[jp] レポート:Startup Meeting vol.4 iPad登場で何が変わるのか?

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iPad、iPad、iPad! 4/12に開催されたStartup Meeting vol.4はiPadをいち早く手にしたい読者のみなさんで一杯になった。実に10枚以上(iPadの数え方は会場のみなさん一致して「枚」だった)のiPadに囲まれ、ある人はキータッチを、ある人はゲームを、ある人はムービーを確かめ、懐疑的だった考えをあらためる人も多かった。

キーノート1:重要なのは何ができるかではなく、どうやってできるか。iPadの体験を語る。林 信行氏

この革新的なデバイスについて、すばらしい解説をしてくれたのが林 信行氏( @nobi )だ。「2007年1月、MacWorld Expoでスティーブジョブズが『時折、革新的な製品が登場して、すべての様相を一変させてしまう』と表現してiPhoneを発表した。日本で発表された時は絵文字が使えないとかワンセグがないとか日本で売れるわけがないと言ってる人も多かった。実は自分もiPhoneが売れるかどうかは確信が持てなかった」とiPadの「弟分」と表現したiPhoneが発売された当時を振り返る。

しかしふたを開けてみるとiPhoneは調査会社のGFK Japanの顧客満足度調査(2009年)でNo.1、世界の出荷台数も5000万台、iPodTouchと合わせると8500万台に成長。アプリストアによる快進撃は1回目のStartup Meetingでも解説した通り。「iPhoneはソフトウェア産業だけでなく、メディア産業も融合しているということが起きている」とこのデバイスがもたらした「変革」についておさらいした。

話は本題のiPadへ。このデバイスを語る上で大切なのは「体験」だ。「残念ながらiPadをスペックシートだけ見て、所詮大きなiPodTouchと考える人がいる」と林氏はこの問いに正面から答える。「画面が大きくなれば当然体験が変わってくる。映画もiPhoneで見るのと全然迫力が違う。文字を入力する際も横向きにするとほぼノートパソコンと変わらないサイズのキーボードが出てくる」

この大きさによる体験の変化は、この日会場でiPadを手にした参加者のみなさんなら納得がいくのではないだろうか。

「iPadで重要なのはなにができるかではなく、どうやってできるか。何ができる、ということであればすでにiPhoneでできる。しかし体験がiPhoneとiPadでは随分違ってくる。奇麗な写真をみているだけでもすごいアプリケーションを使っているように感じる。iPhoneではできない体験だ」

この後につづくiPadのアプリ紹介で、画面サイズの変化がもたらす体験の違いを解説してくれた。

大きさの次はスピードだ。「実際にアプリケーションを触ってみると圧倒的に速い。これは恐らくA4というプロセッサのおかげだ」と林氏は言う。従来iPhoneでひっかかりを感じていたアプリケーションもさくさく動作する。この快適さも体験の向上に大きく寄与しているとした。

林氏によればiPadの出荷台数は最初の1日で30万台、最初の1週間で45万台だという。結果、米国外での販売は当初の予定からずれ込むような結果になってしまったのはご存知の通り。この新しく現れたマーケットへチャレンジする開発者達については「iPadの最初に出てきているアプリは本当に粒ぞろい。すばらしい体験を作っている。そのアプリを超えるものを出して欲しい」とエールを送った。

iPadという新たな可能性を40分という短い時間でコンパクトに解説してくれたキーノートはこちらにある。もっともお勧めしたいのはなにより実際に触ってみることだが、それがかなうまではぜひこちらをご覧頂きたい。

キーノート2:単なるPDF配信ではなくデバイスの特性を生かした電子出版を。ー小室氏

iPadやiPhoneによって変化する電子出版について、事例を交えて解説してくれたのは食べレコを展開する株式会社ハンズエイドの小室 健氏だ。「電子出版は沢山あるので弊社なりに分類してみた。横軸が単体としての販売方法かプラットフォームとしての販売か。縦軸が誌面を生かした配信方法か電子化を生かした配信か」と小室氏。この分類で上半分の分類がこれから伸びると考えているそうだ。

「例えば大辞林。インデックスによる検索であったりデジタルだからこそできる履歴など、デジタル化を生かした配信と考えている」

その他にもセブンシーズの提供する『東京下町散歩』もTwitter連携やGPS活用でこの分類に入る事例とした。また、iPadに対応した書籍については「POPULAR SCIENCEが出しているiPadアプリがもっとも工夫されていると思う。目次の処理や商品の動画などよくまとまっているアプリ」と紹介してくれた。

iPadやiPhoneを活用した電子出版の展望については「コンテンツとデバイスの特性を生かすことがなにより重要。モバイル端末とタブレットではユーザーの利用シチュエーションが変わってくる。それにあわせて電子化のメリットを付加したものが主流になるのではと考えている」と言及。

食べレコの事例を紹介しながら、誌面をそのままPDFにして配信するのではなく、記事とマップを連動するなど、iPadの一覧性などをうまく活用して、ユーザーにとって便利な体験を提供することが何より重要であると解説してくれた。食べレコのiPad対応は秋頃を予定しているそうだ。彼のキーノートはこちらにある。

ライトニングトーク

今回のライトニングトークで最も票を集めたのはQlippyを提案してくれた株式会社 SpinningWorksの白形氏と、アクセス解析付ブックビューワを提案してくれた株式会社FEYNMANの川端氏。なんと同点優勝という結果だ。このお二方については後日取材して記事を掲載させて頂く。

株式会社 SpinningWorks:電子書籍をソーシャルに! ソーシャルリーディングサービス Qlippy

KLab 株式会社:コミックビューア(仮)

株式会社オンブック+ラング:「書籍」の次の電子本の可能性(iPad用電子書籍アプリの紹介)

株式会社FEYNMAN:アクセス解析付ブックビューワ(仮)