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Google Nexus One(ネクサス・ワン)ついに発表―TechCrunchが詳細レビューをお届けする

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いよいよ今日(米国時間1/5)からGoogleは携帯電話の販売を始めた。噂のスマートフォン、Nexus One(ネクサス・ワン)はすでに Google.com/phone から購入できるようになっている。リリース・イベントのライブ・ブログはこちらから。

実は私は12月中旬からメインの携帯としてTMobileでNexus Oneを使ってきた。これは現在ベストのAndroid携帯だ。最速でありもっともエレガントであり、多くの面ではっきりとiPhoneを上回っている。この分野の革新の速さを考えれば、遠からずもっと良い製品が現れることは間違いない。しかしただ今現在、ハイエンドのスマートフォンの購入を考えているなら、これこそまさにうってつけの製品だ。Nexus OneはAndroid携帯のトップ・オブ・ザ・ラインである。

それでは以下にフル・レビューを掲載する。

Nexus One: クリアな大画面

外観はなによりiPhoneによく似ている。先に発売されたMotorola Droidと違って物理的キーボードはない。そのためずっとスリムな製品に仕上がっている。厚さは11.5mm、iPhone 3GSの12.3mmよりわずかに薄い。重量も130gでiPhoneの135gよりわずかに軽い。購入セットには本体に加えて、取り外しできるバッテリー、4GBマイクロSDカード(32GBまで拡張可能)、USB充電器、マイクとイヤフォンのヘッドセットが含まれる。

Nexus Oneにはスクリーンとは別に本体下部に4個のボタンが並んでいる(戻る、メニュー、ホーム、検索)。またポインティング・デバイスとしてトラックボールがある。加えて電源・音量スイッチを備えている。しかしユーザーの操作は主として3.7インチ、480 x 800、静電容量方式のOLEDタッチスクリーンを通じて行われる。Nexus Oneのスクリーンは現在の携帯で最高のディスプレイだ。iPhoneの480×320の画面などは問題にならない。このスクリーンは明るく、反応が速く、使って楽しいことこの上ない。

CPUは1GHzのSnapdragonが使われている。このチップは非常に強力で、Nexus Oneの3Dグラフィックス、バックグラウンドでの複数アプリの実行、重いコンテンツの表示などを同時に行っても余裕で処理される。今までの他のAndroid携帯とは違い、ヘビーな使い方をしても処理が遅くなることはない。遅くなるのを防ぐためにアプリケーションを閉じる必要はごく少ない。

欠点は消費電力が大きいことだ。スクリーンは環境によって自動的に明るさを調節するし、アイドル状態の際にはCPUは低電力モードに入る。しかし私がテストしたところではバッテリーの持ちはiPhoneと比べても心もとないレベルだった。公式発表では、音声通話なら7時間、待受250時間、3Gインターネット接続5時間、ビデオ再生7時間、音声再生20時間、などとなっている。しかし私の非公式テストでは、ゲーム(Robo Defense)のプレイを続けて完全に充電したバッテリーを空にするのにわずか1.5時間しかかからなかった(スクリーンの明るさは最高にセット)。バッテリー充電器を常に手近に置いておくのを忘れないように。ただし何が電力を消費しているのか簡単に状況をモニタできる(たとえば現在ディスプレイが電力消費の71%を食っている)。ユーザーはこれを参考にバッテリー寿命を最大にする工夫ができる。

全体としてAndroidは優秀な携帯電話で、特にGoogle Voiceサービスと組み合わされたときに最大の威力を発揮する。GoogleはNexus Oneを「最初のスーパー携帯」と自賛したが、あながち誇張ではない。

価格と入手方法

Nexus Oneはすでに大量出荷の準備を完了しており、今日からGoogleのオンライン携帯ショップ、Google.com/phoneから購入できる。世界各地で利用できるアンロックのGSM版が$529ドルだ。

Googleはまたキャリヤの補助金つきのバージョンも用意している。こちらもアンロックだが、T-Mobileとの契約が付加されて価格は$179に引き下げられている。契約プランは、無料通話500分/SMS無制限/データ通信無制限で月$80というもの。T-Mobileの契約については解約料が$200かかる。というと、T-Mobile版を買ってすぐに解約すれば$379でキャリヤ契約なしのアンロック版が手に入ると考えたくなるかもしれないが、そういうことをさせないよう、Googleでは早期解約には正規価格との差額を申し受けるということのようだ。しかしT-Mobile版も携帯電話本体はアンロックされており、海外にでかけたときは現地のSIMカードを入れれば使える。

Googleはアンロック版をアメリカ、イギリス、香港、シンガポールに出荷するとしている。この春にGoogleはアメリカ向けはVerizon、ヨーロッパ向けはVodafoneとの契約つきでCDMA版を出荷する予定だ。

アメリカのユーザーはアンロック版でAT&Tも利用できる。ただし、AT&Tの3Gネットワークには対応していない。

ソフトウェアの主要な機能

Nexus OneはOSとして新しいAndroid 2.1を搭載している。これにはいくつか使い勝手を大きく改良する重要な機能が追加されている。

第一にGoogle Voiceの機能が完全に利用できるようになった。ユーザーはGoogle Voiceの電話番号をこの携帯にも割り当てることができる。Nexus Oneからの音声通話、SMSの発信元として相手方にはその番号が表示される。私の意見では、Google Voiceが自由に利用できるという点こそAndroid携帯の最大のメリットだ。これが私が当分Android以外のプラットフォームに乗り換えるつもりがない理由だ。

