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[jp] レポート Startup Meeting vol.2 黒船上陸前夜〜日本から眺めるソーシャルアプリの未来〜

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IMGP4914日本のソーシャルマーケットはどこへ向かうのかー。Startup Meeting vol.2ではそのキーとなるアプリを中心に、いくつかの視点で各社の取り組みを語ってもらった。あいにくの天候にもかかわらず、会場は前回同様の満員御礼。後半のMeetupでは数多くの来場者がネットワーキングを楽しみ、次のビジネスを模索している姿が見られた。

キーノート1:GREEはリアルタイムウェブとプラットフォームに力を入れる -GREE 田中氏

「これからはモバイル中心になる。この流れの中でどういうサービスをつくるか。この仮説を元に作っていったサービスが現在のものだ。」GREEが形成された経緯をCEOの田中氏はこう語る。「日本に住む全員を対象にすることを考え、よりエンタテインメント志向でわかりやすいサービスを作ってきた。それがSNS+ソーシャルアプリとなった。我々のこの取り組みは2年、3年になる。」

海外のfacebookアプリなどの勢力については「ゲームを通じたコミュニケーションが面白いという要素は、自分達の解として取り組んできたもの。今、くしくもZyngaなどfacebookアプリの流れと同じになっているのは興味深いことだ。」と同社のオリジナリティを強調した。

つづいて同社の主力アプリを解説しつつ、開発の設計思想に話が及ぶと「単に収益を考えればすべて有料にした方がいいのだが、サービスの最大化を考えると無料アプリが必要。より多くの人が参加している方が楽しめる。」とスケールさせるための課金の線引きを解説。また、対象となるターゲットは「特定のセグメントを作らなければ受け入れられないアプリを作るのではなく、すべてに使ってもらえるものを作りたい。」そうだ。

GREEの利用状況はどうだろうか。「会員数は2009年の12月で1673万、日本のモバイルソーシャルメディアとしては最大級のポジションにあると思っている。」属性については「ゲームとモバイルで子供向けとよく誤解されるのだが、実は18歳未満よりも40代の以上の方が多い。30代以上だけで42%もいる。」と現状を説明。日本で大型メディアを作った場合、人工分布としてこの結果は必然なのだそうだ。

興味深いのはこれからのGREEだ。「我々がこれから力をいれるのはリアルタイム化とプラットフォーム化。」同社の取り組みをマッピングで解説しつつ「ウェブ上のプラットフォームでウェブを作るようになる。我々はプラットフォーマーでありながら独自のアプリも作る。こういった取り組みを通じてGREEのエコシステムを作り上げる。」と言及。「iPhone、Androidなどに対応することで世界への展開が容易になる。日本で作ったものが世界へ配信できないはずがない。」日本発、世界を代表するインターネット企業に成長させると締めくくった。

キーノート2:1つの事実と1つの仮説から導き出す、mixiアプリが「来る」理由 -mixi 川岸氏

続いてmixiアプリについて語ってくれたのはmixiの川岸氏。同プラットフォームを立ち上げたプロジェクトマネージャーだ。「mixiのサービスはすべて友人と使うためのもの。mixiアプリも同じ。」mixiというプラットフォーム上にあることの意味から話は始まる。「ユーザー数は1900万人位、ユーザー属性は首都圏、近畿圏で60%程度、年齢層は20代中心。」ページビューはmixiアプリが始まったところから急激に伸びているそうだ。

ここから話題は本題のmixiアプリへ。「2月段階でmixiアプリの数はPC、モバイル合わせて1000個ほど。1日数個ずつ増えている状況。利用動向については10月末に開始してPC、モバイル合わせて110億弱。上昇のトレンドは続いている。」注目のアクティブユーザーはmixiアプリ開始直後から一気に上昇、現在は1250万を超える。

では同社が考えるソーシャルアプリとは何だろうか。「ソーシャルアプリとは友人と使うコミュニケーションサービス。顔見知りだからこそ生まれる人間的な感情を共有し、アプリで体現されると面白い。」ヒットしているアプリにはこの”ソーシャル性”が必ず要素として入っているそうだ。いくつか成功の事例を紹介があったので、当日のムービーでそのヒントをチェックして欲しい。

最後に同氏は今後のソーシャルアプリの可能性について「海外のソーシャルアプリの規模は1,000億円とも云われている。それぞれのプレーヤーが大きな成功を収めている。」事実としてのfacebookを中心とする海外のプレーヤーの成功を紹介。また、新規マーケットの開拓について、任天堂やプレイフィッシュの例を引き出して「コミュニケーションが本質。友人の間で使うソーシャルアプリはゲーマーではない層を開拓する。この考えを信じる方々と一緒にこのマーケットを作っていきたい」と2つの視点から今後のソーシャルアプリのマーケットが「来る」ことを力説した。

