[jp] 日本でFacebookがブレイクするために必須と思われる5つのポイント

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[jp] TechCrunch Japan 翻訳記事で振り返るTwitterの歴史- 2/5

先月、日本でFacebookの地位を獲得するのは、mixiかGREEかという記事を書いたが、その記事への反応として想像以上に多かったのは、日本でもFacebookがmixiやGREEを抜いてトップの地位を獲得するのでは?という反応だった。

現在のグローバルでのFacebookの勢いを考えれば、当然そういうシナリオも考えられるが、個人的にはmixiやGREE等の既存の国内SNSがよっぽど展開を失敗しなければ、そのシナリオは難しいのではないかと考えている。

グローバルで圧倒的首位を占めるサービスが、日本において意外に苦戦すると言うのは今に始まった話ではない。世界最大手のオークションサイトであるeBayも、2002年に日本から撤退した過去を持っているし、米国でダントツの検索シェアを誇るGoogleも日本ではヤフージャパンの後塵を排し続けている。

SNSの世界においても、ソフトバンクが出資して鳴り物入りで設立されたMyspace日本版が、現在のところも日本での認知向上に苦しんでいる印象が強い。

特にSNSにおいては、いわゆるネットワーク効果が他のサービスよりも更に強くはたらいてしまうため、すでに特定の世代でコミュニケーションインフラになっている国内のSNSを、これからFacebookがひっくり返すのは容易なことではない。

そういう意味では、個人的にはFacebookが日本語版を公開した2008年5月の段階で日本展開を本格化していれば、mixiアプリも始まっておらずGREEも現在ほどの勢いはなかったため、キャッチアップのシナリオが描きやすかったのではないかというのが、率直な印象だ。

ただ、そうは言っても、Facebookが日本でも外資系企業や、留学経験のあるビジネスマンを中心に徐々に認知度を上げているというのも事実。利用者も100万人を超えてきているということだから、すぐにトップ3に追いつくのは難しくても、独自のコミュニティを抑えることができる可能性は十分にある。

そういう意味で、日本でFacebookが一定の成功をおさめるためのポイントを考えてみるのは、思考実験としても面白そうだ。ぱっと思いつくところでは、下記のようなポイントが考えられる。

■日本の携帯電話環境への対応

これはすでに日経BPの記事でも取り組んでいることが書かれているが、当然日本独自の携帯電話向け環境の構築は必須だろう。一応現在でも使えないことはないが、やはり国内のSNSに比べると使い勝手が一段劣る印象が強い。すでに日本においてSNSの主戦場はモバイルにシフトしており、Twitterの日本普及においても日本の携帯電話向けプラットフォームだったモバツイが大きな役割を果たしたのは周知の事実。

本気で日本市場攻略を目指すのであれば、日本の携帯電話環境への対応は不可欠だ。特にFacebookアプリのほとんどが日本の携帯電話に対応していないだろうという点は、膨大なアプリを保有するFacebookの強みが消されてしまうと言う点で、今後の課題になるだろう。

■日本のスマートフォン利用者への最適化

ただ、日本の携帯電話環境での競争が激化していることを考えると、個人的にFacebookにとって逆張りの選択として重要だと考えているのが、スマートフォンへの対応強化だ。日本のSNSはスマートフォンへの対応がまだ不十分になっている印象が強い。

一方で、Twitterのブレイクと並行して見られるように日本でもスマートフォンユーザーは着実に増加してきており、あえて日本のスマートフォンユーザーがTwitterと並行して利用するのに最適なSNSというポジションを確保するのは、意外に良い選択肢なのではないかと考えられる。(もちろん、日本のスマートフォン普及が進まないと逆にリスクになってしまうが)

■ビジネスユーザーに特化した機能の強調

Facebookというと何といっても大学生専用コミュニティから始まったこともあり、学生向けという印象が強いが、日本では学生向けのSNSはmixiやモバゲーなどライバルが非常に多い。逆に日本のSNSはどれも若者向けやゲームコミュニティの印象が強いことから、あえてFacebookが日本においてはLinkedIn的なビジネスに直結するSNSというポジションを取る、というのはどうだろうか。

