AOLの新ビジネスモデル:下落傾向と戦う

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AOLは、12月のスピンオフ上場に備えて、 ブランドイメージの改善をはかっているところだが、その基盤をなすビジネスの改善には、もう少し時間がかかりそうだ。Barclays Capitalのアナリスト、Douglas Anmuthが今日(米国時間11/24)AOLに関する2014年に向けての収益モデルを含むレポートを発表した(下図参照)。同氏の予測によると、今後5年間収益の成長は一切なく、唯一2011年に一時的に上昇するのが、現在の人件費の1/3を削減する時で、その後また下降が始まるという。

言い換えれば、AOL株を買う投資家は、コスト削減による黒字転換という筋書きのためであり、成長するストーリーではないので、そこからどういったタイプの投資家がこの株を買うのかも決まってくる。Anmuthは、投資家たちが注意すべき重要な点をいくつか挙げている。

1) 上場後のTime Warner株主の動き
2) フリーキャッシュフローを後押しする大幅なコスト削減
3) 2010年末以降の新しい検索契約
4) AOLのディスプレイ広告戦略が軌道に乗るか
5) ユニーク訪問者数、ページビュー等の主要な指標の傾向

既存のTime Warner株主全員がAOLの株主となるため、その中の多くが株を手放すようだと、株価に下方圧力がかかることになる。しかし、Anmuthは適正評価額を1株当たり$35~$39と考えており、これはAOLの時価総額$3.8B~4.2B(38億~42億ドル)に相当する。AOLがレイオフその他のコスト削減を実施していけば、そうした施策によって年間約$300M(3億ドル)の経費が節減され、フリーキャッシュフローを助けることになる。

しかしながらAOLは、繁栄への道を切り開くことができない。こうした削減は、CEO Tim Armstrongが彼の新コンテンツ戦略を実現させてディスプレイ広告収入を押し上げるための時間稼ぎにはなる。

ここでもしかし、AOLは下落傾向と戦わなければならない(下のグラフ参照)。ディスプレイ広告はページビューによって支えられるが、これがAOLサイト全体で前年比22%減の143億回に落ちている。AOLサイトの米国ユニーク訪問者数も、11.5%減の9850万人に減っている。

もちろんAOLは、他のサイトにもディスプレイ広告を配信しているが、自社のオーディエンスに対してはプレミアム料金を徴収できる。そのオーディエンスの中心はやはり、540万人のプロバイダー利用者たちであり、減少はしているが未だにAOLのEBITDA(税引き前利益に支払い利息と減価償却費を加算したもの) の約60%を占めている。彼らはまたAOLの広告にとっても最も価値あるオーディエンスであり、だからこそArmstrongはこのプロバイダー事業に出来る限りしがみつく必要があるのだ。

もう一つの大きな収入源は、AOLのきわめて実入りのよいGoogleとの検索契約である。Armstrongが以前勤めていた会社だ。Anmuthの推計では、AOLはGoogleとの契約を通じて、自サイトで発生した検索収益の92%を得ており、この検索広告がEBITDAの36%を占める。

Armstrongはこの契約を再交渉して、GoogleとBingを戦わせる必要があり、その結果、未だ回答待ちのYahooとの検索契約で支払う88%より高い収益分配を得られる可能性がある。AOLの問題は、検索全般のシェアが、今でも米国内の3%と小さくはないものの、3年前の半分以下であり、下がり続けていることだ。

こうなるとArmstrongとしては、ディスプレイ広告収益を再び軌道に乗せるしかない。Anmuthは、AOLのディスプレイ広告収益の伸びは、2012年まで業界の回復にも遅れをとり、来年は事実上横ばいで、それ以降も年間ほんの3~5%程度の成長だろうと予測している。幸い、広告を売ることはArmstrongの最も得意とするところなので、そこで投資家たちを良い方に驚かせてくれるかもしれない。しかし、数字がはっきりものがたる通り、これは長くて厳しい道のりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)