iTunesのクラウド化戦略リーク―この秋はAppleとGoogleのクラウド決戦か?

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iTunesがクラウドになる。やがてそういう日が来ることはわれわれも以前から予想していた。問題はそこに実装される機能がどのようなものになるか、そしていつ実現するかだった。今日のBoy Genius Reportの記事によると、この2つの疑問のひとつに答えが与えられたようだ。もうひとつにも推測ができるようになった。

BGRの「信頼すべきApple筋」が事実信頼できる情報源であるなら、AppleのiTunesクラウドは次の3つの機能からなる。 1)Appleのサーバからユーザーの各種デバイスへのコンテンツ・ストリーミング 2)ユーザーのコンピュータからユーザーのデバイスへのコンテンツ・ストリーミング 3) ユーザーデバイスへのワイヤレスでの同期  これが事実であるならAppleは大胆なクラウド化を計画していることになる。これは同時にGoogleとの戦いを大きくエスカレートさせるものだ。

現在、一般ユーザーレベルのクラウド市場を支配しているのはGoogleだ。 しかしGoogleのクラウドには大きな弱点がある。エンタテインメント系の強力なコンテンツを欠いているのだ。Googleはこの秋、Google Music(まだそういう名前になるかどうか未定だが)をローンチさせることでiTunesに正面から戦いを挑む計画だ。

Google Musicの大きなセールスポイントは(Google I/Oカンファレンスで関係者が明かした断片的情報によると)、クラウド経由でのデバイス間の同期機能だという。(これもやはりBGRの記事が正しければ、だが)Appleが計画しているのと同じだ。しかしAppleには巨大な優位性がある。iTunesはすでに何千万というユーザーが存在する。これらのユーザーは、iTunes上に膨大なコンテンツを保有しているので他のサービスに簡単に乗り換えることはできない。閉鎖的エコシステムの優位性だ。

エンタテインメント・コンテンツに関するかぎり、Appleは市場の支配者として機能を拡張していけばよいのに対して、Googleはすべてを一から始めねばならない。さてどちらがクラウド化で有利な立場にいるのか、見極めは難しい。

Googleには巨大なクラウドのインフラがあるが、AppleはMobileMeで小規模な実験を始めたばかりだ。しかしAppleは自社のクラウド・インフラをスケールアップするのに全力を注いでいるようだ。Appleは大規模データセンターを建設中だし、昨年のLalaの買収もその一環だ。

iTunesがいずれクラウド化されなければならないことは明らかだった。ユーザーが保有するコンテンツはデバイスの容量をはるかに超える速度で増大していた。たとえばユーザーが1シーズン分のテレビドラマをHDでダウンロードしたとすると、サイズは数十GBにもなる。これに対して現行iPhoneのメモリ容量は最大でも32GBしかない。

もちろんたいていのユーザーはそうした大容量のコンテンツすべてをiPhoneのようなデバイスに保管しはしない。しかし(iPadなどを含む)こうしたデバイスがコンテンツのプレイヤーとして今後ますます重要なものになっていくはずだ。とすればどうしてもこうしたデバイスへのコンテンッツのストリーミングや同期サービスが必要とされるだろう。

音楽、映画、テレビドラマなどに限らず、アプリも重要なコンテンツだ。噂を総合すると、Googleはシステムを完全な一から作るのではなく、Androidマーケットをベースにして、その上ないし横、に追加するかたちでコンテンツ市場を形成するつもりのようだ。そうするとGoogleも、Androidアプリのおかげで、すでに数百万のユーザーベースを確保していることになる(もちろんiTunesのユーザー数には遠く及ばない)。

BGRの記事を引用すると、

われわれの聞いたところでは、ワイヤレス同期はまったくシームレスに作動するという。ユーザーがiTunesからiPhoneにアプリをダウンロードすると同時にユーザーのコンピュータに同期する。カレンダー、ノート、連絡先もデバイスとコンピュータ間で自動的に同期する。

上記で第1の部分はまさにAndroid 2.2で約束されている機能だ。Appleはこれに対抗しようとしているものと考えられる。2番目の機能は少々奇妙だ。。というのは、これはMobileMeですでに実現されているいるからだ。この同期サービスは既存のMobileMeを拡張するものなのだろうか? Googleが無料で同期サービスを提供するというのに、Appleのサービスが有料では多くのユーザーを集めることは難しいだろう。つまりAppleもとうとうMobileMeの無料化に踏み切るということなのだろうか?

次にスケジュールについてだが、BGRの記事は「近く」としか言っていない。ただ記事の最後で、新サービスはこの秋(またはそれ以前)の大きなイベントでリリースされるかもしれないいと示唆している。iTunes.com(iTunesのクラウド版として当然予想されるサイト名)が夏にローンチされると観測する記事が今年初めWall Street Journalに掲載された。その記事は「おそらく6月」と予測していたが、もちろん6月は終わってしまった。

正確なスケジュールはまだ分からないものの、今年の秋はAppleとGoogleにとって戦略上きわめて重要な時期となりそうだ。Apple TVをノックアウトするためにGoogle TVがローンチされる。またiPadに対抗してChrome OSがリリースされる。そしてさらにクラウド上でのコンテンツ・ストリーミングングが双方から提供されようとしている。

[写真: flickr/dirtymansam79]

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦/namekawa01

“iTunesのクラウド化戦略リーク―この秋はAppleとGoogleのクラウド決戦か?” への5件のフィードバック

  1. […] iTunesのクラウド化戦略リーク―この秋はAppleとGoogleのクラウド決戦か?:これちょっと微妙かなと思っています。いや、クラウド化は時代の流れなので仕方ないのかも知れませんが、問題はyoutubeから落とした動画の取扱(日本ではDLが違法)などです。仮にクラウドにアップされたとして、それに対してアップルが何もしないとしても、業界団体とか国とかがそこに介入して裏を取って逮捕とかなると大変です。個人で楽しむだけなのに逮捕? […]

  2. […] 7. iTunesのクラウド化戦略リーク―この秋はAppleとGoogleのクラウド決戦か?(2010年7月2日) 8. 怖い話:もしAT&Tの縛りがなかったら、iPhone […]

  3. […] しかしAppleはこうしたコンテンツをすべてクラウド化したいという野心を抱いている。それが実現すれば、Airを地上に縛り付けていたロープが切られ、即座にAirは羽ばたいて空に舞い上がるだろう。 […]

  4. […] TechCrunchによるとこのクラウド化によって、1) Appleのサーバからユーザーの各種デバイスへのコンテンツ・ストリーミング。2) ユーザーのコンピュータからユーザーのデバイスコンテンツ・ストリーミング。3) ユーザーデバイスへのワイヤレスでの同期。などが実現すると考えられています。(内容的には最初のストリーミングもクラウドで提供されるサービスの一つということでいいのでしょうか?) […]

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