2010年の主戦場は位置情報だ–大手による買収の嵐になるだろう

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11月に本誌が主催したRealtime CrunchUpでは、位置情報(geolocation, 地理的位置)パネルの一員になって、TwitterやFoursquare、SimpleGeo、GeoAPI、Hot Potato、Googleなどの連中と同席した。そのときは連中に、「位置」は「ソーシャルアイデンティティ」(Facebook Connect vs. Google Friend Connect)や「ステータスアップデート」(Twitter vs. Facebook)と同じように重要な戦場になるだろうかと聞いてみた。するとパネリストたち全員が、共存できる分野だから戦争にはならないと言った。でも、それはどうかな。今はまだ、ごく初期の段階だから、共存していると思いこんでいるだけだろう。そのうち次第に、競争が激しくなるに違いないと思うけどね。

位置データは今のところかなりスタンダードだから、同じデータを複数のアプリケーションで使える。だから、誰が勝つ負けるという話はない、という説も理解できるが、でも位置アプリや位置対応機能が全体としてメジャーな分野になっていく中で、個々の企業に関しては、勝者敗者が必ず出てくるだろう。具体的には、ソーシャルな位置情報サービスならこことここ、というように、ユーザのデフォルトの選好が次第に決まってくる。徐々にそうなっていく。大きな企業ほど有利だと言える。だからこそTwitterは今から、GeoAPIを支えるチームであるMixer Labsに、早々と買収の手を伸ばしているわけだ。言うまでもなくそれは、近未来の位置情報分野において勝つための戦略だ。

Twitterの協同ファウンダEvan Williamsが今日(米国時間12/23)、次のように書いている: “Mixer Labsの成果をTwitterのAPIに有意義に組み込むことを目指したい…“。それは具体的には、トウィートにその文脈に合ったローカル情報を付け加えることだ。でも、漠然とした言い方だけに、その含意は大きい。それは、これまで聞いたところによると、こういうことだ: Twitterは位置情報を扱う優秀な人材を安く手に入れた(複数の情報筋によると$5M(500万ドル)前後)。たとえばMixer LabsのCEO Elad Gilは、Google Mobile Mapsの最初のプロマネだった。そのほかMixer Labsの6人の社員のうち4人は元Google社員だ。協同ファウンダのOthman Larakiもそうだ。

Twitterがやらないと思われるのは、本格的な位置プラットホーム事業への早期進出だ。GeoAPIは“現在のGeoAPIを引退させるつもりはない”と言っているが、Twitterが自分のAPIに取り入れてしまったらそうもいかない。ただしあくまでも人材獲得が目的だから、Twitter自身がSimpleGeoのようなこと(そしてGeoAPIのようなこと)をやり始めることはありえない。Twitterは当面、トウィートに位置情報を付けたいだけだ。SimpleGeoは、トウィートであれ何であれ、いろんなものに対して汎用的な位置情報を提供したいと思っている。”Twitterが位置タグを付けたトウィートの流通ポリシーを変えたり、大量の位置情報の入手に格差が生ずるのでないかぎり、今回の買収がわれわれの方針を変えることはない。SimpleGeoは今後もこのまま続ける“、Hot PotatoのJustin Shafferは本誌にこう語った。

しかし今後のTwitterは、位置情報の大手配信者として自らを位置づけることもありえる。そうするとTwitterは、FoursquareやGowalla、そしていずれはFacebookやGoogleとも一戦を交えることになる。

繰り返せば、今のところはTwitter、Foursquare、Gowalla、それに小規模なところの多くが、お互いにうまく折り合っている。位置情報サービスや技術をメジャーな存在に育てるという、共通の目標があるからだ。そしてその協調関係はうまくいっている。しかしFoursquaresやGowallasの問題は、位置情報アプリそのものがメインの製品であることだ。そのゲーム性に人びとが飽きたり、あるいはTwitter、Googleなどがクーポンサービスに位置情報を結びつけたりしたら、位置情報だけで勝負しているところは足元に火がつく。だから来年あたりは両社とも、買収のおいしいターゲットになるかもしれない。買い手はどこだろう? Twitterか、Googleか、Facebookか?

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以上が、今水面下で徐々に進んでいる化学反応だと思うのだ。位置情報専門ではない、もっと力のあるところが、位置専門の小さなサービスをごそっと根こそぎさらっていく。そういう大手の中ではTwitterはいちばん小さくて弱いほうだが、早々にGeoAPIを買ったことにも見られるように、とても賢い。すごく近いうちにまた一つ位置サービスを買ったとしても、とくに意外ではない。

一方Facebookは、位置情報への参戦に関しては、足踏みをしている(かなり遠慮した言い方だが)。社内で開発中である、本気でTwitterに勝つ気である、という話を数か月前から聞いているが、どこをどう見てもなにも起きていない。最近聞いたところによると、例のプライバシー問題でそれどころじゃないそうだ。でもそんなFacebookも2010年には必ず、本格的にに位置情報を取り上げるだろう。賭けてもいい。これまで社内でやっていたことがまずければ、さっさと買収作戦に切り換えるだろう。

第三の大型企業であるGoogleにはLatitudeがあるが、彼らは今、いろんな意味でものすごく頭でっかちだ。今のところは、人びとの気持ちが傾いているのはチェックインモデルのようだ。しかしLatitudeは“いつでもアップデートしている”という方式だ。それは確かに未来的ではあるが、今は早すぎるし、むしろGoogleの位置技術の脚を引っ張っている。だからやはり、有効なのは素早い買収だ。Googleが2006年にFoursquareの協同ファウンダDennis Crowleyの前の会社Dodgeballを買収したときが、実は先頭を走れる絶好のチャンスだった。でも、このドッジボールの試合ではGoogleはボールを落としてしまって、サービスを見殺しにした。むかついたCrowleyはGoogleを去った。というわけなので、Google/Foursquareの結婚はまずありえない。ただし、金はどんな心の傷でも治すというから、絶対ないとは言い切れないけど。

今のトレンドとしての位置情報は、燃えさかっている。を見ても左を見ても、一流投資家たちによる投資話がごろごろ転がっている。それは2010年も続くだろう。そして位置専門ではない大所(おおどころ)がいよいよ本格的に乗り出してくる。彼らはみんな、オンラインのソーシャルな世界と現実世界を結びつけたいのだ…それに現実世界のほうも、位置情報との結びつきにはお金儲けのチャンスがあるのだ。

SimpleGeoの協同ファウンダMatt Galliganに、Twitterの動きについて聞いてみた。 “位置情報を今のようなおもしろい脇役から、巨大な主役に押し上げようとしている。大会社として、位置情報の未来にでっかく賭けている” と彼は言う。彼の次の言葉は、ぼくの気持ちとびんびん共鳴する: “ほかの大企業が同じようなことをやり始めるのは、そんなに遠い先ではない“。最大のライバルは買収されていなくなったが、しかし今後の焦点はそのSimpleGeoだ。位置情報のスタートアップたちはみんな、買収の候補になるだろう。

さあ、張った張った。

[写真: flickr/Serge Melki]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

“2010年の主戦場は位置情報だ–大手による買収の嵐になるだろう” への5件のフィードバック

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