個人的にも、AdTech Tokyoの主催をしている武富さんが、AdTechのプレイベントの告知をFacebook限定で行っていたのが印象的だった。類似のFacebookを中心に活動するビジネス系のイベントやコミュニティが増えれば、日本のオピニオンリーダーを国内SNSからFacebookにスライドさせることが可能かもしれない。(当然、そのためにはある程度の機能追加や、アレンジが必須になるが。)

■英語に対する恐怖を呼び起こさないための対策実施

これはちょっと極端に書きすぎかもしれないが、日本の多くの利用者がまだまだ英語によるサービスに対しては強い抵抗感を持っている。特にFacebookでは海外からのフレンド登録依頼が比較的多く届く印象があるが、おそらく海外指向の無い利用者からは、スパムメールにしか見えず印象が悪い。日本語強制限定モードを用意して、日本語以外でのコンタクトをブロックするなどの仕組みが必要かもしれない。

また、現時点でもフッター部の「Facebookについて」を選択すると、Facebook本家による英語のファンページが表示されるのは、おそらく日本のFacebook初心者にとっては敷居が高い。こういった細かいところを修正していかないと、他社を押しのけて一般的な日本人に広がるサービスになるのは難しい印象が強い。

■本国での成功体験を一旦忘れる

精神論過ぎて、ちょっと話がずれてしまうかもしれないが、外資系企業の日本法人において、最も担当者が苦しむのが本国の担当者からの圧力だ。特に本国で圧倒的な地位を築いていれば築いているほど、本国の担当者には日本で苦戦している理由が理解できない。本国の担当者からすると変化球や回り道に見えるであろうアプローチを取ることができるかどうかは、日本の事業環境を理解してもらい、米国での成功体験を忘れてもらうことが出来るかにかかっているだろう。

個人的には、もっとも重要なのは最後の5番目で、それを元に日本独自のシナリオを描けるかというのが、Facebookの日本展開には最も重要なのではないかという印象もあるが、皆さんはいかがお考えだろうか?

(徳力基彦 ブログ/Twitter

“[jp] 日本でFacebookがブレイクするために必須と思われる5つのポイント” への28件のフィードバック

  1. takka より:

    初期から使い始めていると、「友達」に英語圏の人間も多いので、日本語での書き込みがしづらい、というのがあります。

  2. Sean Osawa より:

    最後の5番目ですが、たしかに本国の担当者が、日本で苦戦している理由が理解できず、本国での成功体験を押し通そうとして失敗するケースが多いと思います。
    一方で、日本の事業環境が特殊なことは割と有名(少なくとも私の周りでは)なので、「変化球や回り道に見えるであろうアプローチが必要なことまでは理解する、だけれども、それにかかるコストが期待されるリターンに見合わないので踏み込まない」というケースも多いと思います。その場合は精神論ではないですね。
    Facebookがすでにやっているように、翻訳をクラウドソース化するなどコストを抑えつつ、どういった日本向けの施策にどれだけ投資をするかの判断が重要になると思います。
    投資対象として、3番目の「ビジネスユーザーに特化した機能の強調」はいいかもしれません。日本ではプライベートと仕事のアカウントや携帯電話を分ける傾向がとても強いので、逆に言うとMixiがビジネスユーザーに多く使われるようになるのは難しいかもしれないからです。

  3. […] そして、TechCrunchの記事に日本でFacebookがブレイクするために必須と思われる5つのポイントが,気になった。確かにFacebookのセキュリティに英語が多用されるので、日本人には扱いにくいのだろう?しかし、私は、ソーシャルメディアのガラパゴス化も望まない! […]

  4. White Board より:

    日本でFacebookがブレイクするために必須と思われる5つのポイントの考察…

    TechCrunchJAPANに表題の記事が掲載されていました。 最近、海外ではアクセス数がGoogleを抜いて第一位になったというFacebookですが、ここ日本ではmixiやGREEが圧倒的地位を築いています。……

  5. fukutopika より:

