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HPがiPadから学ぶべき3つのこと–Appleの失敗からも前向きに学ぼう

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HPが正式にPalmのオーナーになったので、HPのwebOSスレート*の発売がまた一歩近くなった〔*: スレート(slate)、タブレット機のこと〕。今年中に出れば、立派にiPadの競合製品になれるだろう。たぶんHPのデザイナーやエンジニアたちは、最初からiPadを参考にしているはずだ。iPadは飛ぶように売れているが、完璧な製品とは言えないから、HPにも勝ち目は十分にある。

Appleというブランドの力も強いが、HPだって消費者市場における大型選手だし、流通チャネルはAppleより大きい。タブレット機でAppleと互角に戦える企業といえば、HPしかない。ただし、そのためには、Appleの失敗と成功から真剣に学ぶ必要がある。

消費者が求めるのは接続性の良さ

iPadに関する最大の不満は、発売の前から言われていた。それは、いろんなものを接続できないことだ。USBポートも、SDカードのスロットもない。代わりにAppleは、特殊なコネクタや、今ではUSBやSDカード用のアダプタを提供している。

そのため、iPadはかなり使いづらい製品になっている。Appleは層状のストレージ構造を維持し、iPadを小型コンピュータではなく大きな携帯電話として売りたいために、そうしているのだ。

Appleはそれでいいのかもしれないが、HPはもっと前向きに考えるべきだ。たとえば写真を撮る人は、撮ったばかりの写真を屋外で見れるタブレット機がほしいだろう。ノートブックは使いづらいし、写真家にとって必要なのはSDカードスロットと、良質な写真閲覧ソフトだ。

SDカードスロットやUSBポートは、デバイスのストレージを簡単に拡張できる手段だが、Appleはそれを望んでいない。16GBのSDカードとサムネイル用のフラッシュドライブがあれば、それで十分なのに。iPadみたいにストレージを複数の層に分ける必要は、さらさらない。消費者市場では、単純性が重要だ。

ハードウェアよりもユーザ体験が重要

iPadの広告に、ハードウェアの話はまったくない。どの広告も、RAMの容量やCPUのスピードについては述べていない。Apple.comの製品ページにすら、ハードウェアに関連した情報はない。それは、どうでもいいことだからだ。

その代わりAppleは、iPhoneの場合と同じく、iPadに何ができるかを訴えている。iPadは携帯電話というより、むしろ明らかにコンピュータだが、AppleはiPadをコンピュータ扱いしていない。HPは、WebOSスレートに関して、やはりそうすべきだ。

広告等では、インタフェイスを見せること。アプリケーションについて語ること。何が便利なのかを訴えること。ハードウェア関連の話題は、電池寿命ぐらいに限定すべきだ。広告で、GPUや画面の解像度の話を始めたとたんに、スレート機の魅力が消費者の心からかき消えてしまう。

eブックとデジタルコンテンツが鍵を握る

実は、iPadでeブックを熱心に読んでる人は少ない。iBooksやKindle Storeで1〜2冊は買うけど、それは物珍しさで買ってみるだけだ。そしてその人は、自分がちょっと高級な人間になった気分になる。eブックを読むことが…実は読まなくても…、iPadを買う口実や言い訳になったりしている。だからHPも、eブックをwebOSスレートのメインの機能として訴求すべきだ。

ただし、HPブランドのeブックストアはなくてもいい。むしろ、KindleやNookのリーダーソフトを最初から内蔵して、そのことを広告で訴えたほうがいい。AmazonもB&Nも、本気で売りたいのはeブックであり、彼らのリーダー専用機ではない。

次はデジタルコンテンツ。AppleのiPadの機能紹介ページへ行ってみよう。トップの画像は何か? iPadの画面に表示されているThe New York Timesだ。これもまた、The New York Timesのような高級紙が読めるよ、という訴求がミソなのだ。iPadを買えば、ハイソな人びとの仲間入りができるというわけ。

iPadの広告では、雑誌Wiredのデジタル版や、最近出たTIME誌のデジタル版が画面に映っている。両誌は、印刷版でもこれらのピカピカのiPadアプリケーションを宣伝するから、大量の、それまでiPadにそれほど関心のなかった人たちの、心が傾く。そしてAppleと出版社の両方が得をする。

HPも出版社にwebOSの魅力と能力を売り込んで、このスレート用のアプリケーション(==デジタルコンテンツ)を作らせるべきだ。WebOSの表示やインタフェイスはiOSに劣らず美麗だから、必ず出版社の心をつかむだろう。

というわけでHPのwebOSスレートは、タブレット機の市場競争で、次位につける資格が十分にある。それはすばらしいOSだし、メーカーは大企業だ。必要なのは、正しいマーケティングと、少量の運。いや、大量の運と言うべきかな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))