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次世代iPhoneリークの舞台裏

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もう聞いたことがあるならぼくを止めてくれ。男がバーに入った。いや、男がiPhoneを持ってバーに入った。いや、男が現行iPhoneに偽装した次世代iPhoneを持ってバーに入った。いや、男が現行iPhoneに偽装した次世代iPhoneを持ってバーに入りそこに置いていった。いや、聞いたことがないぞこんな話は。

そう、iPhoneの次世代機種(噂される有力な呼び名は「iPhone 4G」または「iPhone HD」)が露見したらしい。そこで明らかにされたスペックも魅力的(高解像度画面、前面カメラ、大型バッテリー等)だが、この漏出デバイスの背後にあるストーリーはさらに興味深い。

The Pictures/写真

週末、このデバイスの写真をEngadgetが掲載 し、それはサンノゼの飲み屋(!)の床で誰かが撮ったものであると説明されていた。写真はやや不鮮明でデバイスが動作しているところは写っていなかったので、当然疑う向きも多かった。実際Engadgetの記事が出た直後、 MacRumorsをはじめとする多くのサイトが、この画像の正体はアジア製の安物iPhoneクローンだと報じた。

Engadgetは続いてこのデバイスが本物であることを証明するべく別の記事を掲載した(同じデバイスがiPadの初期のリーク写真にも写っていたことが書かれていた)。そこでDaring FireballのJohn Gruberは、彼の情報源の何人かと話した結果、デバイスは確かに本物であるという結論に達した(ただしプロトタイプか実機かはわからなかった)。MacRumorsは後に、これがアジア製クローンであるというストーリー自体がニセ情報であったことを報じた。

いよいよ面白くなってくる。

The Hands-On/使用体験

Engadgetの最初の記事では、写真の持ち主から金額は不明だが金を払えばデバイスを触らせるという提案があったと書かれていた。理由は不明ながら(たぶんライバルに漏れないため)Engadgetは記事のこの部分をすぐに削除した。しかし意味はなかった。なぜならライバルのガジェットブログであるGizmodoがこの機会に飛び付き、金を払ってデバイスを手にしたのだから。しかも、時間貸しではなく現物そのものを買い取ったのである。

何日間かいじった後、今日(米国時間4/19)午前、Gizmodoがフルレビューを掲載し、そこにはデバイスの写真とビデオもあった。レビューを見るとデバイスの内部も含まれていることから、これは確かに本物のようだ。

The Skepticism/懐疑

それでもなお、このハードウェアは偽者だと主張する人たちがいる(彼らは、iPhone 3Gの内部を取り出してアジア製クローンの筺体に詰め込んだものだと信じているようだ ―― どう考えても全くありそうにない話で、ばかばかしい)。

これをAppleによる意図的リークであると示唆する人たちもいる。これまた全くありそうにない。Appleが時折り情報をリークしているらしいという話はあるが ―― 特にWall Street Journalに ―― ハードウェアでやったことはない。ナイン・インチ・ネイルズの新曲をUSBメモリーに入れて、ライブ会場のトイレに置いてリークさせるような真似は、Appleのやり方ではない。彼らはもっと巧妙で、ジャーナリストたち自身に(時には誤った)結論を導かせるのである。

The Legality/違法性

他にもまだ奇妙な点がある。第一に、これが本物であるとすれば、あの超秘密主義Appleの歴史上最大のリークであることは間違いない。いや、あらゆる企業における注目ハードウェアのリークとしても最大だろう。Appleの法務部門から以上の怒りを買うものはないだろう。しかし、もしGizmod(あるいは親会社のGawker)が削除要請を受けているのだとしても、未だに明らかにされていない。

考えられること、いや可能性が高いとも言えるのは、Appleがこれに対して、同社が時々発行する単なる削除要請よりも重大な行動に出る必要があると認識していることだ。今日Gruberが彼の情報源に基づいて指摘しているところによると、Appleはこのデバイスを紛失ではなく盗難にあったものであると考えているという。

The Money/金

Gawkerが実際に金を払ってデバイスを入手したことから、金の問題が絡んできている。

もう一つ興味深いのが、Engadgetの記者(で元弁護士)Nilay Patelのツイートだ、「興味深い事実がある。カリフォルニア州では紛失物の発見者は警察に届け出て正規の持ち主に返還する義務がある」 これがEngadgetが写真を掲載した後デバイスを買い取らなかった理由であるかどうかはわからない。

デバイスに支払われた金額は明らかにされていないが、1万ドルという数字が出回っている($5000プラス交通費と言う声もある)。ご想像のとおり今日のGizmodoのトラフィックは膨大で、すでに300万回以上のアクセスがあった。これに1万ドルの価値があるかどうか(収益ベースで)試算した人がいる。しかし、GawkerのErin Pettigrewはこう指摘する、「広告の需要に供給を一致させられるのは、埋め草広告を扱う場合だけ。われわれは扱っていないので、特ダネのピークで収益が増えることはない。」

