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Healthcare.gov立ち上げ秘話: Twitterでつぶやいた無名の人物をホワイトハウスはサイトデザインに起用した

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“仕事は週7日、1日24時間だ。非常にはやいサイクルで回ってる。どの作業目標も、時間的余裕はほとんどなくて厳しい。シャープな神経と機敏な行動をつねに要求される、消費者対象の仕事と言えるかな。ほとんど毎晩、ピザとMountain Dewで徹夜をしなければならない。がんばれるためには、理想主義も必要だけどね”。

これはまるで、カフェイン中毒で慢性睡眠不足の、シリコンバレーの典型的な起業家の不平に聞こえる。でもTodd Parkは、合衆国厚生省(US Department of Health and Human Services(HHS))のCTO、まじめなお役人だ。

彼が話していたのは、彼の最新のプロジェクトHealthcare.govだ。このコンシューマフレンドリなサイトで国民の誰もが、民間や公営の健康保険の契約条件を比較したり、新しい保険改革法について学んだりする。Parkによれば、公営と民間の健康保険に関する情報サイトで、これだけ大規模なものはほかにない(上のビデオを見て)。

オバマ大統領がビデオで説明しているように(下のビデオ)、一般国民はこのサイトで、自分に最適な健康保険の条件やプランを見つけることができる。最初に、住所や年齢など、基本的な情報をいくつか入力するだけだ。この秋からは、情報をさらに充実して、利用者が保険プランの費用を比較できるようになる。

政府の大規模なオンライン情報サイトはHealthcare.govが初めてではないが、それはオンライン化に熱心な現政府の取り組みの一環であり、シリコンバレーに学ぼうとする彼らの姿勢を示すものでもある。

ホワイトハウスのニューメディア担当部長Macon Phillipsは、Healthcare.govを健康保険のExpediaと呼び、サイトの開発には一般のWeb企業からいろんなアイデアを借りたと言っている。

“これは従来のふつうの政府のWebサイトとは違う。オバマ政権になってからのWebサイトは、プライベートセクター(民間部門)を強く意識している。インターネットの現状に強く関心を持ち、民間部門の最新の技術や方法を政府サイトでも積極的に利用しようとしている”。

Healthcare.govも、”.gov”というビッグなドメインを除いては、まるで若いスタートアップが、改正医療保険法を素材にして作ったサイトのようだ。ユーザインタフェイスはシンプルでクリーン、上には大きなボタンが5つあって、”保険の条件を見つける”、”新しい法律について知る”などと書かれている。政府の保健医療行政の仕組みはものすごく複雑だから、Healthcare.govは情報を複数の論理的なバケツに分類して収め、ボタンを押せばそのどれかに行けるようにしている。下の画像で、Healthcare.govのホームページと、HHSのサイト(従来的なふつうの政府サイト)を比較してみよう。


Healthcare.govのほうが親しみやすいと感じたとしたら、それはTwitterのおかげだ。ホワイトハウスとHHSは、シリコンバレーからデザインセンスやサイトのアイデアを借りるだけでなく、才能も借りている。それは、次のような話だ。

今年の初め、改正医療保険法の成立の前に、Macon PhillipsはTwitterの上で、Edward Mullenという人物を知った。Mullenは、当時議論が沸騰していた保険市場を図解的に表したWebサイトのデザインを、Twitterに投稿していた。つまりこういうこと: Twitterの上で何かをランダムにつぶやいたら、それが政府の目に止まって仕事にありつけることもあるのだ。

Phillipsは次のように語る:

“彼はニュージャージー州のJersey Cityに住んでるデザイナーで、保険市場を図で表したデザインをツイートしていた。こういうふうに、分かりやすく図解したほうがいいのではないか、と彼は言っていた。それまでにも、いろんな提案は来ていたが、私は彼のデザインを印刷してみんなに見せた。すると、チーム内で、これだ!これだよ!という話になった。で結局彼はJersey CityからホワイトハウスのあるワシントンD.C.に引っ越して、サイトの設計を手伝ったり、行政しろうとの利点を生かして、分かりにくいお役所用語が使われている箇所を指摘したりした。健康保険についても、一般消費者や小企業の経営者の視点からの、見方感じ方を語ってくれた。彼からの、一般国民の視点からの素朴な質問が、Healthcare.govの分かりやすいサイト作りに大いに貢献した。”

チームが動きだしてからが、またたいへんだ、とParkは言う。法案が成立してから90日以内にHHSはサイトを立ち上げねばならない。だから”ピザとMountain Dewで徹夜漬け”が始まる。まさに、バレーの起業家と同じだ。サイトは7月1日に公式に立ち上がったが、その数週間後にオバマ大統領がデモのビデオを公開した。 MacBook Proであることをうまく隠せていなかったので、大統領はApple好きとメディアが騒いだりしたが、でも大統領が政府のWebサイトの宣伝をしているデモビデオは、これが初めてである。

Webサイトの成果はどうだろう? まあまあである。今朝(米国時間8/6)の時点でHealthcare.govの累積ビジター数は1,015,148(101万5148)、毎週寄せられるコメントは数千だ(コメントを投稿するための黄色いボタンがサイトのあちこちにある)。Phillipsによれば、コメントは全部ちゃんと読んでいる。毎週、チームはその週のコメントの重要話題を議論するためのミーティングを行う。もちろん、今のアメリカで4500万人と言われる無保険者の数に比べれば、100万のビジター数は微々たるものだが、でもPhillipsやParkらは、これからもアメリカの情報系/技術系の起業家たちから、さらに多くを学んでいくつもりでいるだろう。

本誌はPhillipsとParkへの独占取材により、Webサイトのメイキングについて聞くことができた。また、オバマ大統領のリアクションを、Skype経由で見ることもできる(上のビデオ)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))