Steve Jobs、アンテナ問題を軽くいなす―「家に帰って家族と楽しく過ごせ。たかが携帯だ。騒ぐことじゃない」

次の記事

Samasourceはどうやって世界を救うのか–女性CEOのタトゥーにその秘密があった

結局、iPhone 4のアンテナ問題は事実だった。大勢のiPhone 4ユーザーの訴えた不満はリークされたAppleの部内資料やアンテナ技術者の求人広告などで裏付けられたかたちだ。さらに具合の悪いことに、バンパー・ケースはApple公式製品もDIY版も受信感度の低下を完全になくすことができないことが判明した。Appleファンはあちこちでいじめられ、肩身の狭い思いをすることになった。しかしSteve Jobsのアドバイスはこうだ―「少し落ち着け。家に帰って頭を冷やし、リラックスして家族と楽しめ。たかが携帯だ。騒ぐほどのことじゃない」

これは非常に憤慨した iPhone 4ユーザーからのメールにJobsが送ったメールの文面だそうだ。このユーザーは友達のユーザーとも情報を交換し、iPhone 4にはきわめて重要な欠陥があると信ずるに至り抗議のメールを送ったという。しかしSteveは前述のように、まず落ち着けと言い、次に悪いのは信号が弱いせいだと言い、最後にAppleは対策を採っていると述べた。

現在のところAppleの「対策」というのは、PR屋連中に「iPhoneにはどこにも問題はない。ユーザーの持ち方が悪いだけだ」といった弁解をばらまかせることのようだ。しかしAppleに本当の解決策を強く要求しているのは、ユーザーもさることながら、AT&Tだろう。というのは、今回の受信感度の低下で着信を逃す問題は珍しくAT&Tの責任ではないからだ。ところがサポート担当としてiPhoneユーザーからの苦情の矢面に立たされるのはAT&Tだ。「解決策はすぐにも提供される」と関係者は口を揃えて言う。しかしメキシコ湾の原油流出事故についても当初そう言われていた。いや、もちろんiPhone 4問題は原油流出事故などとは比較にならない。

先程のSteveのメールが事態の本質をよくとらえている。

少し落ち着け。家に帰って頭を冷やし、リラックスして家族と楽しめ。たかが携帯だ。騒ぐほどのことじゃない

本当にそうだ。たかが携帯電話である。が、いくら筋金入りのAppleファンであっても「Apple4命」といった刺青を入れるのはちょっと待った方がいいだろう。Appleも時には欠陥製品を作ることがある。Steveにとっては無数のヒット作の中での小さな失敗に過ぎない。膵臓癌と肝臓移植を生き延びたSteveは、誰よりも「小さなことに騒がず、家族と楽しむ」哲学を身につけていることだろう。

Steve Jobsが騒がないのであればユーザーも騒ぐ必要はないのだろう。もっとも$200というのは一部のAppleユーザーにとっては相当の大金である。こればかりは大富豪のJobsが見逃している点かもしれない。いずれにしても、携帯電話に安定した通話を望むのは無理な注文ではあるまい。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦/namekawa01