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位置情報サービスの現状と対策、および今後の見通しについて

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今年のSXSWについてひどいと言っている人もいるようだが、個人的にはそうは思わなかった。混雑がひどいと言っている人もいるようだ。もちろんそういうところもあったが、どこか他に行けば済む話でもあった。炎上してしまったキーノートスピーチもあったかもしれない。しかし他にも耳を傾けるべき話はたくさんあった。AT&Tも今年は頑張ってネットワークダウンを起こさなかった。ただ個人的にはイベントの問題でなく、「チェックイン疲れ」といった状態になってしまった。

今年のSXSWにおいては位置情報が第二のTwitterになると思われていたし、また個人的にも位置情報サービスに関する記事をいろいろと書いてきた。SXSW開催中にはできるだけ多くの位置情報サービスを使ってみようと試みもした。実際にやってみると想像していたよりも遥かに労多いものとなってしまった。

最初のうちはSXSW開催地オースチンで、どこかに訪れるたびに携帯電話に入っているすべてのサービスを使ってチェックインしていた。入っているのはFoursquareGowallaLooptWhrrlBrightkiteBurbnMyTownCauseWorldHot PotatoPlancast、および飲食店についてはFoodspottingも利用した。

出かけたところすべてで上に記したサービスを利用したわけだが、これはちょっと続けることができなかった。

2日目になって、使うサービスを半分に減らしてみた。それでも毎回利用してもOKだと思えるまでには程遠かった。オースチン滞在期間が残り少なくなるにつれ、結局は利用サービスを2つに絞ることになった。2つとはもちろん激しい競争を繰り広げているfoursquareとGowallaだ。

今回オースチンでは、知っている人のほとんどがfoursquareとGowallaを使ってチェックインしていた。ただ、やはりほとんどみんなが同じことをするのに2つも使う必要はなかろうと考え始めている。結局のところ、一度ですべてを済ませてしまいたいと考えるものなのだ。

このような現状の中、何社かこの問題を解決しようとする動きを見せているのは驚に値しないだろう。たとえばBrightkiteはcheck.inというドメインを取得して新たな動きをみせている。あるパーティーで提供予定のサービスアプリケーションのプレビューを見せてくれたが、それはまさに私が欲しているものと言えそうだった(こちらの英文記事にデモビデオも掲載されている)。

また、LocationFuは、foursquare、Brightkite、Fire Eagle、およびTwitterで同時にチェックインできるウェブベースのアプリケーションを開発している。

ただこうしたソリューションがでてきても、それで万事解決というわけではない。たとえばGowallaのAPIは現在のところリードオンリーであり、サードパーティーアプリケーションからはチェックインすることができないのだ。CEOのJosh WilliamsとSXSW直前に話したところでは、これはGowallaが目指すユーザーエクスペリエンスの質を維持したいからというものだった(Apple風の物言いだ)。ただWilliamsも認めていたが、最終的にはAPIは双方向のものになるだろうとのことだ。時間をかけて最善の方法をまとめることができたら双方向版に着手する見込みのようだ。

また、チェックインサービスを行っている各社が、独自の位置データベースを所持していることも問題となる。つまり実際には同じ場所なのにも関わらず、foursquareにおける位置情報はGowallaにおけるものと多少異なる場合があるのだ。さらに、利用者が独自に施設情報を作成できることから、重複登録されているところがかなりの数に達している。Check.inでは登録情報を確認して適切な箇所にチェックインさせることでこの問題を解決しようともしている。ただそうした作業には時間がかかり、少々面倒なようにも思える。

サービス間で施設情報については共有化するというのがひとつの解決策となる。Activity Streamsグループは、そうしたコンセプトのもとで作業中だ。YahooもまたWOEIDシステムにて同様のコンセプトの実装を狙っている。もちろん、他社の標準に乗っかることになるサービスにとっては、少なくともビジネスモデルの一部を危険に晒すことになる。位置データベースはそれぞれのサービスの要を占めるものだからだ。

一方でFacebookは位置情報サービスの実装にあたってfoursquareとGowallaのデータを利用するとアナウンスしている。これは双方のサービスを利用するためのワンストップサービスとしての展開を狙っているのかもしれない(今のところはGowalla APIの一方向性が問題となっていることだろう)。ただここに参入の機会を伺っているTwitterがいることも忘れてはならない。

多くのスタートアップが位置情報サービスに馳せ参じているのは悪くない話だと思う(SXSWから戻ってきてからだけでも1ダース以上のメールを受け取った)。ただ、これが「ソーシャル」を巡る争いの二の舞にならないかと心配してはいる。つまりネットワークのあちこちに更新しなくてはならないプロフィールが15以上もあるような状態は、決して好ましいものではないのだ。

昨年のRealtime Crunchupの席でも、位置情報サービスのパネルを開催した。パネル参加者のいずれも(パネルに参加したのはTwitter、foursquare、Hot Potato、Google Latitude、GeoAPI、およびSimpleGeoだ)が位置情報サービスの発展のために協調していくというようなことを話しているようだった。当時、その話を聞いて怪しいと思ったものだが、今ではいっそうそれは怪しい話だと思っている。

ビジネスの点からみれば、すべての位置情報サービス提供業者が提携すれば、利用者は自分の好きなサービスを使えば良いことになり、これはウマイ話にならない。サービス提供者としては、自社のサービスを使ってもらい、他社のサービスを使わなくなるようなことこそが大事なのだ。ビジネスはそのようにして成り立ってきたし、だからこそ現在の状況はまるで戦時下のようであるというわけだ。現在は各プレイヤーが自らの武力を高めている時期と言える。近々戦争が始まるだろう。そしてこの場合、戦争の勃発もあながち悪いことだとは言えないのだ。

[photo: flickr/intagiblearts]

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(翻訳:Maeda, H)