ビル・ゲイツ曰く「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるようになる」

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ビル・ゲイツもやはり、間もなく消え去っていくものがあると予想しているらしい。

ネグロポンテの場合は紙の書籍だった。近々紙の本は消滅するだろうと予測している。ゲイツが失くなるだろうと予想するのは本ではない。学問を修めるために若者が大学に通うということが、比較的早い時期になくなるだろうと予想している。学ぶ気持ちがあれば学校など必要ないというわけだ。

ここ5年以内に、最高の教育リソースは無料でウェブ上に現れてくることになるでしょう」と、カリフォルニアのレイク・タホエで行われたTechonomyカンファレンスにてゲイツが発言した。「個々の大学などよりもはるかに良い教育を提供できるようになるでしょう」とのこと。

どのような手段で学んだにせよ、その学識は正統に評価されるべきだという信念もゲイツは持っている。MITから与えられた学位であれ、ウェブから学んだものであれ、いずれも正統な評価を与えられるべきという考えだ。

但し、高校生年齢までの子供にとって、教育施設が重要であることも強調している。滞在時間の80%を勉強に費やすチャータースクールの現状については積極的に評価してもいるようだ。

しかし大学教育については、そろそろ施設などから開放されるべきだとのこと。皆で同じ場所に集まることなど、パーティー以外に必要だとも思えませんと冗談めかして主張している。

ゲイツのポイントは、ひとつ所に集まって学ぶ現状のスタイルは高価なものとなりがちで、十分な教育を受ける機会を失わせるものだということだ。こうした原因から、現在の特定施設に立脚した教育システムの重要性は5分の1程度に減じるだろうとしている。

現状の教育体制には教科書に関する問題もあるのだとゲイツは言う。小学校においてすら、算数の教科書は300ページを超えるものとなっている。「分厚くて強圧的なんですよ」とゲイツは述べる。「中身を見てもいったいなんのための本なのかちっともわかりません」。

ゲイツによれば、アメリカの教科書はアジア諸国のものと比べて3倍も分厚いのだそうだ。そしてそれでも教育面の多くでアジア諸国がアメリカに優っているという結果が出てきているそうだ。これは「委員会」が教科書を牛耳っていることによる弊害だとゲイツは言う。既存の教科書に次々に新しいことをただ積み重ねていこうとしているのだとのこと。
このような現状の中、テクノロジーこそが教育を学ぶものの手に取り戻して、実りある学習を行っていく唯一の手段なのだという話だ。

尚、会場に於けるゲイツの話は「Bill Gatesは「穴」にとらわれている, そう, 穴ですよ穴!」という記事でも取り上げている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

“ビル・ゲイツ曰く「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるようになる」” への26件のフィードバック

  1. 分厚い教科書が強圧的というのはいかにもアメリカ的で面白い(実際、図鑑のようにずっしりと重い)。でも、アジア諸国の教科書が薄いのは、有償・無償にせよ学習者所有になるという経済的理由によるもので、中身がコンパクトで優れているという論拠にはならないと思うんだが。

  2. FT より:

    学校がネットに移行する場合でもやはり住んでいる地区別にしないと知り合いと実際に会って遊んだりサークル活動、部活とかできにくそう。
    また、そういった活動を支援できる仕組みがあるといいね。
    リアル人間とのコミュニケーションを完全に切り離すとそれはそれで教育に良くないしね。

  3. nori_miya より:

    集団がテロ犯罪や銃乱射等の犯罪標的になりやすい世界状況の中、ビルゲイツやジョブスが予見するのも、孫正義が電子教科書や電子カルテ等を推奨したり、コストパフォーマンスを求めるのも、世界がウェブに向かう未来を暗示しているのかもしれない。

  4. […] ビル・ゲイツ曰く「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるように…:同様な感覚で今動いていますが、ビルゲイツが想定しているのがアメリカであるのに対し、僕の想定は日本で、両者は大きく異なるようですね。どちらかというとアメリカの方が深刻で、だからこそアナログからデジタルへの移行は早いかも知れません。 […]

  5. 市本 裕大 より:

    いいのか、わるいのか。ひとつ所に集まって学ぶ、学校の教育の中にコミュニケーションも含まれているからな。

  6. Aa より:

    大学生にもなってコミュニケーションを学校に頼るなってことですよ

  7. […] ・ビル・ゲイツ曰く「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるように… […]

  8. Shiro Inoue より:

    完全にウェブに移行するかは判らないが、こういった動きへの対応がタブレットPC。だから、基本iPadとiPhoneは比較するものではない。iPhoneじゃ、ウェブ上の情報表示も限られる。

  9. あっきぃ。 より:

    学校へは勉強するためだけに通うわけじゃないってことを彼はわかっているのか?

  10. Daisuke Harada より:

    趣味嗜好の合う友達作りなら、今やインターネットツールの方がやりやすい気がする。それに加えて勉強という面でもインターネットが勝てるようになったら、確かに彼の思い描く世界というのは近い将来現実になる気がします。

  11. kimurashion より:

    確かに、既にスタンフォードの授業とか受けれますもんね。問題はそれが「資格」にならないこと。突き詰めていくと学歴、とか新卒採用ではなく才能で就職が決まるようにしないと、と思います。

