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FTCはGoogleのAdMob買収を阻止する前にAppleのiPhoneライセンス規約を読むべきだ–独占ってどっちのこと?

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Federal Trade Commission(連邦取引委員会, FTC)は、GoogleがAdMobを$750M(7億5000万ドル)で買うという申請を、どうやら本当に却下するらしい。この買収が独禁法違反にあたるという裁定は、出るとしたら数週間後に出ると思われるが、しかしFTCは、その前に、AppleのiPhoneデベロッパに対する新たなライセンス条項を調べたほうがいいだろう。私がGoogleの弁護士なら、それを、AdMobとGoogleがことモバイル広告に関してはほとんど市場支配力を持たないことの、最強の証拠として提出するだろう。

AdMob-Googleの仲に独禁法違反の嫌疑があるというのなら、それが実際に競争を阻害する証拠をFTCは提示する必要がある。GoogleとAdMobを合わせたモバイル広告のマーケットシェアは、昨年の時点で推定21%だ。Googleの部分は主にモバイル上の検索だが、AdMobのは主にモバイルアプリケーション、とりわけiPhoneのアプリケーションだ。

でもそれは、Apple(AdMobを買おうとした)がQuattro Wirelessという別のモバイル広告ネットワークを買収して、次のiPhone OS 4.0ではApple iAdsを公式に立ち上げると発表する前の話だ。Appleのサービス約定(terms of service, TOS)は、具体的に広告ネットワークという言葉を使ってiPhone/iPadからそれを排除しているわけではないが、しかし実質的には彼らをタマ抜きにしている。すなわちiPhone Developer Program License Agreementの第3.3.9条は、データを集めてそれをほかの企業やサービスに送り“処理や分析”をさせるサードパーティソフトウェアのあるアプリケーションを、禁じている(Flashに使われているようなサードパーティの分析や開発用ツールも禁止だ)。AdMobのような広告ネットワークが、それを使っているアプリケーションからデータを集められないとなると、ターゲットをしぼった広告の配給はとても困難だ。

モバイル広告の市場について調べるときには、モバイルWebの上の広告だけでなく、アプリケーションの中の広告も視野に入れる必要がある。そして、ことモバイルアプリケーション内の広告に関しては、収益らしい収益を上げているのはiPhoneだけだ。だからFTCが、GoogleのAdMob買収によってiPhoneの広告市場が寡占化し、デベロッパにとっての選択肢が2つ(AdMob-GoogleとApple)しかなくなるというつもりなら、真剣に再考したほうがいい。支配的な広告ネットワークが2社しかないから寡占だと言うのなら、1社しかない…iPhoneのアプリ内広告の場合…のはもっと悪いだろう。 だからFTCは、モバイル広告ネットワークの独占を心配するのなら、GoogleよりもむしろAppleを調べるべきなのだ。

しかし、それも馬鹿げている。モバイル広告の市場は、一つのデバイスや一つのOSに縛られていない。FTCはすべてのモバイル広告におけるGoogleのアンフェアな支配の可能性を証明しなければならないが、それにはモバイルWeb、モバイル検索、そしてモバイルアプリケーションが含まれる。それにまた、新しい形のモバイル検索が登場してきた。Appleが最近行ったSiriの買収も、そのことを示している。こうして、モバイル広告市場のFTCの定義が広くなればなるほど、独占らしきものは見つからなくなる。

いずれにせよ、市場のiPhone部分の状況の急変に伴って、かつてのリーダーだったAdMobが、さらに強力なライバルであるAppleのわずかくしゃみ一つで、王座を追われることもありえるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))