キーノート3:コンテンツ流通が変化する今、投資と収益分配にも革命が起こるべき -ngi group 金子氏

「みなさんは今、変化の兆しを感じているのではないだろうか。」キーノートの最後はngiグループの金子氏だ。mixi、GREE、モバゲーを始めとする国内組のオープン化、Twitterやfacebookといった海外勢の攻勢、iPhone、AndroidからiPadまで、現在巻き起こるあらゆるプラットフォームの盛り上がりを例に挙げ、参加者へ時代の変化とビジネスチャンスの到来について問いかけた。

「これまでインターネットは何かをやるために個人ベースで使うものだった。しかしプラットフォームの出現によってもっと日常的に、かつシームレスにサービスを使うようになるのではないかと考えている。」そしてこの変化はユーザーのお金と時間の使い方の変化に繋がると同氏は語る。「当然ユーザーが変わればビジネスも変わる。」出版業界が電子出版を迎えた場合、マーケティングの4Pをどのように変化させるかという話題は興味深い。

「時代の変化を見越して様々なサービスに革新を起こしたい」という精神論には常に現実的な課題が立ちはだかる。「通常のアプリ開発は1ヶ月から3ヶ月はかかるのではないか。人月に換算すれば500万円程。例えばiPhoneアプリでシミュレーションした場合、会社に残す利益を50%と考えて、ストアに30%渡すことになるので、1本500円のアプリだと2.8万本、115円のアプリだと12.4万本販売が必要になる。」果たしてこれだけ売れるだろうか?リスクの前には開発資金の捻出も困難になる。

「今、私達が目の当たりにしているのはソフトウェアの流通革命だと考えている。それに対して投資と収益分配にも革命が起こってもいいのではないか。」その結果出来たプロジェクトがApplie(あっぷりぃ)ファンドだ。「Applieファンドはアプリケーションの開発資金を提供する取り組み。」プロジェクトファイナンスの形式を取っているので、返済義務はなく、貸し付けや株式投資などとも違う。

「Applieファンドの資金元は個人投資家。アプリケーション1つに付き、数十人、数百人の個人投資家を募って開発資金を集める。」最終的に発生した収益を開発者、投資家でシェアすることに。また「個人投資家の方々はアプリケーションのファンになってくれる。彼らがTwitterやブログなどでアプリを宣伝してくれる、ポジティブなスパイラルを生み出す活動を推進している」そうだ。実際のファンド化の事例はムービーでチェックして欲しい。

ライトニングトーク

今回も魅力的な4社がソーシャルアプリの披露をしてくれた。参加者による投票で最も多くの票を集めたのが株式会社イデアリスタのMYTRACKS。彼らのインタビューは後日本誌に掲載する。

株式会社gumiこの日、Twitter上のタイムラインを最も熱くさせたのがgumiがこの3月に公開をするという「グルメくじ」だ。ライトニングトークの壇上で同社代表の国光氏が「foursquaregowallaのパワーアップ版」と語るこのサービスはリクルート社との共同開発。自分が行った場所や食べたものを登録してポイントを貯められ、それに応じてプレゼントがもらえる仕組みを予定しているそうだ。

株式会社dangoソーシャルアプリの開発におけるフレームワーク「dango play」を提供しているのがdangoだ。彼らの提供するソリューションはワンソースを様々なプラットフォームへ展開する際にかかる労力を大幅にカットしてくれる。自社でもこの開発フレームワークを使ったアプリを提供している。

株式会社サイブリッジみんなの昆虫コレクション」はモバゲーのアプリで、今いる場所、例えば北海道にいれば、その土地にいる昆虫を採取できるジオ対応のゲームアプリだ。アイテム課金で、網などのアイテムを購入することで取りやすくなる。登壇した濱田副社長によると、「結構高い網をかっていく」そうだ。

イデアリスタ株式会社参加者の投票で最も得票したのがウェブ上でバーチャルセッションを可能にするMYTRACKSだ。詳細については後日単独の記事として掲載するので、そちらをご覧頂きたい。

Startup Meeting vol.2のキーノート・ビデオ

StartupMeetingvol2 001 from kigoyama; on Vimeo.

StartupMeetingvol2 002 from kigoyama; on Vimeo.

StartupMeetingvol2 003 from kigoyama; on Vimeo.