The Power/電源

そして大きな問題はGizmodoがデバイスを入手しながら電源を入れることができていない点だ。iPhoneをリモート消去できるのは確かだが、それでデバイスが完全に死ぬわけではなくデータが削除されるだけだ。しかし、おそらくAppleはこのプロタイプ機に特別な抹殺機能を内蔵させていたのだろう。まさしくこういう事態に備えて。「iTunesに接続してください」という画面は表示されるが(Gizmodoはこれで高解像度画面を確認できた)、ただそれだけだ。

The Pledge/確認

そして何よりも、いったいなぜAppleは誰かにこのデバイスを持ってビルディングの外に行かせたのだろうか。Appleは、新しいデバイスを使うために従業員を部屋に閉じ込める(複数のセキュリティードアを通らせる)ことで知られている。時にはデバイスを暗幕の陰で作業させることもあるという。当然のことながら、こういう部屋の中の人たちは常時監視されている。

The Turn/展開

つまり、これを持ってAppleの外に出られる人がいるとすれば、それは上級幹部しか考えられない。それでもなお、いったいどうして飲み屋になど持っていったのか(子供が自宅からかすめていったのかも)。たしかに、Apple従業員が初代iPhoneを発売前に持っているところを目撃されたことはあるが、それはSteve Jobsが1カ月前に発表した後のことだった。これは、全く違う話だ。

The Prestige/偉業

一方では、このデバイスが1 Infinite Loop[訳注:Appleキャンパスの住所] の外に出る目的で作られていたことを、ほぼ信じざるを得ない ―― だからiPhone 3Gに偽装されていたのだ。Appleはこのデバイスの何台かを、偽装した上で信頼できる従業員に渡して実世界環境でのテストをしていた可能性がある。これに新しい裏面カバー(ガラス、セラミック?)となれば、発売前に電波の送受信性能を知りたいはずだ。

そう、バーの中でもだ(最初の「多くのバーで多くのバー(アンテナが立つ)」というジョークはぼくに言わせてくれ)。

アップデートGizmodoからこのデバイスを落としたApple従業員が明かされた。iPhoneのベースバンドソフトウェアの仕事をしているソフトウェアエンジニアのようで、3月18日にレッドウッドシティーの飲み屋に置き忘れたとされている。それだけ古いデバイスだということで、以前のTwitPicでのリークとも辻妻が合うし、このデバイスが初期プロトタイプで、今後変更される可能性も高いことという意味でもある。

前代未聞

概して、すばらしいテクノロジー物語にすばらしい裏話がある ―― もちろんこれも該当する。われわれが本物のiPhone HD(画面解像度からこの名前を採用する)がお披露目されるであろう時までまだ2ヵ月ありながら、今すでにそれを見たらしいのである。Appleが、この種のことが起きないために費しきた努力を考えると、これは前代未聞の出来事である。

そして、Appleがこのリークに関して激怒を通り越しているのは間違いないが、Appleファンたちの未来を超エキサイトさせていることも間違いない。最高のAndroid機と言われるDroid Incredibleの発売が間近であるにもかかわらず、誰もがこのiPhoneのことを話している。いつものように。

もちろんこれは、Steve Jobsが6月にステージに立った時には「one more thing」の瞬間が必須になることを意味している。そうでなければ、知っていることばかりのプレゼンテーションに退屈してしまうかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

“次世代iPhoneリークの舞台裏” への9件のフィードバック

  1. […] 次世代iPhoneリークの舞台裏(TechCrunch) […]

  2. zubizuba-Pooi より:

    てっことは ストラップを付けないと落とすよ紛失してしまうことを知らせているだねぇ GPS機能で判るんでないのぉどぉ

  3. […] 次世代iPhoneリークの舞台裏 […]

  4. attrip より:

    まぁどうせわざと落としてこうやって口コミをひろげているんですね。わかります。

  5. attrip より:

    セキュリティの強さを証明する為の口コミを広める為の実験か?

  6. […] ■次世代iPhoneリークの舞台裏 […]

  7. […] 先週、Gizmodoは次世代iPhoneのプロトタイプを入手、大スクープをものにした。記事の公開と同時に、Gizmodoの行為は合法的だろうかという議論が起きた (Gizmodoは問題のプロトタイプの購入のために$5000を支払ったことを認めている)。Gizmodoはさきほど記事を公開し、カリフォルニア州のコンピュータ犯罪緊急捜査合同チーム(Rapid Enforcement Allied Computer Team)が捜索令状を示してJason Chen編集長の自宅に入り、コンピュータ4台とサーバ2台を押収したことを発表した。 […]

  8. […] 今テク業界最大の話題は、Gizmodoの盗まれたiPhone事件である(注:「盗まれた」という表現は説明を簡単にするために使っているだけで法的な意味ではない)。一人のApple従業員がiPhoneプロトタイプを持って飲み屋に入り、そこに置き忘れてきた。誰かがそれを拾い$5000でGizmodoに売った。Gizmodoは特大スクープをモノにしたが、現在刑事事件で捜査を受け、民事訴訟の可能性もある。前半部分についてはJohn Gruberが良いまとめを書いている。結末がどうなるかはこれからだが、警察はGizmodo編集者の自宅を家宅捜索して機材を押収した。 […]

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