Facebookのプライバシー問題で上院議員たちが方針の変更を要請

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先週Facebookは、重要な新製品をいくつか立ち上げた。とりわけ重要なのは、ソーシャルプラグイン、そしてその一環としての、Web上のコンテンツのためのLikeボタンOpen Graph APIだ。また、深刻なプライバシー問題を抱えていると思われる”インスタントパーソナライゼーション”も立ち上げた。これはユーザがある特定のサイトを訪ねたら、そのユーザが何もしなくても、その人のデータがそのサイトに自動的に手渡されるという機能だ。ぼくも前に、これの危険性については長い記事を書いたことがある。そして今回は、合衆国の民主党の上院議員たち…Charles Schumer、Michael Bennet、Mark Begich、Al Franken…が、Facebookに対し、やり方を変えるよう求めている。

今朝(米国時間4/27)上院議員たちは、Mark Zuckerberg宛てに書簡を送り、問題を詳述している(彼らは別途FCCにも要望書を送ってソーシャルネットワークをめぐるルールの確立を求めている)。議員たちの主な懸念は3つあり、そのそれぞれを、ぼくのコメント付きで以下に紹介しよう:

1. データの公開 Facebookは、公開され一般に入手可能なデータに、ユーザの住所、出身地、職業、好み(likes)、インタレスト、友人などのデータも含めているが、一部のユーザは、このようなプロフィール情報の共有化にはオプトイン(opt-in)オプションが必要であると懸念している。Facebookは“つながり(connections)”という言葉を多用することによって、以前は非公開であったプロフィールの特定部分を公開する義務を、ユーザに負わせている。ユーザが現在の住所や大学のほかのユーザたちにページを見られたくないと思ったら、プロフィールからその情報を完全に消すことはできる。プロフィールの”Bio”の部分に個人情報を収め、その情報を非公開にできることは良いが、このようなきわめて個人的でしかも使われる機会の多いデータに対しては、ユーザがもっと強力なコントロールを持つべきである。個人情報は、ユーザがコミュニティとの共有を決意しないかぎり、デフォルトでは非公開にとどまるべきである。

上院議員たちのねらいは正しい: Facebookは計画的に一つまた一つとユーザのプライバシーをはぎ取り、それを彼らが一般公開的にアクセス可能と考える情報のバケツに入れてきた。ユーザのフレンドのリストやインタレスト、アクティビティ(前は非公開にできたが今は完全公開のFan Pagesだ)などが果たして機密情報か、という議論はありえるが、しかし人びとが自分のプロフィールを作るときは、それが非公開であるという印象を持ちつつ作るのであり、そのデータに対するユーザのコントロールが減ることは、何らユーザの利益にならないのである。

2. サードパーティによるデータの保存 以前Facebookは、サードパーティの広告主によるプロフィールデータの保存を24時間にかぎり認めていた。しかし最近の方針変更により、データはいつまでも保存できることになった。われわれは、この点を懸念するものである。われわれは、Facebookは方針を元に戻すべきと信ずる。あるいは、サードパーティによるデータの保存を24時間以上認める場合には、ユーザのオプトインをその要件とすべきである。

複数の情報筋から聞くところによると、Facebookがサードパーティに対してデータの保存期間を24時間に制限することは、物理的に不可能である。これまでもしょっちゅう、多くのデベロッパがFacebookの指示を無視して24時間以上データを保存していた。彼らに、時限を強制するための有効な方法はない。Zyngaのような大型サイトにとっては、ユーザデータの常備がきわめて重要なので、このたびの方針変更は主に彼らの便宜のためと思われる。それは決して良いことではないが、さりとて、今後Facebookがどんな方針を採るにせよ、それを強制することはきわめて難しいだろう。

3. インスタントパーソナライゼーション Facebookがその機能のほかのWebサイトへの組み込みを可能にしていることと、とくに“インスタントパーソナライゼーション”機能に関して初期の提携サイトを慎重に選んでいることは良いことである。しかしわれわれの懸念は、この機能によって一部のサードパーティパートナーがユーザの公開プロフィール情報だけでなく、ユーザのフレンドリストやフレンドに関する公開情報にまでアクセスできる点にある。上記のそのほかの変更と相まって、この種の情報には今では、ユーザが明示的に共有を選ばないかぎり非公開にすべき情報が相当量含まれている。非公開データの共有は、ユーザがオプトアウト(opt-out)できるようになっているのは良いが、そのことを知らないユーザが多く、しかも、利用方法が複雑で混乱を招いている。このような情報の共有に関しFacebookは、それをオプトアウトではなくオプトイン方式にすべきであり、そのやり方ももっと簡明にすべきである。

これも、正しい。Webがもっとソーシャルになり、ユーザのインタレストに合わせてカスタマイズされるという未来像はすごくクールだ。しかし今のFacebookのように、ユーザのオプトインを求めることなく全員を未来的なWebに編入してしまうやり方は、滑稽で馬鹿げている。Facebookは今、この機能の提供を3つのサービスに限定(Pandora、Yelp、Docs.com)しているが、言うまでもなく今後はもっと広げたいはずだ。

Facebookのグローバルコミュニケーション担当副社長Elliot Schrageは、個人的な書簡(下に埋め込み)で上院議員たちに答えた。その重要な部分は(強調は筆者):

とくにこれらの新製品と新機能のねらいは、インターネット全域にわたってパーソナライゼーションを充実し、ソーシャルなアクティビティを促進しつつ、また同時に、どんな情報をいつ誰と共有したいかをユーザが強力にコントロールできる状態の維持にあります。Facebookのパートナーサイトはすべて、ユーザの同意に基づいて対話いたします。

しかし問題は、この文面とは逆に、Facebookが明らかにユーザの同意を得ずにそれをやっていることだ。たしかに、Facebookのプライバシー設定でInstant Personalizationをoffにすることはできるし、またon状態で訪れたパートナーサイトでも画面上部のバーでやはりそれをoffにできる。しかし残念ながら、そういうことをまったく知らないユーザがほとんどなのだ。

ここで一つだけはっきりさせておこう。Facebookは相当量のプライバシー制御機能を提供しているし、それらを説明している情報の量も多い。しかし、制御機能もその説明も、量があまりにも多すぎてふつうのユーザには対応できない。だから多くのユーザが、知らないままですませてしまう。ユーザがシステムの現状を詳しく知らないことはFacebookも承知だが、それでもなお、全速前進をやめようとしない。Facebook自身は気にくわないかもしれないが、今回上院議員たちがその行く手の路上に速度制限隆起を設けようとしているのは、とても良いことだ。

Schrageの書簡はCNNより。
写真提供: Steve Maller Photography

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))