    ブレイクする、トップになる、成功する、しない、という見方が多いが、僕はあいこ、最大で国内SNSのUU数と同じくらい、と思います。SNS使う人なら併用して使うようになるのでは?
    少なくとも安易に登録数で比較しないで欲しい。

  6. Namekawa より:

    いつも面白い記事ありがとうございます。もろもろ同感です。特に「本国での成功体験を一旦忘れる」のあたり。「全世界ひとり勝ち」状態のザカーバーグにこれは至難かも。

  7. […] [jp] 日本でFacebookがブレイクするために必須と思われる5つのポイント 英語アプリに拒否反応を示す人って多いからなぁ。 […]

  8. komure より:

    文化が異なるので、すぐに結果を出すのは、そもそも無理だと思います。日本人の多くがが海外に目を向けるようになる状況が来たら、ヒットする。これが一番でかい。
    つまり、基本、環境変数にかけるギャンブルです。
    環境変数に影響を与える力がfacebookにはあるかもしれませんけどね。

    日本法人が短期的にできることは、twitterユーザーとスマートフォンユーザーを引き込むことくらいだと思います。
    あとは、時が来るまで、地道にできることはやるくらいで、いいんじゃないかと思いますけどね。

  9. […] [jp] 日本でFacebookがブレイクするために必須と思われる5つのポイント. […]

  10. mao14 より:

    ガラパゴスは隔離してこそ価値がある?

    facebookがアニメオタクをターゲットにすると絶対ブレイクすると思うのだが。

  11. andvert より:

    FacebookがIPOして、その後mixiかGREEを買収、という筋書きはいかがでしょうか。
    日本でのユーザー集めるならそれの方が早いんじゃないかと思ったりします。

  12. 木之下 より:

    同感です。
    今、ご紹介いただいた5つの問題点の解消は是非とも必要だと私も思います。

    私もFacebookとmixiの併用利用者ですが、国内にいる仲間を誘っても、英語の説明画面が出てくるところからして、すでに挫折してしまう人が多いようで、私としては、もっと広がりを楽しめるものであるはずなのにと、少し残念です。

    これからの時代には、FacebookのようなSNSがビジネス系のイベントなどをアピールしてくれる方が国内SNSより面白味がありますし、期待もしています。

    また、これは逆からの視点、つまり海外の20年~30年在住の日本人の人々が国内中心SNSに対して抱く不満は次のようなものであった経験があります。

    例えばオーストラリア在住の人が国内SNSにアクセスしようとすると全く入れなかっために撤退したケース。

    あるいは、もっと早い時期の海外在住の日本人撤退者になると、mixiが日記などの著作権を主張した頃から撤退する行動が見られました。

    今後、国内SNSを必要とする人と海外SNSを必要とする層の住み分けが上手くいくと、均衡が保たれる時期が来て、それから後には、世界的に圧倒的に多いシェアを誇るNSNへの移行がなされていくように思います。まだ多少の時間が必要かとはおもいますけれども。

  13. […] [jp] 日本でFacebookがブレイクするために必須と思われる5つのポイント 日本の多くの利用者がまだまだ英語によるサービスに対しては強い抵抗感を持っている。 […]

  14. abc より:

    真面目に言いますが、日本で認知されるためには「萌え」と適切なWEB広告が必要だと思います。
    あんな男っぽいビジネス臭のするデザインのサイトで楽しいWEB体験ができるとはなかなか想像できません。

  15. mieko より:

    一応Facebook利用者ですが、何故他の国であれほど人気があるのか疑問です。写真を取り込もうとすると直ぐにエラーが出るし、SNSとしての完成度がイマイチ。とても日本でナンバーワンになれるとは思いません。

  16. kanako より:

    Facebookはミクシイなどに比べるとまともに記事を書いている人ってほとんどいませんよね。
    毎日何か書きこんでいると外国人の友達にヒマだと思われてしまいました。

  17. soheythere より:

    Facebook利用者です。

    日本と海外ではSNSの利用方法や認識が異なり、facebookの考えをそのまま日本に持ち込んだだけでは成功しません。逆に、国内発のmixiもそのまま海外展開してもうまくいかないと思います。

