[jp] 香港ロケーションベースサービス事情ーー写真で、ゲームでチェックイン(後編)

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ロケーションベースサービスのビジネスモデルについて新しい切り口をご紹介した前回に引き続き、後半ではチェックインさせるアプローチについて2つのスタートアップをご紹介させていただく。

チェックインをなぜするのかーーたまに行った場所の足跡を残すという人もいれば、なんとなく回りがやっているからという人もいる。当然、ローカルビジネスのモデルが回転している場所であれば、なんらかの特典が与えられるというのが動機付けとしては大きいだろう。しかし、それだけだったら本当にそういう場所でしかチェックインしないことになる。

2:写真でチェックインさせるSteply

foursquareの分析レポートで「55%の人が写真をアップロードしている」という面白い数字がある。foursquareが発表している数字ではないので、正確性はともかくとしてある一定数のユーザーは写真をアップするのが好きなようだ。場所を起点にしたソーシャルウェブ上での写真共有は会話のきっかけにもなるので単純に楽しいのだろう。

この写真のアップロードをチェックインの代わりにしようというのがSteplyだ。Stepcaseは3年目のスタートアップで拠点は香港。DarkroomというiPhone向けのカメラアプリを使ったことのある読者もいるかもしれない。シャッターを押すときにカウントダウンをすることで暗い場所でも手ぶれが少なく撮影できるアプリで、100万回以上(有料/無料合わせて)ダウンロードされた大ヒットアプリ。実はこれを作っているのが彼らだ。

今回彼らが提案する写真でのチェックイン方法はいたってシンプル。どこでもいいので写真をとってロケーション情報をつけてSteplyにアップロードする。そうするとまずソーシャルグラフの中で写真が共有される。Steplyの現在の会員数は50000人だ。次にある一定の条件をクリア(例えば写真を10個アップロード)すればバーチャルアイテムがもらえるようになる。これがポイントだ。

今後、このアイテムはリアル世界、例えばスターバックスのチケットなどと交換が可能になる。当然、そのときに付けられる条件はおそらくスターバックスのラテを撮る、などというアプローチになるだろう。既にこのようなローカルビジネスとの提携は進んでいるそうだ。この方法は何度もその場所にいってメイヤーになるよりもずっと簡単だし、ゲーム的な要素も手伝って楽しい。

「リリースは実はもう少し先(8月頃)。現在は香港中心だが、そもそもグローバルに展開するつもりなので、特にロケーションベースサービスが活発な日本も注目している」とファウンダーのLeon Ho氏は今後について話してくれた。彼らの提供するDarkroomなどにSteplyが組み込まれるのはもちろんだが、単体のアプリとしても使えるので、他のカメラアプリを使っているユーザーもここにアップロードは可能だ。また、Twitterやfacebookへの連携もスムーズなので、ここに投稿すればソーシャルグラフへの共有も簡単にできる。今後に注目したい。

3:リアルなオリエンテーションゲームでチェックインをさせるMuecs

ロケーションベースにゲームが有効だという話は、gumiの国光氏が「刑事ハードボイルド」の事例で言及していたとおりで、これだけ騒がれているfoursquareやGowallaを尻目に、Mytownが軽々と200万ユーザーを突破したのはやはりこれがゲームだったからだろう。こういった要素としてリアルな冒険ゲームを取り入れようとしているサービスがある。それがMuecs(ミュークス)だ。

Benjamin Law氏とBilly Leung氏の二人が大学時代に作ったサービスが元になったという同サービスは、現在ユーザー数は10000人。7月にiPhone版を立ち上げたばかりだそうだ。そして彼らの特徴であるチェックインのアプローチが「クエスト(冒険)」というオリエンテーションゲーム。

これはユーザーが自由に作成することのできるもので、ユーザーは地図上からチェックインポイントを作り、それぞれ単にチェックインするだけなのか、写真を撮るのか、クイズに答えるのかを選択する。後は公開すれば終了だ。フォローしている友達が作ったもので遊ぶこともできる。ゴールすればやはりSteply同様バーチャルアイテムや、クーポンが貰える仕組みだ。

このようなリアルなフィールドへ誘う仕組みはコロプラが既にスタンプラリーの形式で実施している。まだ作り込みが甘いところは多々あるが、そのコース自体をソーシャルに作成するというアイデアは面白いのではないだろうか。