Google TVがプラットホームであることを理解したAppleはテレビそのものを作るだろう

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AppleのCEO Steve Jobsは今夜の(米国時間6/1)D8カンファレンスでおもしろいことをあれこれたくさん語ったが、でもぼくから見ていちばんおもしろかったのは、Apple TVに関する聴衆からの質問への答えだ。Appleがこの製品をJobsの”遊び”(hobby)と見なしていることは、誰もが知っている。Jobsはその理由を今夜説明したのだが、この製品の将来について話すとき、彼は手のひらを上下させて少し口ごもったような気がする。

Jobsは、Apple TVは今でも遊びだ、まだ適切なマーケティング戦略がないから、と言った。それは、1か月前にぼくが書いた記事と基本的に同じだ: Apple TVは収益化の見通しが立つまでは遊びにとどまる。今は、サービス価格のケーブルボックスが幅をきかせているから、それはとてもとっても難しい(TiVoにも聞いてみよう)。Jobsも、そのことをよーく知っているのだ。

しかし彼の答えの中で、Jobsは小さな間違いを犯したかもしれない。彼はGoogleを、さまざまなセットトップボックスを作った(そして失敗した)そのほかのデバイスメーカーと一緒くたにして、けなした。しかしこの前発表されたGoogle TVは、セットトップボックスではなくてプラットホームだ。Logitechの製品などは、既存のテレビにくっつけるからセットトップボックスだが、Sonyの製品に見られるようにGoogle TVは将来のテレビが内蔵する機能だ。テレビだけでなく、この秋にはGoogle TVを内蔵したブルーレイプレーヤーも出る。そして、Appleが必要としているのも、まさに、プラットホームなのかもしれない。

私よりも頭の良い人たちなら、〔セットトップボックスがだめであることを〕いずれお分かりいただけると思うが“、という言葉でJobsは話を終えた。頭の良い人たちとは、Googleを指しているのかもしれない。Jobsはテレビを、だめになった業界と言うが、Googleはテレビに内蔵され、コンテンツの全体を制御するプラットホームをシステムとして作ることにより、このだめな業界を再生させるかもしれない完全なハイブリッドモデルを世に送り出したのではないか。

Jobsは、誰かが”セットトップボックスをずたずたに引き裂く”必要がある(ぼくも大賛成)、そうしないとまともな製品は登場しない、と考えている。しかしGoogle TVが消費者に気に入られたら(それについてはまだ何とも言えないが)、それこそ、セットトップボックスに替わるまともな製品と言えるのではないか。しかもそうなるとGoogle TVは、人びとがテレビに期待するものを、がらりと変えてしまう。そしてテレビが、消費者にとって再びおもしろいものになるだろう。そしてそうなったときが、Appleのねらい目だ。だめなセットトップボックスたちを押しのけて、Appleは今度こそ本格的に売れる製品を作れるだろう。

最近の噂では、Appleは次世代のApple TVを開発中だという。それは今のApple TVより安く(99ドル)、機能のほとんどをクラウドに依存するものらしい。でも、先週書いたように、その価格ではAppleが得意とする利益率の高い製品にはならないだろう。だからAppleは、本当に低価格製品に乗り出すのか(それはあり得そうもない)、それとも、最初は安い製品と魅力的なコンテンツで消費者を釣り、そのあと、もっと高い製品を売るのか、どっちかだろう。

今夜のJobsの話からは、後者のにおいがする。彼はそれを、すでに十分に考えているのだ(最初はiPhoneではなくテレビ関連製品を計画していた、と彼は言った。iPhoneのあとも、タブレット機ではなくテレビを考えていたが、マーケティング戦略で行き詰まった)。彼は社内でのこれまでの、テレビ関連製品の計画頓挫に、フラストレーションを感じている。

しかし、Jobsの選択肢はもう一つあるだろう。

Jobsがテレビ関連製品のことを話しているあいだじゅうずっと、ぼくは、Appleがテレビ受信機そのものを作るという、長年の噂に思いを馳せていた。セットトップボックスに替わる別のボックスではなく、本物のテレビだ。

そうすれば、リビングルームにボックスが多すぎるというJobsの懸念も消える。ケーブルのボックスもバイパスできる(それは彼の製品に接続され、その製品にコントロールされることになる)。しかし大きな問題は、テレビ受信機は一般的に低利益率の製品であることだ。でもAppleは、利益率の低いPC業界で、高利益率の製品で成功している。テレビでも、AppleがAppleらしい高級製品を出せば、飛びつく消費者は少なくないだろう。

Appleの高級テレビは、ケーブルボックスやケーブル企業が特定されるから、爆発的に売れるものにはならない。でも最終的には、モバイル業界がこのところiPhone/App Storeモデルに右へならえしてきたように、テレビの新たなスタンダードとして業界全体が採用する形になるかもしれない。そしてやはりここでも、Google TVはそういうことが起きるための触媒の役を演じるだろう。

セットトップボックスを買いたい人なんか一人もいない“、Jobsは今夜そう言った。そして、本格的なAppleテレビが登場したら、セットトップボックスを買う必要もなくなる。「世界で最良のテレビはAppleテレビだ」と言うJobsの声が、どこからともなく聞こえてくる。そしてもちろんそれは、ソファに寝そべってWebサーフィンをする装置としても最良、リビングルームのアプリケーションコンソールとしても最良、そして家庭のオンラインメディアプレーヤーとしても最良の製品だ。

[原文へ]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

“Google TVがプラットホームであることを理解したAppleはテレビそのものを作るだろう” への7件のフィードバック

  1. 有頂天Poii より:

    残念だぁ!

    ジョブズ氏に、ワンセグ機器を与えたかったよぉ

  2. […] 噂される新Apple TVの価格は$99だ。これは、その手のハードウェアとして明らからに非Apple的価格である。しかし、主要ライバルであるGoogleとMicrosoftが、きわめて現実的なやり方でリビングルームに進出しようとしている今、Appleは選択の余地はないと感じているかもしれない。私は今でも、最終的にApleはセットトップボックスの道を選ばずに、本物のテレビ受像機を作るだろうと確信している。消費者がもっと高い金額を払うことに慣れている商品だ。そしてまた(主としてケーブル会社のおかげで)悲惨なユーザー体験を提供しているデバイスでもある。 […]

  3. masa より:

    日本のワンセグ携帯は、確かに全てが集約されてるテレビの究極型だよな。

    据え置きテレビは、据え置きならではの優位性を持たないと、それに付加される新要素もただの大きなワンセグ携帯になりかねない。

    PS3+トルネなんかは、その優位性が上手く出せてる製品だと思っている。

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