    携帯・モバイル対応など技術的な改善も必要ですが、一番のネックは認知度ではないでしょうか。
    例えばGREEはCMを流していて、利用者でなくても「お、グリーじゃん」と分かってもらえています。本屋に行けばmixi関連の書籍が見つかります。

  18. someone より:

    宣伝が圧倒的に足りない。日本ではまだ「フェースブックって何?」の段階。雑誌やテレビCM等ネット以外でもどんどん宣伝をするべき。

  19. attrip より:

    英語に対する恐怖を呼び起こさないための対策実施
    が今回のFBブームのキッカケになったかな。

  20. attrip より:

    英語に対する恐怖を呼び起こさないための対策実施
    が今回のFBブームのキッカケになったかな。

  21. Himajin より:

    今日もmixiに取り入れられたばかりのメアド検索機能がユーザーの大反対で撤回されたニュースが出てたけど、海外のSNSが日本で受け入れられにくい理由の一つには、実名登録+メアド検索機能があるような気がする。もちろん友人以外にはプロフィールなんかを公開しない設定には出来るんだけど、何も見られない訳じゃないしね。

  22. 彩恩情 より:

    皆もFacebookしたらいいのに^0^

  23. 実名登録して、当たり障りのない毒にも薬にもならない世間話を、実生活以外でもやる羽目になるのは勘弁。コミュの絶対量が不足してる主婦層とか、公人の宣伝ツールには良いんでないの??

  24. 実名登録して、当たり障りのない毒にも薬にもならない世間話を、実生活以外でもやる羽目になるのは勘弁。コミュの絶対量が不足してる主婦層とか、公人の宣伝ツールには良いんでないの??

  25. Siroebi91 より:

    英語は怖い
    二言か三言で頼む

  26. ITWizard より:

    もともとフェイスブックがはやった理由はハーバードなど一流大学のネットワークだったから。一般公開の前に東大などの一流大学限定で広めてれば今頃ミクシィーを抜いていたのではないでしょうか。(今から日本限定で一流企業や大学のメールアカウントなしでは登録できなくしたら面白い)

    日本人は実名登録をしないからFBはダメだと言う人もいるみたいですが、米国でもゲームサイトなどではみな実名登録なんてしません。フェースブックで実名登録が成り立ったのは一流大学限定の安心感からです。さらに現在は実名&写真公開せずにアカウントもてます。このことに多くの日本人もいつかきずくでしょう。

    フェースブックは日本でも爆発すると思います。以下が理由です。

    1. 日本人は流行に弱い。今後日本に入ってくる外国人は倍増する。(日本の人口が減っているため倍増しないと国がつぶれる。)外国人はFBを使っている。

    2.流行を作るマーケットリーダーがすでにフェースブックに登録している。現在FB日本人会員は外資系社員、バイリンガル、海外と取引するビジネスマンなど=かっこいいお金を持っている人。

    3.スマートフォンゲームからの誘導。スマートフォンゲームメーカーは英語圏が強い。アイフォンの日本市場を見ても英語ゲームが強い。これらのゲームはFB対応している。ミクシィー対応はされてないし今後もしない。
    日本のメーカーも海外市場を狙っている。FB対応はするが、ミクシィー対応はしない。

    具体例:Berzerk Ball NTTレゾナント社
    http://itunes.apple.com/jp/app/berzerk-ball/id406919685?mt=8
    (一部のアイテムを獲得するためにFBにゲームの記録をアップしないといけない.)

    4.アプリが充実。世界中の開発者がFB向けアプリを作っている。Mixiアプリの開発者は少ない。Mixiアプリでは儲からないため今後も増えない。

  27. Yuichi Inoue より:

    基本をビジネスにおく方向性が正解とぼくも思います。ただし、本来活用すべき中小企業の30歳代の人たちに、時間的余裕が作れるか、上司がそれを認めるか、相当の時間を要するはずです。また自由度の高さがかえって参加の難しさになりかねないとも感じいます。
    この最後の点は杞憂であれば良いのですがね・・・。
    http://contentsclubnippomac.biz

  28. 大山チャーリー より:

    さきほど弱震ありました。

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