  12. […] ビル・ゲイツもやはり、間もなく消え去っていくものがあると予想しているらしい。 ネグロポンテの場合は紙の書籍だった。近々紙の本は消滅するだろうと予測している。ゲイツが失くなるだろうと予想するのは本ではない。 学問を修めるために若者が大学に通うということが、 比較的早い時期になくなるだろうと予想している。学ぶ気持ちがあれば学校など必要ないというわけだ。 「ここ5年以内に、最高の教育リソースは無料でウェブ上に現れてくることになるでしょう」と、 カリフォルニアのレイク・タホエで行われたTechonomyカンファレンスにてゲイツが発言した。 「個々の大学などよりもはるかに良い教育を提供できるようになるでしょう」とのこと。 どのような手段で学んだにせよ、その学識は正統に評価されるべきだという信念もゲイツは持っている。 MITから与えられた学位であれ、ウェブから学んだものであれ、いずれも正統な評価を与えられるべきという考えだ。 但し、高校生年齢までの子供にとって、教育施設が重要であることも強調している。 滞在時間の80%を勉強に費やすチャータースクールの現状については積極的に評価してもいるようだ。 しかし大学教育については、そろそろ施設などから開放されるべきだとのこと。 皆で同じ場所に集まることなど、パーティー以外に必要だとも思えませんと冗談めかして主張している。 ゲイツのポイントは、ひとつの所に集まって学ぶ現状のスタイルは高価なものとなりがちで、 十分な教育を受ける機会を失わせるものだということだ。 こうした原因から、現在の特定施設に立脚した教育システムの重要性は5分の1程度に減じるだろうとしている。 現状の教育体制には教科書に関する問題もあるのだとゲイツは言う。 小学校においてすら、算数の教科書は300ページを超えるものとなっている。 「分厚くて強圧的なんですよ」とゲイツは述べる。「中身を見てもいったいなんのための本なのかちっともわかりません」。 http://jp.techcrunch.com/archives/20100806bill-gates-education/ […]

  13. うつる より:

    え、実験どうやってするんですか?

  14. Atagoschool より:

    群れなきゃ生きてゆけない日本の嬢チャン坊チャンには無理かも!

  15. Dragonsnow より:

    お金持ってる人にいろんな慈善活動に資金を出すようロビー活動して動かし
    本人も自分の専門分野に pay forward しようとしているのはすごい。
    感動した。

  16. フラジール より:

    実験やら物作りは施設がないとできないから、座って聞くだけの講義ならウェブやら通信でもいいかもな。

  17. ゲイツの言っているとおり
    web経由でより良い教育が提供されるようになるという一方で、
    既存の大学システムが行き詰まっているという側面も指摘できる。

    特に日本の大学をみると、入試難易度のかなり高い学校ですら、
    教育学や社会学を専攻する学部/学科がカルト化した左翼の宗教団体みたいに
    なってしまってる例が少なくない。

    中堅以下の大学の経済学部では学生が数学をまったく知らないため、
    経済学を教える事自体が不可能になってしまっている。

    セクハラやパワハラも日常的にあり、
    実態はニュースメディアなどで取り上げられているよりはるかに酷い。

    大学の運営はもともと「自治」の名のもとに外部からの評価や批判がほとんど
    反映されない仕組みになっていて、改革が非常に難しい。
    くわえて大学での教育内容でなく入試の難易度だけで卒業生が評価される風潮も
    こうした状況の背景にある。

    すくなくとも日本の大学の「文系」については、いますぐ解体して構わないぐらいだと俺は思う。
    密室化して変な方向に走っているのに根本的な修正ができないからだ。

  18. […] 「5年以内に、最高の教育は大学でではなく、オンライン上において無料で提供されるだろう」(「テッククランチ」の記事 (8/9/10)参照) […]

  19. […] 「5年以内に、最高の教育は大学でではなく、オンライン上において無料で提供されるだろう」(「テッククランチ」の記事 (8/9/10)参照) […]

  20. […] ビル・ゲイツ曰く「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるように… […]

  21. […] ビル・ゲイツ曰く「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるように… […]

  22. […] ビル・ゲイツ曰く「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるように…(TechCrunch) […]

  23. [日本企業は世界で生き残れるか?]大学が生き残る道はウェッブでのソーシャル化しかない…

    もう一度大学に行きたい、というか最先端の物理を勉強したい。でも仕事も家庭もあるから出来ればオンラインで。自分のペースで自分の能力にあった勉強をしたい。授業じゃなくて学ぶ過程を手助けしてくれるだけでいい。まあ、たまには実験なんかにも参加してみたい。 インタ…

  24. sumata より:

    ゲイツの主張が成立するには2つの条件が必要な気がする。

    1つは、netで配信される教育が、魅力的であること。
    300ページの教科書は、web化されても300ページ分のtexなのだ。
    放●大学や各種の通信制大学の修了率が通学生大学に比べ異常に低いのは、その魅力が書籍で独学することとに比べさして変わらない、あるいはそれ以下だからだと思う。今だってamazonでいくらでも必要十分な知識は入る。web課程で質問やディスカッションが盛り上がる話を聞いたことがない。
    つまり、現状の通信教育や書籍より魅力的な教育が提供されなければ、変わりようがない。

    もう1つは、受講者・学生の学習意欲が見違えるように向上することだ。
    この種の議論は、学生がきわめて高い学習意欲を持っていることを前提にしているのではないか。
    >学ぶ気持ちがあれば学校など必要ないというわけだ
    と言う発言がそれを裏付ける。
    現実に、ごくごく一部の学生以外は、いかに楽して卒業をするかに熱心である。
    >現在の特定施設に立脚した教育システムの重要性は5分の1程度に減じるだろうとしている。
    というが、「通学」「教室」「対面」という媒介なしに勉強する学生がどれだけ要るのだろうか?

    web化さえすればバラ色だという幻想はこの10年間のeラーニングの世界の衰亡が証明している。

  25. ryu-ta より:

    学ぶ意欲が低下している現状を打破しないと…。
    ウェブで学ぶ側、教える側をうまく連結させることはできないのかな。

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