企業はFacebookを見習え: これからの生産性向上にはソーシャル&リアルタイムあるのみ

次の記事

イタリアでは悪質ビデオを削除してもYouTubeは有罪になる??

編集者注記: このゲスト記事を書いたMarc Benioffは、salesforce.comの会長でCEOだ。この記事で彼は、企業のソフトウェアがFacebookなどを参考にしてソーシャルになるべき理由を説明している。

私が1999年にOracleを辞めた理由は、ある単純な疑問にとりつかれていたからだ: “企業のソフトウェアが全部Amazon.comみたいになればいいじゃないか。それができないのはなぜだろう?” どんなアプリケーションでも、単純なWebサイトから使えればいいじゃないか。そうすれば、いちいちソフトをハードウェアにインストールする必要もない。高価なコンサルタントを雇う必要もない。コンピューティングをインターネットの上でやるようにすれば、面倒なデータセンターともおさらばできるじゃないか。つまり私は、企業というものを単純化したかった。それはかなり単純明快な考え方だったが、私が当時いた環境には、そんな単純明快なソリューションは存在しなかった。

そこで、そのビジョンを実現させるためにsalesforce.comを作った。しかし、消費者たちはすでに、Amazon.com、eBay、Yahooといった新しいサービスを使って、ものを買ったり売ったりコミュニケーションしたりしていたが、企業の意識は未成熟だった。拙著Behind the Cloudの中でもこんな話をしているが、10年前に支配的だった要素…新しい魅力的なサービス、はびこる懐疑主義、そして巨大な将来性…が弊社の今を作ったのだと痛感せざるをえない。ただし、今範型として仰ぐべきはAmazon.comではない。

2010年代に入ってから私は、別の単純な疑問にとりつかれるようになった: “企業のソフトウェアが全部Facebookみたいになればいいじゃないか。それができないのはなぜだろう?” われわれが企業の計算機利用に革新をもたらそうとしているとき、Facebookは消費者の計算機利用の定義をわれわれに先がけて革新し、ソーシャルと呼ばれる現象を燃え上がらせた。フィード、プロフィール、グループといった新しい強力な要素が、サービスの集客力を増強している。iPhoneのようなモバイルデバイス上の機能にも同じことが言える。すなわちサービスのステータスを“キラーアプリケーション”として確固たるものにしている。私の一日はFacebookで始まる。そこで私は友人たちや家族のその日の近況を知る。自分の社会生活における重要なイベントを見るのもFacebookの上だ。私が気にしていることや知りたいことはすべて、私のほうから何もしなくても、すべて勝手にやってくる。

では、こういったソーシャル革命が、企業にとって何を意味するのか? 今のところは、あまり大したものはない。現時点では、コラボレーションといえばLotus Notes やMicrosoft SharePoint的なものばかりだが、しかしそういうツールは時代の変化に対応できない。それらは、“ニュース(orニューズ)フィード”がまだないころに生まれたツールだ(というより、Notesが生まれたときMark Zuckerbergはまだ生まれていなかった!)。今日ではリアルタイムな情報というものが可能であり、それによってすべてが変わった。人びとの、情報の消費の仕方が変わり、人びとがお互いについて知る方法が変わり、そして人びとが時代の最先端を作り出し/取り入れるやり方も変わった。さらに、何にも増して、時間的な至近性をめぐるわれわれの期待が変わった〔応答の即時性/アジャイル性が普通/当然になってきた〕。

そしてこれからは、このような大きな変化をビジネスにも取り入れていかなければならない。ビジネス上の会話というものを、Facebookが消費者の会話を変えたように変える必要がある。市場の変化はリアルタイムで起きる、取引もリアルタイムで勝ち負けが決まる、そしてデータもリアルタイムで変わる。それなのに、企業を動かすために使われているソフトウェアは、まったくリアルタイムでない。もっと機敏で頭の良いツールが必要だ、そのためにはモバイルデバイスのような新しい技術を使いこなす必要がある。そして、インターネットという‘機会’をフル活用するのだ。

これからはリアルタイムなクラウドアプリケーションやプラットホーム、そしてインフラストラクチャが、コラボレーションの形をラジカルに変えていく。今ベータに入っているSalesforce Chatterは、FacebookやTwitterなどソーシャル世界のリーダーたちのいいとこ取りだ。だからそれを、たとえば、企業のコラボレーションに活用すれば、社員の生産性が上がり、会社の競争力が強化される。その実例はすでにいくつかある: たとえばエンタプライズデスクトップでは何もしなくてもチームの現状が手に取るように分かる。プロジェクトはどこまで進んでいるのか、どの取引が今クロージングに入っているのか、などなどの現況すなわちリアルタイムを、手に取るように一望できる。したがってソーシャルでリアルタイムなコラボレーションは、製品開発、顧客の開拓、コンテンツの製作などの過程を抜本的に変えて、それらすべてを従来に比べてはるかに容易にする。

今、全産業が大きな変化の瀬戸際に立たされている。それは10年に一度という大きな問いと、われわれの心底からの必要から生まれようとしている変化だ。そして今あるのは、問いだけではない、答えが目の前にある。その答えを手にするために私は、幸いにも、かつてOracleを辞めたときのように、今やっていること…Webサービス…を去る必要がない。

[原文へ]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))