ファッションバーゲン情報のShop It to Meが6歳–デザイン・機能・品目を増強して大きく脱皮へ

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かなり前からShop It to Meのファンだが、ここはショッピングや宣伝にパーソナライゼーション(personalize, personalization, 個人対応)を導入した初期のサイトで、創業は2004年だ。やり方は見事なまでに単純で、サイズや好みがそのユーザに合った品物の入荷や売出しを、メールのニューズレターで知らせてくるだけだ。ほぼ6年間コツコツとビジネスを構築してきたShop It To Meが最近ついに、フロントエンドとバックエンドの両方を一新し、販売品目を増やす。新しいデザインのサイトは、今日(米国時間5/31)から見られる。

ここは、運営という点では何もかも正しいと言えるサイトで、類似のやり方のサイトはこれまでに数十はあったが、ここだけが成長と長寿を続けてきたのもそのためだ。まず、品揃えが良いこと…有名デザイナーや有名百貨店のものがすべて揃っている。ユーザはサイズを、ブランドごとに入力できる…デザイナーが違うと好みのサイズも違うということを、このサイトは知っているのだ。メールのニューズレターにはユーザの知りたいことがすべて載ってるから、買いたいと思ったらクリックするだけだ。おとり商法はないし、小売り側は無意味に肥満したCTR(click-through rates)を報告されることもない。

ユーザは、ニューズレターが来る頻度や、日付/曜日、それに売出しのタイプ…例: 半額以上の割引きセール…を指定できる。

大きな問題を解決しないサイト(例: Plurk、Twitter以前のFriendfeed)や、あまりにも複雑で機能山盛りに解決しようとするサイトが多い。Shop It to Meは、そのどっちにも転ばない。アパレルを見つけるという厄介な問題に対する、いちばんシンプルなソリューションを探す。それは比較ショッピングサイトの第一世代に属するShopping.comなどには、できなかったことだ。Kayakはかろうじて肩を並べることができるが、しかしKayakがユーザに代わって4〜5軒のサイトからお買い得を探すのに対し、Shop It To Meはつねに数百軒を調べる。

登録会員数は300万で、これはDailyCandyやGrouponなどのクラスだ。一回だけやった資金調達について額は明かさないが、でも社員20名足らずの痩身企業だ。在庫はまったく持たないし、営業部隊もいない…だからこれまでの6年間、ひっそりと目立たない存在だったのだ。重要なのは、サイズとスケールと上手な運営、この3つだけだ。私のニューズレターの指定頻度は週2回だが、過去2年でたぶん数百もの品物を大幅値引きで買っている。

しかしGrouponやGiltが新しい需要生成サイトとしてマスコミにもてはやされている中で、Shop It To Meの周辺はかなり静かだ。Today ShowやInStyleなどのテレビ番組で取り上げられることはあるが、TechCrunchのようなWebサイトには載ったことがない。ここでみなさん、真剣に自覚していただきたいのだが、そういうサイトのオーディエンスは流行に敏感な今風の女性たちではない(載っても経営メリットがない)。ただし、そんなShop It To Meも今週からは、ファッションに敏感な人たちの、知る人ぞ知るの隠れサイトから、Zapposふうの強力なeコマースサイトを目指すらしいから、TechCrunchのネタにやがてなるかもしれない。今度のサイトデザインは、より現代的で、女っぽさを抑えている。6か月後に導入される新たなバックエンドでは、個人対応のレコメンデーション機能が改良され、今年の終わりごろには家庭用品や旅行などが新品目として加わる…ファウンダのCharlie Grahamがそう言ってる。

いちばん難しいのは、個人対応のデータの選択や調整だろう。Shop It To Meが偉いのは、ユーザが欲しいものを正しく指定でき、まさに欲しいものを入手できることだ。単に良い品物なら、いつも山ほどある。このサイトは毎月、ほぼ20億のレコメンデーションをメールで送っている。不況時には扱い店の数と売出しの回数を増やし、それによってユーザ数も増えた。しかしニューズレターを長くはしない。見るのに5分以上かかるものはだめだ、とGrahamは言う。

今度の方向転換や新品目の導入には、リスクも伴う。私が好きなもの以外に、Diane Von FurstenbergのドレスやTori Burchの靴を好きな人たちの情報が、私向けのレコメンデーションの幅を適切に拡大できるだろうか? それはどうかな、と私は思う。しかしGrahamによれば、ニューズレターを個々にパーソナライズするという基本路線から外れることは今後もない。また、小売り側との契約により、ユーザが(広告等を)クリックするか(品物を)買うかしないかぎり、サイトの収入はない。今度の変更によって収益が増えなければ、それを長く続ける意味はない。こんな言葉をどこかで聞いたことのある読者もおられると思うが、Shop It To Meは今や、「失うものは何もない」と居直れるような経営の段階ではない。

このサイトの最大の問題が、未解決だ。Shop It To Meは、(何百軒もに対する)需要生成の併合・圧縮・簡易化には成功しているが、しかしユーザは依然として個々の小売りサイトへ行って品物を買わなければならない。名前やパスワードの入力、支払い処理などを、いちいち個々にしなければならない。これが、大きなストレスになる。小売り側は自分で顧客との関係を築き維持したいから、これは簡単に解決できる問題ではないが、Grahamによれば、ソリューションを構築中だからご安心を、とのことだ。DiggやReTweetのボタンのような、一発で”ワンクリックショッピング”のできるボタンが提供されると理想的だが、数百軒が相手では、とても一晩で実現する機能ではないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))