[jp] Qlippyはソーシャルをつかって新しい読書体験を提案する。

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予想を超えて売れに売れている革新的ツール「iPad」が注目されるある側面ーそれがiBooks、つまり電子書籍だろう。iPadをテーマに開催したStartup Meeting vol.4のライトニングトークで最も多く得票した2社のうち、株式会社SpinningWorksの白形 洋一氏が披露してくれたQlippyはまさにその波にのるものだった。

「電子書籍のビューワー機能、コメントとハイライト、記事クリップ。さらにこれらをウェブ上でソーシャルに共有させることができるのがQlippy。サービスはiPadアプリから開始して、ウェブサービスも順次開始してゆく」オープンを予定している5月から7月までの間にユーザーの声を聞きながら、予定している機能の実装に取り組むそうだ。

日本のiPadアプリのブックビューワーとしてはi文庫HDが先行している。日本発売のiPadがまだ手元に届くのは少し先にも関わらず、電子書籍を待望しているユーザーを中心に使用感などTwitter上で話題が飛び交っている。今後も増えるであろう他のリーダーとの差別化はどう考えるのだろうか。

「電子書籍のビューワーは沢山あるけど、あくまでツールという位置づけ。Qlippyは電子書籍に付加価値を与えたいと考えている。なので、最終的にはウェブサービスがメインになると考えている」例えば読書中にQlippyを通じてつけられたコメントやソーシャルグラフなどのデータは新しい価値を生み出す可能性がある。将来的にはこれらのデータをAPIとして公開することでサードパーティーが新たなQlippyクライアントを創り出せるようにしたいと語る。

「電子書籍の登場でできることが増える。Qlippyは読書のスタイルを変えることがコンセプトで、その方法として提案したいのがソーシャルに読者をつなげるということ」紙からの脱却ではなく、読書という文化そのものを進化させようという考え方だ。なので、Qlippyのアイデアで注目したいのは目新しいiPadの電子書籍ビューワーとしてではなく、あくまで「ソーシャルプラットフォーム」だという点にある。

気になるのが現実のブックストアだ。肝心の電子書籍データがなければソーシャルプラットフォームどころか読むことすらできない。「書籍を用意する方法は大きく二つ。一つはユーザーが用意する。日本では青空文庫や海外ではグーテンベルグGoogle Booksなど。それらを取り込んでもらう形に。もう一つは出版社のサイトから購入してダウンロードする」出版社等との話し合いは今始まっているところだそうだ。

まだサービス自体がローンチ前ということもあり、利用シーンやビジネスについてはあくまで「想定」レベルではあるが、いくつか興味深いアイデアを教えてくれた。例えば出版社にそのままシステムごと入れてしまって編集者と筆者のコミュニケーションに使ったり、電子カタログをもってまわる営業マンが出先でカタログにコメントを入れて本部や他のメンバーと共有する。

読書といわれるとどうしてもコミックや文庫本を想像してしまうが、確かにそれだけで「読書の進化」というにはスケールが小さすぎるのかもしれない。こういったカタログや雑誌などの電子書籍にまつわるログがソーシャルに共有される未来というのは考えるだけで楽しいものだ。海外マーケットを視野にローンチするというQlippy。彼らが挑む壁は非常に高いが、時代の波にうまくのって、このチャレンジを成功させてほしい。