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TechCrunch50のスター、Tonchidot(頓智・)の拡張現実アプリ、セカイカメラが世界デビュー

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[jp] 「Amebaなう」の真のライバルは、Twitterではなくアメブロだ

待ち時間はとうとう終わった。 2008年のTechCrunch 50での印象に残る(そしてかなり奇抜な)プレゼンによるデビューから1年半、Tonchidot(頓知・)のSekai Camera(セカイカメラ)のiPhoneアプリが全世界に提供開始された。この拡張現実(AR)アプリはすでに日本で大ヒットとなっている。Tonchidotはいよいよ世界制覇への道を歩みだした―というか、少なくとも、世界中の誰もが位置情報に基づいてポストイット的なメモを残せるようにする道を開いた。Sekai Cameraのダウンロードはこちら。無料だ。

アプリのコンセプトは非常にシンプルだ。ユーザーは日常生活の中でSekai Cameraを使ってその場所の空中に浮かんでみえるアイコン〔エアタグ〕として,テキスト、写真、音声の録音によるメッセージを残すことができる。同時にユーザーはSekai Cameraを通じて他のユーザーがその場所にどんなメッセージを残しているか見ることができる。iPhoneを動かすにつれて、次々に新しいエアタグが表示される。エアタグをクリックすると他のユーザーが残したメッセージの内容が表示される。残されたメッセージが世界に公開されるという点ではTwitterに似ているが、SekaiCameraの場合は位置情報を中心に構築されているところが特色だ。そのメッセージが残された場所の近くに行かないとメッセージを見ることはできない。

アプリ自体は非常によくできている。他の多くの拡張現実アプリと同様、位置情報の取得にはSekai CameraもiPhoneの内蔵GPSと電子コンパス(3GSの場合)を利用している)。ユーザーがiPhoneをファインダーとして利用しながら周囲を眺めると、エアタグがリアルタイムでポップアップする。私がテストしてみたところでは処理速度を含めたパフォーマンスは非常に良かった。しかしテストした地点にはまだエアタグがほとんど登録されていなかったので、エアタグの数が増えた場合にパフォーマンスにどう影響するのかはチェックすることはできなかった。人気スポットでは何十もの(あるいはそれ以上の数の)エアタグが表示されることになるので、さまざまなフィルタが用意されている。インタフェースはシンプルで洗練されている。ただし「ポケット」など一部の機能については使い方を飲み込むのに多少時間がかかるかもしれない。

TonchidotはSekai Cameraですでに日本では大成功を収めている。日本で公開されたのは9月下旬だったが、その後わずか4日間で日本のiPhoneユーザーの10%がダウンロードした(ただしTonchidotも日本のiPhoneユーザーの数はまだ比較的少ないことを認めている)。Tonchidotはいくつかの大手小売店と提携することに成功しており、同社によると、最近AppleJapanによって2009年のベストアプリに選定されたという。

今回世界デビューしたのは、新しいSekai Camera v2.0だ。このバージョンでは、オリジナルの日本版に比べて多くの点で改良が加えられている。オリジナルではエアタグを表示するには物理的にその場所にいるしか方法がなく、友達のエアタグをすべてフォローすることは不可能に近かった。新しいバージョンでは友達をフォローすることが可能になった(これによってTwitter風のストリームとして友達が作るタグを見ることができる)。またお気に入りのエアタグを‘Pocket’(簡単にいえばブックマーク機能)に保存することができる。 いちいちストリームを辿りなおさないでもPocketに入れたエアタグは後で簡単に再表示できる。

アプリ自体は無料だが、Tonchidotが収益化を図る方法はいくつか考えられる。たとえば、企業の広告タグをSekai Camera内に表示させることができるだろう。またTonchidotはこうした広告主に対して現地に行かずコンピュータのデスクトップからエアタグを管理できる機能(通常のユーザーには不可能)を提供することもできよう。Tonchidotは現在アメリカではこうした収益化を開始していないが、日本ではすでにいくつかの大手小売店と提携関係を結んでいる。

アプリケーションの魅力をいっそう高めるために、TonchidotはSekai Cameraの拡張現実世界にサードパーティーがコンテンツを統合できるようAPIを公開している。たとえば、私が3D画像編集アプリを使って3DのTechCrunchロゴを作成したとしよう。私はSekaiCameraのAPIを通じてこのロゴを通りかかった他のユーザーが見えるようにオフィスの前に掲示することができるわけだ。このAPIはTonchidotの成功にとってきわめて大きな意味を持つことになると思う。すでに多数のゲーム・デベロッパーがゲームとSekaiCameraを巧みに結びつける方法を模索しているということだ。こうしたサードパーティーとの連携がTonchidotの成功に重要だという意味は、他のユーザーが残したメッセージを見るのは目新しい経験であるものの、それだけでは飽きられやすいという点にある。ユーザーが長期間にわたって繰り返し利用するにようにするためには何らかの、いわば中毒性のあるアプリとの連携が欠かせないだろう。

TonchidotはTechCrunch50での有名なプレゼンから長い道のりを走破してきた。あのプレゼンでは、ジェスチャーも派手なら言うこともユニークなTonchidotのCEOの奇抜なプレゼンに一部の審査員は正直、戸惑っていた。日本での成功によってTonchdotが本物であることが立証された。さて、この成功を世界に広めることができるかどうかが彼らの次なる挑戦となる。

Tonchidotは最近$4M(400万ドル)の資金調達に成功したことを発表している

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01