DoubleTwist を思わせる強力なツールのようだが、それだけに対象が中国だけなのは残念だ。

mobimtech_logoDemo 4:
MobimTech

MobimTechのCTO Yi LiangがimiChatをデモした。なかなかクールなリアルタイムのビデオチャットのようだ。携帯同士のビデオチャットのほかに、PCからのチャットもできる(音声チャットとテキストチャットもサポート)。imiChatは無料でこれらの電話機で使える。GPRS/EDGEネットワークを使用し、3Gを必要としない(実はMobimTechはこの技術を2.5Gの機種を作っているところに売り込んでいる)。

bokan_technologies_logoDemo 5:
BokanTech

BokanTechのCEO Bo WangがiBokanをプレゼンした。iPhoneの人気アプリケーションがたくさんあるサイトだ。彼がデモで取り上げたのは、Cute MathJumbo Bookのようなエデュテイメント(edutainment, 教育+エンタテイメント)アプリだ。前者はAppStoreで二度も“注目すべき新作”として紹介された唯一のアプリケーションらしい。後者は対話的な本で、今のところ20話ある。BokanTechはKukappというサービスの立ち上げも近く予定しており、それはWangによれば“iPhoneとOviのアプリケーション用のGoogle Analytics”だ。

navteq_logoDemo 6:
NavTeq China

Navteq Chinaの取締役George Qieによれば、同社は位置対応サービス(location-based services, LBS)によるエコシステムの形成を目指している。彼の着眼点は、ナビゲーション、ソーシャルネットワーキング、ゲーム、生産性(たとえば要員管理)、コマース(商業)、セキュリティなどいろんなアプリケーションでLBSを利用できることだ。したがってQieは、LBSを軸として多様なアプリケーションを統合化できるという。また中国における3Gの普及によってLBSの開発に一層の拍車がかかるだろう。

soco_game_logoDemo 7:
SocoGame

SocoGameのCEO Ye Shenによると、中国のモバイルゲームの2008年の売上は$147M(1億4700万ドル)とまだ小さいが、2011年には$750M(7億5000万ドル)にまでふくれあがると予想される。さらにそのあとは、加速度的に成長が続くだろう。西欧との大きな違いは、モバイル上のゲームは無料、しかし仮想アイテムには金を払うという消費者の認識だ。だからデベロッパは、寿命の長い人気ゲームを作らざるをえない。

上海のSocoGameは、中国のモバイルゲーム界の重鎮だ。同社はこれまでに、複数の市場向けに100を超えるモバイルゲームを作ってきた。たとえばMonkey Kingはもっぱらアジア向け、Jewel Quest Deluxeは北米やヨーロッパ向け、というぐあいだ。

leg3s_logoDemo 8:
LEG3s

LEG3sは主に中国の2億人の季節労働者のための職探しサービスで、賞をもらったこともある。中国の100以上の都市の求職とその条件(給与等)を彼らに伝える。現在のユーザ数は300万ほどで、リーズナブルな料金を払ってローエンドの携帯電話からアクセスできる(LEG3sがプレインストールされている機種もある)。CEOのJason Liuは、年内にユーザ数が500万に達すると期待している。

trustmobi_logoDemo 9:
TrustMobi

TrustMobiは北京のスタートアップで、携帯電話のセキュリティという、見逃されがちな分野を扱っている。CEOのBing Songは、今後のモバイルWebの成長によって、携帯がどんどんゾンビーコンピュータの仲間入りをしていくと見ている。彼の会社は、いくつかの機種向けに、セキュリティの統合化ソリューションを提供し、それが、ファイルのリカバリ、ウィルスの検出、モバイルメールのためのファイアウォール、SMSやMMSの保護、ファイルの暗号化などのセキュリティワークを行う。昨年の北京オリンピックではTrustMobiが携帯電話のセキュリティを担当した。

apexone_logoDemo 10:
Apexone Microelectronics

このプレゼンは中国語のみで、しかもCEO James Gaoによる彼の会社のオプチカルナビゲーションソリューション(光学式マウス用のコントローラIC)の説明は私には難解すぎた。この分野に関心のあるかたは、同社の優れた英語のWebページを見ていただきたい。

