オンライン・ツー・オフライン(O2O)コマースに1兆ドルの可能性がある理由

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編集部注:ウェブでの地域コマースの成長と共に、オンラインとリアル店舗との繋がりが強くなってきた。ゲストライターのAlex Rampellは、TrialPayのCEO兼ファウンダーである。この記事では、彼が言うところの「オンライン2オフライン」コマースに潜む力について解説する。

GrouponOpenTable, Restaurant.comSpaFinderの4つに共通するものは何か。いずれも、「オンライン・ツー・オフライン」コマースという車輪をうまく回している。

Grouponの成長は驚異的と言うほかはないが、これは私がオンライン・ツー・オフライン・コマースと呼ぶもっと大きなカテゴリーの、ほんの一部分にすぎない。B2CやB2B、C2Cなどの流通用語の流れに沿って「On2Off」(O2O)コマースとも書く。

少しの間おつきあい願いたい。O2Oの鍵は、オンラインで見つけてきた消費者を実世界の店舗に連れてくることにある。これは売り手にとって、支払いモデルとオフライン購売に結びつく客足生成手段とを組み合わせてものだ(消費者にとっての「発見」機構でもある)。取引(OpenTableのようなサービスなら予約)はすべてオンライン上で行われるため、本質的に測定可能である。目録モデル(Yelp、CitySearchなどを想像されたい)と全く異なるのは、支払い行為が加わることにより、実績の定量化が可能になり繋がりが保てることだ。これについては後に詳しく論じる。

考えてみると、これが「巨大」であることも、Grouponが歴代インターネット企業のどこよりも早く、利益率の高い売上を伸ばすことができているという事実も、ごく当然に思えてくる。Eコマース利用者の平均出費は年間約1000ドルである。平均的アメリカ人の年収を約4万ドルだとしよう。残りの3万9000ドルはどこへ行ったのか。(Eコマースショッパーが平均的アメリカ人よりも高収入であることを考慮に入れると、差額はもっと大きくなるが、話の主旨は変わらない)。

答え:その殆ど(税引き後の可処分所得)が地域で使われる。コーヒーショップ、バー、スポーツジム、レストラン、ガソリンスタンド、水道工事、ドライクリーニング、美容室。旅行を別にすると、オンラインのB2Cコマースの殆どは、オンラインで注文したものが箱に入れて送られてくる。面白くもないが、それでもEコマース業界が調べたところによると、オンラインで売られる商品の数は増えているという(Zapposが靴の販売で成功して10年間でゼロから$1B(10億ドル)を越え、ジュエリーのBlueNileも成功している)。

レストランやバー、ヨガ、セイリング、テニスのレッスン、ポールダンスなどという社会的体験を、FedExは運ぶことができないが、Grouponにはできる。しかも、地元で開いているヨガ教室にとって、空きのあるクラスに顧客が増えることによるコストは殆どゼロである。即ち「地域」の再販ビジネスモデルは、商品を安く仕入れて高く売って差額を手にしつつ、生ものや価値の下がる在庫を管理する、という従来型のEコマースモデルより利益率が高いことが多のである。

O2Oコマース会社のような企業にとって重要なのは、業績が直ちに測定可能であることで、これはO2Oコマースの信条の一つである。従来型のEコマースでは、クッキーやピクセルなどを使ってコンバージョン率(成約率)を追跡している。ZapposがオンラインマーケティングのROI(投資収益率)を計算できるのは、成約した注文の最終ページに「追跡コード」が入っているからだ。オフライン店舗にこんなぜいたくはできない。バーの用心棒は、客のiPhoneのブラウズ履歴を調べたりしない。しかし、O2Oなら簡単だ。取引はオンラインで発生するので、同じツールがオフライン世界でも利用できるようになり、必要なことはOpenTableやSpaFinderといった仲介人が取りまとめてくれる。これは、地域の店舗に広告を売るよりも、はるかに収益性が高く拡張性の高いモデルであることが証明されている。すべては支払いをオンライン仲介業者が回収するからこそである。

果たしてGrouponに10億ドルの企業価値があるのか? O2Oコマースが従来型(箱入り商品)のEコマースを抑えていくことは想像に難くない ― オフラインコマース自体がオンラインコマースより圧倒的に多い上に、O2Oは発見と支払いをオンラインへと移行しているだけだからだ。もしGrouponが市場のリーダーとしてさらに伸びるようなら、数十億ドルの企業価値を割引キャッシュフローだけで実現するだろうと私は予想する。Grouponはからくりやゲームなどではなく、オンライン店舗と取引エンジンによってオフラインコマースを促進する一つの成功例なのである。

ベンチャーキャピタリストや起業家は、「今日の特典」方式の猿マネの先を考えるべきだ ― 代わりに、オフラインコマースでの発見や支払い、実績測定などを、どうやってオンラインに移行できるかを考えるべきだ。これはインターネット業界全体 ― 広告、支払い、コマース ― に波及効果をもたらすだろう。1兆ドル規模の地域消費がオンラインへと移り始めるのである。

写真提供:Flickr/Jeremy Brooks

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(翻訳:Nob Takahashi)