[jp] ソフトウェアビジネスカンファレンス2009

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【日本語版編集部注:この記事を寄稿してくれた新井俊一氏は株式会社もぐらの共同創業者兼取締役技術担当。これまでWinny開発者の支援活動や、福岡でのRubyコミュニティ立ち上げなどを行ってきた同氏はAsiajinという英語で日本のITを紹介するブログの共同創立者でもある。今回のソフトウェアビジネスカンファレンス2009の主催者の一人。TechCrunchJapanは日本/アジアのスタートアップ・ステージとして東京Campを主催しており、スタートアップを多角的な視点でとらえようとしている本カンファレンスについても強い関心を寄せている。そこで同氏に開催意義について語ってもらった。]

12月5日、福岡で「ソフトウェアビジネスカンファレンス2009」を開催する。

ソフトウェアビジネスカンファレンス2009は、ソフトウェアの起業家と、彼らを取り巻く、投資家、弁護士、会計士などの支援者を集めて、講演、対談やQ&Aセッションなどを行う。

日本では、これまでソフトウェアというと技術的側面ばかりが着目されてきた。

それは、日本のソフトウェア業界の多くがソフトウェアの人的サービス企業であり[1]、ビジネスモデルやマーケティングなどの必要性が少ないためである。人的サービス企業では、マーケティング等よりも、開発業務の遂行や、顧客との関係強化に重点が置かれる。

そのため、経営に関する知識向上がおろそかにされた。

2000年以降、多くの新興企業が、ユーザーに役立つ製品よりも、技術的に興味深いだけのものや、単に面白いだけのウェブサイトを作ることに注力し、失敗を重ねていった。

自社製品を開発したり、独自のビジネスを遂行する場合、マーケティングなどの経営面について多くの知識やノウハウを必要とする。

スタートアップ企業は、通常の中小企業とは異なり、急激な成長を狙うため、独自の商品を開発し販売する投資費用として、投資家の助けを必要とする。投資を入れる場合は、専門性をもった会計士や弁護士などにも協力してもらう必要がでてくる。

日本では、ソフトウェア起業家は多くの場合、少額の自己資金で設立され、受託開発やコンサルティングからビジネスを始めることが多い。その場合、会社のコンセプトや独自性が曖昧になりやすい傾向がある。

もっと市場を見据えた経営力を持った企業が数多く生まれなければ、日本のソフトウェア業界は変わらないだろう。

優れたソフトウェア企業を作り上げるためには、起業家が集まり、専門家のセミナーを受けたり、情報交換をしたりする機会が欠かせない。

筆者は、11月にサンフランシスコ・ベイエリアを訪問し、数多くの起業家のためのイベントに参加した。当地では毎週いくつかの起業家イベントが開催されており、起業やビジネスへの強い思いと、それをサポートする人々の意気込みを感じた。これらのイベントについては機会があれば別稿で紹介したい。

日本にも、ビジネスを学び、人脈を強化する機会がもっと数多く必要であると、強く思うようになった。

そこで、我々ソフトウェア・ビジネス・ラボでは、福岡でソフトウェアのビジネス的側面についての集会などの活動を開始し、12月5日にカンファレンスを開催することにした。

本カンファレンスは、起業家による起業論だけではなく、財務や法務について専門家から話を聞くことができる機会となる。

シリコンバレーでは、沢山の起業家がいるだけではなく、多くの投資家や法律家、会計士、コンサルタントらが起業家を支えている。その起業家の生態系を、本カンファレンスで再現したいと考えている。

是非、ソフトウェア業界にいる全ての人や、起業を考える人々に、東京や日本各地からも本カンファレンスに参加して、シリコンバレーの風を感じて欲しい。

[1] ソフトウェア企業の競争戦略 – マイケル・クスマノ

[日本語版編集部注:同イベントへの参加や問い合わせは公式サイトにて]

[新井俊一氏の個人ブログはこちら ]