playing_com_cn_logoDemo 11:
Playing.com.cn

この天津(Tianjin)の企業はこれまでに50を超えるスマートフォン用ゲームを作り、それらを20以上の国や地域で売ってきた。CEOのZhen Suは自分のサイト/サービスを“モバイルアプリケーションのコンビニエンスストア”と呼び、IMクライアント、さまざまなゲーム、仮想ペットシミュレーションなどをデモした。同社はゲームデベロッパのためにAPIを提供しており、デベロッパは自作のゲームをPlaying.com.cnのWebサイトで売ることができる。

mobile_trend_logoDemo 12:
MTrend Group

MTrend Groupのファウンダの一人であるMano Wangが、中国のモバイルWebの利用状況に関するおもしろい情報を紹介した。たとえばこんな数字がある:

  • 1990年以降に生まれた中国人モバイルユーザの22.6%が2009年に初めてモバイルWebを使った(日本などでは携帯からのWebアクセスの普及はもっと早い)。
  • モバイル上でゲームをする人の63.9%が、1日に10〜30分のプレイ時間。
  • 中国のモバイル加入者の57.1%がモバイル上で新聞を読んだことがあると答えた。
  • 38.8%が携帯上で非海賊版の音楽サービスに切り換えつつある。13.2%が海賊版サイトだけを聞いている。26.1%が携帯上に保存してある音楽はすべて買ったもの。
  • China Mobileを使っている中国の大学生の人気モバイルアプリトップスリーは、Mobile Baidu中国最大の検索エンジン)、Mobile QQ中国最大のソーシャルネットワーク)、12530(China Mobileの音楽WAPポータル)。

注: MTrendはChina Mobileのデータ放送のメインブランドなので、これらのデータポイントが中国全体を代表しているわけではない。

Demo 13:
Panda LLC

東京のPandaは、3Dの宝探しゲームを準備中。そのとてもクールなグラフィクスは、iPhoneなどのスマートフォン用に特別に制作されたもの。Pandaの取締役であるIssei Matsuiが見せた2つのデモビデオはかなりクールだった。URLを入手次第、ここに加えたい。

motherapp_logo
Demo 14:
MotherAPP

元Google社員でCEOのKen Lawによれば、彼が香港で作ったこの会社の使命は、デベロッパのためにモバイル空間のプラットホームの断片化(細切れ化)という問題を3つのソリューションを通じて解決することである: まずGeneratorでは、MotherApp Language(HTMLのサブセット+αのような言語)を使ってiPhone、Android、Windows Mobile、Blackberry用のネイティブアプリケーションを簡単に作れる。これは、強力なソリューションだと思えた。次にMotherBlogはブログやTwitterの発言をコーディング不要でiPhoneのネイティブアプリケーションに変換する。第三に同社は、ほかの企業を助けて、彼らのモバイルアプリケーションをすべての有力プラットホーム対応にする(その事例集)。個別受注の総合的な開発で納期は約9週間。

hozom_logoDemo 15:Hozom

誰もが自分のソーシャルネットワークをポケットの中に持っているのに、新たにモバイルのSNSに登録するのはばからしい。HozomのCEO Ziyang Liuはそう考えて、携帯上の連絡先リストなどにソーシャルな要素を加えることを考えついた。電話機のアドレス帳の項目を、Twitter、QQ、IMなどのサービスに接続し、また友だちの連絡先データを使ってソーシャルなゲームや位置対応サービスなどの要素も加える。Hozomはさらに、そのすっきりしたデザインとエレガントなUIが売り物だ。

motech_logoDemo 16:
MoTech

MoTechは、中国を訪れる外国人(1年に数百万)の中国旅行を助ける。このアプリケーションには旅行者が日常的に必要とするフレーズ(交通、緊急事態、ショッピングなどなど)が1000ほど入っていて、それをユーザの携帯が標準中国語で喋る。また、名所やレストランなどのリストもある。プレゼンでMotechのCEO Austin Xieは、同社のそのほかの外国人向け製品ソリューションもどっさり紹介した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))