またGoogleの音声入力、Voice Keyboardは素晴らしい。これは最初、2009年に検索用の音声入力、Voice Searchとして始まったが現在の機能は当時とは比べ物にならない。今やすべてのテキスト入力フィールドで音声入力が可能だ。ほとんどのアプリケーションでマイクボタンを押して音声入力ができる。すると音声がテキストに変換される。私のテストでは、静かな環境での変換精度は90%ぐらいだった(走っている車の中のような雑音の多い環境では精度は70%くらいに下がる)。ただし、テキストモードに入ってエラーを訂正するのは簡単だ。この音声認識機能は圧倒的にNexus Oneの生産性を向上させている。

ライブ壁紙機能は純然たるアイキャンディー〔特に実用的な機能ではないが目を楽しませるもの〕 だが、よくできている。ユーザーはいくつかのオプションから選べる。オプションにはGrass(草の葉が青空や夜空を背景にゆっくり揺れる)、Magic Smoke(煙、雲、プラズマが派手な色彩
で動く。私のお気に入り)、Water (水面に指で触るとさざ波がたつ)、Polar Clock(極地方をかたどった背景で時間と日付が表示される)などがある。

新しい時計アプリは充電器をセットすると自動的に起動する。時間と日付だけでなく現地の天気も表示される。写真表示、音楽再生、目覚まし時計機能も簡単に呼び出せる。ベッドの横に充電器を用意すれば目覚まし時計などはいらない。

GoogleはまたSettings Backupというバックアップサービスを用意している。プロフィール、アプリ、着メロ、その他の設定をすべてクラウド上にバックアップするサービスだ。いったんこのサービスで設定をバックアップしておけば、新しいAndroid携帯に移行するのは単に設定を呼び出してインストールするだけでよいので全く簡単だ。私はバックアップを使わずにスクラッチで設定を始めてみたが、カレンダーやGMailの設定、連絡相手のインポート、重要なアプリのインストールなど含めて10分くらいしかかからなかった。

以上に加えて、アプリの3Dスクロール、CoolIrisのテクノロジーを利用した写真表示などGoogleは凝ったグラフィックス機能をいろいろ提供している。写真はあたかも奥行があるかのように積み重なっていく。本体を傾けると内蔵加速度計の働きで写真も連動して傾斜する。

ハードウェアの主要な機能

なんといっても480×800の静電容量OLEDタッチスクリーンが際立っている。Snapdragonチップと相まって、Nexus Oneは非常に強力な製品に仕上がった。しかしGoogleは他にも重要なハードウェア機能を用意している。

中でもノイズキャンセラーが特に役に立つ。Nexus Oneには裏側にもマイクが装備されており、周囲の雑音を取り込んで自動的に相殺する(長旅の飛行機でBoseのノイズキャンセラー・ヘッドフォンを使ったことがあれば様子がわかるだろう)。Nexus Oneのノイズキャンセラーも機械音や風の音を取り除くのに大きな効果があることが確認できた。私のテストではMotorola DroidやiPhoneと同一条件で比較して、受信者は明らかに音質が改善されたと認めた。他の携帯もこの機能はぜひ取り入れるべきだ。必須の機能だと思う。

ひとつ小さな欠点は、メインのマイクが本体下部左側にあることだ。通話の際に私が本体を左肩と首の間に挟むと音声が相手に聞こえなくなることがあるのに気づいた。これはデザインの欠陥だ。将来のバージョンでは改善してほしい。

搭載されているカメラはすばらしい。カメラは本体裏側のかなり大きな部分を占めている。たいていの携帯のカメラより大きいだろう。5Mピクセルでフラッシュつき。しかしスペック以上にいいカメラだ。マクロと低光量撮影では携帯中トップクラスだろう。右のサンプルはTechCrunchオフィスの会議室の写真だが、暗い室内をフラッシュなしで撮ったもの。

Nexus Oneには2種類の充電用ドックが用意されている。どちらも摩擦なしのタッチポイントで給電する。通常の充電器は上で紹介したように目覚まし時計アプリを起動する。自動車用の充電器はGoogleのキラーアプリであるカーナビ、Google Navigationを起動する。充電器を接続するだけでNexus Oneはインターネット・カーナビに変身する。

Google、ついに現在最高のスマートフォンを送り出す

Nexus Oneはスマートフォン市場にとって画期的な意味をもつ。Googleはソフトウェア企業として長年ハードウェア・メーカーとの妥協に苦しめられてきた。そこで今回はこの問題に正面から取り組んだ。HTCが本体を製造するのは確かだが、これはまぎれもなくGoogleブランドの製品だ。開発にあたってはGoogleはあらゆる細部にまでHTCに指示を与えたはずだ。Nexus OneにはGoogleのAndroidデバイスについてのビジョンが具現されている。巨大で美しい画面、強力なSnapdragonチップ、カーナビや動く壁紙、音声認識入力のような高機能でエレガントなUIのソフトウェア。これにGoogle Voiceが組み合わされるのだから、Nexus Oneに太刀打ちできる携帯電話は現在の市場には存在しない。

これまで市場に出たAndroid携帯とは違って(私はほとんどの製品を使ってみたことがある)、Nexus Oneには明らかな欠陥や妥協点はない。携帯電話の芸術作品といってよい。私は大満足だ。もっとよいものが出てくるまで、私は喜んでNexus Oneを使うつもりだ。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01